FP2級過去問題 2014年5月学科試験 問20

問20

損害保険を活用した事業活動のリスク管理に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. 家具製造業を営む企業が、労働者災害補償保険(政府労災保険)の上乗せ補償を目的に、労働災害総合保険を契約した。
  2. 食料品製造業を営む企業が、工場内に設置されている機械が火災により損害を被った場合に備えて、機械保険を契約した。
  3. 塗装工事業を営む企業が、従業員がマンションの外壁の塗装中に誤って工具を落として通行中の歩行者にケガを負わせた場合に備えて、施設所有(管理)者賠償責任保険を契約した。
  4. 遊園地を経営する企業が、施設内の直営レストランで食中毒が発生した場合に備えて、請負業者賠償責任保険を契約した。

正解 1

問題難易度
肢162.5%
肢214.3%
肢315.9%
肢47.3%

解説

  1. [適切]。労働災害総合保険は、組織が労働災害に被災した従業員やその遺族に対して支払う補償金や、労災により負った使用者としての損害賠償責任を補償するものです。政府労災保険の上乗せ補償を目的とするものは法定外補償条項と呼ばれ、労災について企業が独自の法定外補償規定を定めているときにその負担を補償対象とします。
    建設業を営む事業者が、従業員が業務中の事故によりケガをする場合に備えて、労働者災害補償保険(政府労災保険)の上乗せとして労働災害総合保険(法定外補償)を契約した。2023.9-20-3
    建設業を営む事業者が、従業員の労災事故に備えるため、労働者災害補償保険(政府労災保険)の上乗せとして、労働災害総合保険に加入することを検討している。2022.1-20-1
    製造業を営む事業者が、業務中の災害により従業員がケガを負う場合に備えて、労働者災害補償保険(政府労災保険)の上乗せ補償を目的として労働災害総合保険を契約した。2021.3-20-3
    製造業を営む事業者が、業務中の災害により従業員やパート従業員がケガを負う場合に備えて、労働者災害補償保険(政府労災保険)の上乗せ補償を目的として労働災害総合保険を契約した。2020.1-20-2
    製造業を営む企業が、労働者災害補償保険(政府労災保険)の上乗せ補償を目的として、労働災害総合保険を契約した。2017.1-20-1
    従業員が業務中の事故でケガをした場合に備えて労働者災害補償保険(政府労災保険)の上乗せ補償を目的に、労働災害総合保険を契約した。2016.9-20-3
    家具製造業を営む企業が、労働者災害補償保険(政府労災保険)の上乗せ補償を目的に、労働災害総合保険を契約した。2016.1-20-3
    金属加工業を営む企業が、労働者災害補償保険(政府労災保険)の上乗せ補償を目的として、労働災害総合保険を契約した。2015.10-20-1
    業務災害により身体障害を被った従業員に対する労働者災害補償保険(政府労災保険)の上乗せ補償を目的として、労働災害総合保険の法定外補償保険を契約した。2013.5-20-4
  2. 不適切。機械保険は、偶然な事故によって機械設備が被る損害を補償する保険ですが、火災事故による損害は対象外になります。
    事業用ビルの賃貸業を営む事業者が、賃貸ビルに設置した機械設備が火災により損害を被る場合に備えて、機械保険を契約した。2023.9-20-4
    貸しビル業を営む事業者が、火災により所有するビル内に設置した機械が損害を被る場合に備えて、機械保険を契約した。2020.1-20-4
    印刷業を営む企業が、工場内の機械設備・装置が火災により損害を被った場合に備えて、機械保険を契約した。2016.1-20-2
    印刷業を営む企業が、工場内の機械設備・装置が火災により損害を被った場合に備えて、機械保険を契約した。2014.9-20-1
  3. 不適切。建設、土木などの請負業者が行う業務による事故から生じる損害賠償責任を補償するのは請負業者賠償責任保険が最適です。
    施設所有(管理)者賠償責任保険は、組織の施設管理や仕事の遂行に起因する対人・対物事故が発生した場合に、緊急措置のための費用や法律上の損害賠償責任について補償する保険です。
    設備工事業を営む企業が、従業員がマンションの外壁の工事中に誤って工具を落として通行中の歩行者にケガを負わせた場合に備えて、施設所有(管理)者賠償責任保険を契約した。2016.9-20-4
  4. 不適切。飲食店の提供した食事の食中毒などを含め、製造・販売・提供した商品やサービスが引き渡された後に、その欠陥により生じた事故による補償は生産物賠償責任保険(PL保険)が最適です。
したがって適切な記述は[1]です。