FP2級過去問題 2015年10月学科試験 問20

問20

損害保険を活用した事業活動のリスク管理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 金属加工業を営む企業が、労働者災害補償保険(政府労災保険)の上乗せ補償を目的として、労働災害総合保険を契約した。
  2. 衣料品製造業を営む企業が、建物に収容されている製造用の機械設備の火災事故による損害に備えて、機械保険を契約した。
  3. 食品製造販売業を営む企業が、販売した食品に起因して食中毒が発生したことにより損害賠償責任を負う損害に備えて、生産物賠償責任保険(PL保険)を契約した。
  4. 建設業を営む企業が、クレーンが当たって建設中の建物が破損した場合に備えて、建設工事保険を契約した。

正解 2

問題難易度
肢15.5%
肢282.3%
肢34.5%
肢47.7%

解説

  1. 適切。労働災害総合保険は、組織が労働災害に被災した従業員やその遺族に対して支払う補償金や、労災により負った使用者としての損害賠償責任を補償するものです。政府労災保険の上乗せ補償を目的とするものは法定外補償条項と呼ばれ、労災について企業が独自の法定外補償規定を定めているときにその負担を補償対象とします。
    建設業を営む事業者が、従業員が業務中の事故によりケガをする場合に備えて、労働者災害補償保険(政府労災保険)の上乗せとして労働災害総合保険(法定外補償)を契約した。2023.9-20-3
    建設業を営む事業者が、従業員の労災事故に備えるため、労働者災害補償保険(政府労災保険)の上乗せとして、労働災害総合保険に加入することを検討している。2022.1-20-1
    製造業を営む事業者が、業務中の災害により従業員がケガを負う場合に備えて、労働者災害補償保険(政府労災保険)の上乗せ補償を目的として労働災害総合保険を契約した。2021.3-20-3
    製造業を営む事業者が、業務中の災害により従業員やパート従業員がケガを負う場合に備えて、労働者災害補償保険(政府労災保険)の上乗せ補償を目的として労働災害総合保険を契約した。2020.1-20-2
    製造業を営む企業が、労働者災害補償保険(政府労災保険)の上乗せ補償を目的として、労働災害総合保険を契約した。2017.1-20-1
    従業員が業務中の事故でケガをした場合に備えて労働者災害補償保険(政府労災保険)の上乗せ補償を目的に、労働災害総合保険を契約した。2016.9-20-3
    家具製造業を営む企業が、労働者災害補償保険(政府労災保険)の上乗せ補償を目的に、労働災害総合保険を契約した。2016.1-20-3
    家具製造業を営む企業が、労働者災害補償保険(政府労災保険)の上乗せ補償を目的に、労働災害総合保険を契約した。2014.5-20-1
    業務災害により身体障害を被った従業員に対する労働者災害補償保険(政府労災保険)の上乗せ補償を目的として、労働災害総合保険の法定外補償保険を契約した。2013.5-20-4
  2. [不適切]。火災による機械装置の損害は機械保険ではカバーされないので不適切です。機械保険は、物理的原因による破裂・爆発等の偶然な事故によって機械設備が被る損害を補償する保険です。火災による損害は火災保険でカバーする必要があります。
    店舗内に収容されている調理用の機械設備の火災事故による損害に備えて、機械保険に加入した。2013.5-20-3
  3. 適切。生産物賠償責任保険(PL保険)は、生産物の欠陥によって生じた事故による法律上の損害賠償責任を補償する保険です。販売した食品は生産物に該当するため、食中毒にあった顧客に対する顧客損害賠償責任も補償されます。
    生活用品を製造する事業者が、製造した製品の欠陥が原因で顧客がケガをして、法律上の損害賠償責任を負担する場合に備えて、生産物賠償責任保険(PL保険)を契約した。2024.1-20-1
    家庭用品を製造する事業者が、製造した製品が原因で、当該製品を使用した顧客がケガをして法律上の損害賠償責任を負うリスクに備えて、生産物賠償責任保険(PL保険)を契約した。2023.9-20-1
    小型家電製品を製造する事業者が、製造した製品の欠陥が原因で顧客がケガをする場合に備えて、生産物賠償責任保険(PL保険)を契約した。2023.1-20-4
    仕出し弁当を調理して提供する事業者が、食中毒を発生させて法律上の損害賠償責任を負うことによる損害に備えて、生産物賠償責任保険(PL保険)を契約した。2020.1-20-1
    食品製造販売業を営む企業が、販売した食品に起因して食中毒が発生したことにより損害賠償責任を負う場合に備えて、生産物賠償責任保険(PL保険)を契約した。2017.1-20-2
  4. 適切。不測の事故により、建物の建設工事中に工事目的物に生じる損害に対して建設工事保険に加入するのは有効です。
    建設業を営む事業者が、建設中の建物が火災により損害を被る場合に備えて、建設工事保険を契約した。2024.1-20-2
    貸しビル業を営む事業者が、所有するビル内に設置した機械が火災により損害を被る場合に備えて、機械保険を契約した。2023.1-20-2
    建設業を営む企業が、建設中の建物にクレーンが当たって建物が破損した場合に備えて、建設工事保険を契約した。2014.9-20-2
したがって不適切な記述は[2]です。