FP2級過去問題 2016年9月学科試験 問20

問20

損害保険を活用した事業活動のリスク管理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 店舗建物とその中に収容している商品が火災で焼失した場合に備えて、火災保険を契約した。
  2. 調理販売した弁当が原因で食中毒が発生した場合に備えて、生産物賠償責任保険(PL保険)を契約した。
  3. 従業員が業務中の事故でケガをした場合に備えて労働者災害補償保険(政府労災保険)の上乗せ補償を目的に、労働災害総合保険を契約した。
  4. 設備工事業を営む企業が、従業員がマンションの外壁の工事中に誤って工具を落として通行中の歩行者にケガを負わせた場合に備えて、施設所有(管理)者賠償責任保険を契約した。

正解 4

問題難易度
肢114.3%
肢25.4%
肢36.9%
肢473.4%

解説

  1. 適切。火災保険は、住宅と家財だけではなく、店舗・事務所・工場などの事業用建物およびその中に収容されている業務用資産についても補償対象とします。よって、記述は適切です。
  2. 適切。生産物賠償責任保険(PL保険)は製造・販売・提供した商品・サービスが他人に引き渡された後、その欠陥によって生じた事故による対人・対物損害賠償に備えるのに適しています。
    飲食店を営む事業者が、食中毒による休業により売上が減少する場合に備えて、生産物賠償責任保険(PL保険)を契約した。2021.3-20-1
    飲食店を営む事業者が、食中毒による休業により売上が減少するリスクに備えて、生産物賠償責任保険(PL保険)を契約した。2019.1-20-2
    飲食店を営む企業が、食中毒が発生することによる売上げの減少に備えて、生産物賠償責任保険(PL保険)を契約した。2016.1-20-1
    飲食店を営む企業が、食中毒が発生することによる売上げの減少に備えて、生産物賠償責任保険(PL保険)を契約した。2015.5-20-2
    店舗内で調理し販売した食品が原因で食中毒が発生した場合に備えて、生産物賠償責任保険(PL保険)を契約した。2013.5-20-2
  3. 適切。労働災害総合保険は、組織が労働災害に被災した従業員やその遺族に対して支払う補償金や、労災により負った使用者としての損害賠償責任を補償するものです。政府労災保険の上乗せ補償を目的とするものは法定外補償条項と呼ばれ、労災について企業が独自の法定外補償規定を定めているときにその負担を補償対象とします。
    建設業を営む事業者が、従業員が業務中の事故によりケガをする場合に備えて、労働者災害補償保険(政府労災保険)の上乗せとして労働災害総合保険(法定外補償)を契約した。2023.9-20-3
    建設業を営む事業者が、従業員の労災事故に備えるため、労働者災害補償保険(政府労災保険)の上乗せとして、労働災害総合保険に加入することを検討している。2022.1-20-1
    製造業を営む事業者が、業務中の災害により従業員がケガを負う場合に備えて、労働者災害補償保険(政府労災保険)の上乗せ補償を目的として労働災害総合保険を契約した。2021.3-20-3
    製造業を営む事業者が、業務中の災害により従業員やパート従業員がケガを負う場合に備えて、労働者災害補償保険(政府労災保険)の上乗せ補償を目的として労働災害総合保険を契約した。2020.1-20-2
    製造業を営む企業が、労働者災害補償保険(政府労災保険)の上乗せ補償を目的として、労働災害総合保険を契約した。2017.1-20-1
    家具製造業を営む企業が、労働者災害補償保険(政府労災保険)の上乗せ補償を目的に、労働災害総合保険を契約した。2016.1-20-3
    金属加工業を営む企業が、労働者災害補償保険(政府労災保険)の上乗せ補償を目的として、労働災害総合保険を契約した。2015.10-20-1
    家具製造業を営む企業が、労働者災害補償保険(政府労災保険)の上乗せ補償を目的に、労働災害総合保険を契約した。2014.5-20-1
    業務災害により身体障害を被った従業員に対する労働者災害補償保険(政府労災保険)の上乗せ補償を目的として、労働災害総合保険の法定外補償保険を契約した。2013.5-20-4
  4. [不適切]。本事例に適した保険は請負業者賠償責任保険なので不適切です。施設所有(管理)者賠償責任保険は、保有・管理している施設内で、施設自体の構造上の欠陥、維持管理の不備、業務活動に基因する事故が発生した場合に、その損害賠償を補償する保険です。
    塗装工事業を営む企業が、従業員がマンションの外壁の塗装中に誤って工具を落として通行中の歩行者にケガを負わせた場合に備えて、施設所有(管理)者賠償責任保険を契約した。2014.5-20-3
したがって不適切な記述は[4]です。