FP2級過去問題 2016年1月学科試験 問20

問20

損害保険を活用した事業活動のリスク管理に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. 飲食店を営む企業が、食中毒が発生することによる売上げの減少に備えて、生産物賠償責任保険(PL保険)を契約した。
  2. 印刷業を営む企業が、工場内の機械設備・装置が火災により損害を被った場合に備えて、機械保険を契約した。
  3. 家具製造業を営む企業が、労働者災害補償保険(政府労災保険)の上乗せ補償を目的に、労働災害総合保険を契約した。
  4. 遊園地を運営する企業が、遊具の点検・整備中に従業員がケガをした場合に備えて、施設所有(管理)者賠償責任保険を契約した。

正解 3

問題難易度
肢117.1%
肢210.9%
肢359.6%
肢412.4%

解説

  1. 不適切。生産物賠償責任保険(PL保険)とは、他人に引き渡した製品や工事などの業務結果に基因して、他人の生命や身体および財産を侵害し損害賠償責任を負担した場合の損害を補償する保険です。そのため、設問のように食中毒が発生した場合の対処としては適していますが、営業が休止または阻害された場合の売上の減少は補償されません。売上減少などの休業損失を補償する場合は、店舗休業保険が適しています。
    食品製造業を営む事業者が、製造した食品が原因で食中毒を発生させ、法律上の損害賠償責任を負うリスクに備えて、生産物賠償責任保険(PL保険)を契約した。2025.1-20-1
    生活用品を製造する事業者が、製造した製品の欠陥が原因で顧客がケガをして、法律上の損害賠償責任を負担する場合に備えて、生産物賠償責任保険(PL保険)を契約した。2024.1-20-1
    家庭用品を製造する事業者が、製造した製品が原因で、当該製品を使用した顧客がケガをして法律上の損害賠償責任を負うリスクに備えて、生産物賠償責任保険(PL保険)を契約した。2023.9-20-1
    小型家電製品を製造する事業者が、製造した製品の欠陥が原因で顧客がケガをする場合に備えて、生産物賠償責任保険(PL保険)を契約した。2023.1-20-4
    レストランを営む事業者が、食中毒を発生させ、顧客に対して法律上の損害賠償責任を負うリスクに備えるため、生産物賠償責任保険(PL保険)に加入することを検討している。2022.1-20-3
    仕出し弁当を調理して提供する事業者が、食中毒を発生させて法律上の損害賠償責任を負うことによる損害に備えて、生産物賠償責任保険(PL保険)を契約した。2020.1-20-1
    飲食店を営む事業者が、食中毒による休業により売上が減少するリスクに備えて、生産物賠償責任保険(PL保険)を契約した。2019.1-20-2
    食品製造販売業を営む企業が、販売した食品に起因して食中毒が発生したことにより損害賠償責任を負う場合に備えて、生産物賠償責任保険(PL保険)を契約した。2017.1-20-2
    食品製造販売業を営む企業が、販売した食品に起因して食中毒が発生したことにより損害賠償責任を負う損害に備えて、生産物賠償責任保険(PL保険)を契約した。2015.10-20-3
    飲食店を営む企業が、食中毒が発生することによる売上げの減少に備えて、生産物賠償責任保険(PL保険)を契約した。2015.5-20-2
    店舗内で調理し販売した食品が原因で食中毒が発生した場合に備えて、生産物賠償責任保険(PL保険)を契約した。2013.5-20-2
  2. 不適切。機械保険は、作業ミスなどにより機械・設備などが突発的な事故によって損害を受けた場合に補償される保険で、火災による損害については補償対象外です。
    金属製品製造業を営む事業者が、工場内に設置した機械設備が火災により損害を被るリスクに備えて、機械保険を契約した。2025.1-20-3
    事業用ビルの賃貸業を営む事業者が、賃貸ビルに設置した機械設備が火災により損害を被る場合に備えて、機械保険を契約した。2023.9-20-4
    貸しビル業を営む事業者が、所有するビル内に設置した機械が火災により損害を被る場合に備えて、機械保険を契約した。2023.1-20-2
    製造業を営む事業者が、工場の機械が火災により滅失するリスクに備えて、機械保険を契約した。2019.1-20-1
    衣料品製造業を営む企業が、建物に収容されている製造用の機械設備の火災事故による損害に備えて、機械保険を契約した。2015.10-20-2
    印刷業を営む企業が、工場内の機械設備・装置が火災により損害を被った場合に備えて、機械保険を契約した。2014.9-20-1
    食料品製造業を営む企業が、工場内に設置されている機械が火災により損害を被った場合に備えて、機械保険を契約した。2014.5-20-2
  3. [適切]。労働災害総合保険は、組織が労働災害に被災した従業員やその遺族に対して支払う補償金や、労災により負った使用者としての損害賠償責任を補償するものです。政府労災保険の上乗せ補償を目的とするものは法定外補償条項と呼ばれ、労災について企業が独自の法定外補償規定を定めているときにその負担を補償対象とします。
    建設業を営む事業者が、業務中の事故で従業員が負傷するリスクに備えて、労働者災害補償保険(政府労災保険)の上乗せとして、労働災害総合保険(法定外補償)を契約した。2025.1-20-2
    建設業を営む事業者が、従業員が業務中の事故によりケガをする場合に備えて、労働者災害補償保険(政府労災保険)の上乗せとして労働災害総合保険(法定外補償)を契約した。2023.9-20-3
    建設業を営む事業者が、従業員の労災事故に備えるため、労働者災害補償保険(政府労災保険)の上乗せとして、労働災害総合保険に加入することを検討している。2022.1-20-1
    製造業を営む事業者が、業務中の災害により従業員がケガを負う場合に備えて、労働者災害補償保険(政府労災保険)の上乗せ補償を目的として労働災害総合保険を契約した。2021.3-20-3
    製造業を営む事業者が、業務中の災害により従業員やパート従業員がケガを負う場合に備えて、労働者災害補償保険(政府労災保険)の上乗せ補償を目的として労働災害総合保険を契約した。2020.1-20-2
    製造業を営む企業が、労働者災害補償保険(政府労災保険)の上乗せ補償を目的として、労働災害総合保険を契約した。2017.1-20-1
    従業員が業務中の事故でケガをした場合に備えて労働者災害補償保険(政府労災保険)の上乗せ補償を目的に、労働災害総合保険を契約した。2016.9-20-3
    金属加工業を営む企業が、労働者災害補償保険(政府労災保険)の上乗せ補償を目的として、労働災害総合保険を契約した。2015.10-20-1
    家具製造業を営む企業が、労働者災害補償保険(政府労災保険)の上乗せ補償を目的に、労働災害総合保険を契約した。2014.5-20-1
    業務災害により身体障害を被った従業員に対する労働者災害補償保険(政府労災保険)の上乗せ補償を目的として、労働災害総合保険の法定外補償保険を契約した。2013.5-20-4
  4. 不適切。施設所有(管理)者賠償責任保険とは、施設の使用・管理や業務の遂行によって生じた偶然の事故により、第三者の身体・生命を害したり、財物に損害を与えた場合に法律上の賠償責任を補償する保険で、設問のように従業員がケガをした場合の備えには適していません。このケースでは労働災害総合保険が適しています。
    遊園地を運営する企業が、遊具の点検・整備中に従業員がケガを負う場合に備えて、施設所有(管理)者賠償責任保険を契約した。2021.3-20-2
    遊園地を運営する企業が、遊具の点検・整備中に従業員がケガをした場合に備えて、施設所有(管理)者賠償責任保険を契約した。2015.5-20-3
    従業員が業務中に誤って利用会員にケガをさせた場合に備えて、施設所有(管理)者賠償責任保険を契約した。2013.9-20-3
したがって適切な記述は[3]です。