FP2級過去問題 2025年5月学科試験 問9

問9

住宅ローンの一般的な特徴に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 住宅ローンの返済方法において、元利均等返済と元金均等返済を比較した場合、借入額や返済期間などの他の条件が同一であれば、総返済額は元利均等返済のほうが多くなる。
  2. 住宅ローンの一部繰上げ返済において、返済額軽減型と返済期間短縮型を比較した場合、繰上げ返済額や金利などの他の条件が同一であれば、利息の軽減効果は返済額軽減型のほうが大きくなる。
  3. 住宅ローンの一部繰上げ返済をする場合、取扱金融機関によって最低返済額や必要となる手数料が異なることがある。
  4. 住宅ローンの借換えに際して、現在借入れをしている金融機関の抵当権を抹消し、借換先の金融機関の抵当権を設定する場合、登録免許税等の諸費用が必要となる。

正解 2

問題難易度
肢111.1%
肢280.6%
肢33.7%
肢44.6%

解説

  1. 適切。住宅ローンの返済方法には「元金均等返済方式」と「元利均等返済方式」があります。両者を比較した場合、元利均等返済方式よりも元金均等返済方式のほうが元金の減るペースが速くなります。その分だけ支払うべき利息が少なくなるので、返済期間や金利などの条件が同じであれば、利息を含めた総返済金額は元金均等返済方式のほうが少なくなります。
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  2. [不適切]。住宅ローンの繰上げ返済には「返済期間短縮型」と「返済額軽減型」があります。他の条件が同じであれば、利息軽減効果が大きいのは返済期間短縮型です。直近の返済元本に充当されることにより、将来発生する利息を早期に抑えることができるためです。
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  3. 適切。住宅ローンの繰上げ返済に関しては、利用する民間金融機関ごとに手続き内容、最低返済額や事務手数料が異なります。
    民間金融機関の住宅ローンを繰上げ返済する場合、金融機関により最低返済額や必要となる手数料が異なるため、事前に確認する必要がある。2014.5-8-4
  4. 適切。住宅ローンの借換えを行う場合、既存の借入金に設定されている抵当権を抹消し、新たな借入金に対して抵当権を設定する必要があります。この付け替えに伴って、登記に係る登録免許税や司法書士への委託料が必要です。また、借換先の金融機関で新規に住宅ローンを組むことになるため、当初の借入時と同じく、事務手数料、保証料、印紙代などの諸費用も掛かります。
    Aさんが別の金融機関の住宅ローンに借り換える場合、一般に、抵当権の抹消および借換先の金融機関の抵当権の設定が必要となり、登録免許税等の諸費用の負担が発生する。2024.9-9-3
    住宅ローンの借換えに際して、現在借入れをしている金融機関の抵当権を抹消し、借換先の金融機関の抵当権を新たに設定する場合、登録免許税等の諸費用が必要となる。2024.5-9-4
    住宅ローンの借換えに際して、A銀行の抵当権を抹消し、借換先の金融機関の抵当権を新たに設定する場合、登録免許税等の諸費用が必要となる。2024.1-8-3
    AさんがZ銀行以外の金融機関の住宅ローンに借り換えた場合、Z銀行の抵当権の抹消および借換先の金融機関の抵当権の設定が必要となるため、登録免許税等の諸費用が必要となる。2018.5-8-4
したがって不適切な記述は[2]です。