FP2級過去問題 2016年5月学科試験 問14

問14

個人年金保険の税金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、契約者(=保険料負担者)および年金受取人は個人であるものとする。
  1. 個人年金保険料控除の対象となる個人年金保険契約は、保険料払込期間が10年以上あること等の条件をすべて満たし、個人年金保険料税制適格特約が付加された契約である。
  2. 契約日から10年経過した個人年金保険契約を解約して受け取った解約返戻金は、契約者の一時所得として課税対象となる。
  3. 契約者と年金受取人が異なる個人年金保険契約では、年金受取人は年金支払開始時に年金受給権を取得したものとみなされ、当該受給権については贈与税の課税対象となる。
  4. 個人年金保険から受け取る年金は、雑所得として公的年金等控除の対象となる。

正解 4

問題難易度
肢112.2%
肢220.1%
肢319.3%
肢448.4%

解説

  1. 適切。個人年金保険料控除が適用される個人年金保険は、保険料払込期間が10年以上であることなどを満たし、「個人年金保険料税制適格特約」が付加されているものに限られます。
    個人年金保険料控除の対象となる個人年金保険は、保険料払込期間が10年以上あること等の要件をすべて満たし、個人年金保険料税制適格特約が付加された契約である。2019.9-14-4
    個人年金保険料控除の対象となる個人年金保険契約は、保険料払込期間が10年以上であること等の条件をすべて満たし、個人年金保険料税制適格特約が付加された契約である。2016.9-14-3
    「個人年金保険料控除」の適用を受けるためには、個人年金保険契約に個人年金保険料税制適格特約を付加する必要がある。2014.5-12-4
    個人年金保険料控除の対象となる生命保険契約は、保険料払込期間が10年以上であること等の一定の要件を満たし、個人年金保険料税制適格特約が付加された契約である。2013.9-14-3
    個人年金保険料控除の対象となる契約は、保険料払込期間が10年以上であること等の一定の契約条件を備え、個人年金保険料税制適格特約を付加した契約である。2013.1-13-3
  2. 適切。5年以内に解約した個人年金保険は金融類似商品として20.315%の源泉分離課税となりますが、5年以上経過した解約返戻金は金融類似商品とはならず、一時所得として総合課税になります。
    契約者が契約日から8年経過した一時払養老保険契約を解約して受け取った解約返戻金は、一時所得として所得税の課税対象となる。2017.1-14-1
  3. 適切。契約者と受取人が違う個人年金保険契約では、受取人は年金支払開始時に年金受給権を取得したものとみなされ贈与税の課税対象になります。
    契約者が夫、年金受取人が妻である個人年金保険において、妻が受け取る年金の年金受給権は、年金支払開始時に妻が贈与により取得したものとみなされ、贈与税の課税対象となる。2024.9-14-4
    契約者が夫、被保険者および年金受取人が妻である個人年金保険において、妻が受け取る年金の年金受給権は、年金支払開始時に夫から妻への贈与とみなされ、贈与税の課税対象となる。2021.9-14-2
    契約者と年金受取人が異なる個人年金保険において、年金支払開始時に年金受取人が取得した年金受給権は、贈与税の課税対象となる。2021.5-13-2
    契約者と年金受取人が異なる個人年金保険において、年金支払開始時に年金受取人が取得した年金受給権は、贈与税の課税対象となる。2021.3-15-3
    契約者と年金受取人が異なる個人年金保険では、年金受取人は年金支払開始時に年金受給権を取得したものとみなされ、年金受給権は贈与税の課税対象となる。2019.9-14-1
  4. [不適切]。個人年金保険から受け取る年金は雑所得になりますが、公的年金等控除の対象にはなりません。
    契約者と年金受取人が同一人である個人年金保険において、年金受取人が毎年受け取る年金は、所得税における公的年金等控除の対象となる。2023.9-16-3
    契約者と年金受取人が同一人である個人年金保険において、年金受取人が毎年受け取る年金は、雑所得として公的年金等控除の対象となる。2021.5-13-4
    個人年金保険から契約者が受け取る年金は、雑所得として公的年金等控除の対象となる。2021.3-15-2
    契約者と年金受取人が同一人である個人年金保険の場合、毎年受け取る年金は雑所得として公的年金等控除の対象となる。2019.9-14-3
したがって不適切な記述は[4]です。