FP2級過去問題 2021年3月学科試験 問15

問15

個人年金保険の税金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、契約者(=保険料負担者)および年金受取人は個人であるものとする。
  1. 契約日から10年経過した個人年金保険を解約して契約者が受け取った解約返戻金は、一時所得として所得税の課税対象となる。
  2. 個人年金保険から契約者が受け取る年金は、雑所得として公的年金等控除の対象となる。
  3. 契約者と年金受取人が異なる個人年金保険において、年金支払開始時に年金受取人が取得した年金受給権は、贈与税の課税対象となる。
  4. 契約者と被保険者が同一人である個人年金保険において、年金支払開始前に被保険者が死亡して契約者の法定相続人である遺族が受け取った死亡給付金は、相続税の課税対象となり、死亡保険金の非課税金額の規定が適用される。

正解 2

解説

  1. 適切。契約から5年を経過した生命保険契約に係る解約返戻金や満期保険金を一時金で受け取る場合、その保険差益は一時所得として所得税の課税対象となります。
    契約から5年を超えた一時払変額個人年金保険(10年確定年金)を解約して契約者が受け取った解約返戻金は、一時所得として所得税(総合課税)の課税対象となる。2024.9-14-2
    契約から10年を経過した一時払養老保険を解約して契約者が受け取る解約返戻金は、所得税において総合課税の対象となる。2023.9-16-4
    契約から5年を超えた一時払変額個人年金保険(10年確定年金)を解約して契約者が受け取った解約返戻金は、一時所得として所得税(総合課税)の課税対象となる。2021.9-14-4
  2. [不適切]。公的年金等とは、国民年金、厚生年金、公務員等の共済組合などから受け取る年金を指します。個人年金保険は民間保険会社との契約によるものですから、公的年金等には該当しません。したがって公的年金等控除の適用はありません。
    契約者と年金受取人が同一人である個人年金保険において、年金受取人が毎年受け取る年金は、所得税における公的年金等控除の対象となる。2023.9-16-3
    契約者と年金受取人が同一人である個人年金保険において、年金受取人が毎年受け取る年金は、雑所得として公的年金等控除の対象となる。2021.5-13-4
    契約者と年金受取人が同一人である個人年金保険の場合、毎年受け取る年金は雑所得として公的年金等控除の対象となる。2019.9-14-3
    個人年金保険から受け取る年金は、雑所得として公的年金等控除の対象となる。2016.5-14-4
  3. 適切。契約者と年金受取人が異なる個人年金保険において、年金受取人が年金受給権を取得したということは、年金受取人は保険料の負担なしに年金受給権を得たことになります。このため、契約者より贈与を受けたとされ、年金受取人が取得した年金受給権は贈与税の課税対象となります。
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    契約者が夫、年金受取人が妻である個人年金保険において、妻が受け取る年金の年金受給権は、年金支払開始時に妻が贈与により取得したものとみなされ、贈与税の課税対象となる。2024.9-14-4
    契約者が夫、被保険者および年金受取人が妻である個人年金保険において、妻が受け取る年金の年金受給権は、年金支払開始時に夫から妻への贈与とみなされ、贈与税の課税対象となる。2021.9-14-2
    契約者と年金受取人が異なる個人年金保険において、年金支払開始時に年金受取人が取得した年金受給権は、贈与税の課税対象となる。2021.5-13-2
    契約者と年金受取人が異なる個人年金保険では、年金受取人は年金支払開始時に年金受給権を取得したものとみなされ、年金受給権は贈与税の課税対象となる。2019.9-14-1
    契約者と年金受取人が異なる個人年金保険契約では、年金受取人は年金支払開始時に年金受給権を取得したものとみなされ、当該受給権については贈与税の課税対象となる。2016.5-14-3
  4. 適切。個人年金の被保険者が年金受取開始に死亡して、死亡給付金が法定相続人である遺族に支払われた場合は、みなし相続財産として相続税の課税対象となり、「500万円×法定相続人の数」が死亡保険金の非課税金額として適用されます。
    個人年金保険の被保険者が年金受取開始前に死亡して、死亡給付金が法定相続人である遺族に支払われた場合、死亡給付金は相続税の課税対象となり、死亡保険金の非課税金額の規定が適用される。2017.9-14-3
したがって不適切な記述は[2]です。