相続と税金(全61問中35問目)

No.35

相続税の計算における税額控除等に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
2016年9月試験 問56
  1. 遺産に係る基礎控除額は、「5,000万円+1,000万円×法定相続人の数」の算式によって計算される。
  2. すでに死亡している被相続人の子を代襲して相続人となった被相続人の孫は、相続税額の2割加算の対象者となる。
  3. 被相続人の配偶者が「配偶者に対する相続税額の軽減」の適用を受けた場合、配偶者が相続等により取得した財産の価額が、1億6,000万円または配偶者の法定相続分相当額のいずれか多い金額までであれば、原則として、配偶者の納付すべき相続税額はないものとされる。
  4. 「配偶者に対する相続税額の軽減」の適用を受けるためには、相続が開始した日において被相続人との婚姻期間が20年以上でなければならない。

正解 3

問題難易度
肢13.0%
肢27.0%
肢368.1%
肢421.9%

解説

  1. 不適切。遺産に係る基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」の算式によって計算します。
    遺産に係る基礎控除額は、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」の算式によって計算される。2015.9-58-1
    遺産に係る基礎控除額は、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」の算式によって計算される。2015.5-60-1
  2. 不適切。相続税の2割加算の対象となるのは、被相続人の配偶者・父母・子以外の人です。孫は2親等なので原則としては2割加算の対象ですが、代襲相続者である孫は、相続人となるべきだった子の立場をそのまま引き継ぐことから、相続税の2割加算の対象外とされています。
    遺産に係る基礎控除額の計算上、被相続人の子がすでに死亡し、代襲して相続人となった被相続人の孫は実子とみなされる。2023.9-58-4
    相続人となるべき被相続人の子がすでに死亡しているため、その死亡した子を代襲して相続人となった被相続人の孫は、相続税額の2割加算の対象者となる。2023.1-57-2
    すでに死亡している被相続人の子を代襲して相続人となった被相続人の孫は、相続税額の2割加算の対象とならない。2022.5-57-2
    すでに死亡している被相続人の子を代襲して相続人となった被相続人の孫は、相続税額の2割加算の対象となる。2019.1-57-1
    相続人となるべき被相続人の子がすでに死亡しているため、その死亡した子を代襲して相続人となった被相続人の孫は、相続税額の2割加算の対象者となる。2018.5-56-2
    すでに死亡している被相続人の子を代襲して相続人となった被相続人の孫は、相続税額の2割加算の対象者となる。2016.1-56-1
  3. [適切]。配偶者に対する相続税額の軽減の適用を受けた場合、配偶者は法定相続分または1億6,000万円のいずれか多い金額までであれば相続税はかかりません。
    配偶者の税額軽減の適用を受けた配偶者が相続または遺贈により取得した正味の遺産額が1億6,000万円を超える場合は、その遺産額が配偶者の法定相続分相当額以下であっても、配偶者の納付すべき相続税額は0(ゼロ)とならない。2024.9-57-1
    被相続人の配偶者が「配偶者に対する相続税額の軽減」の適用を受けた場合、配偶者が相続等により取得した財産の価額が、1億6,000万円または配偶者の法定相続分相当額のいずれか多い金額までであれば、原則として、配偶者の納付すべき相続税額はないものとされる。2016.1-56-2
  4. 不適切。配偶者に対する相続税額の軽減とは、法定相続分相当額または1億6,000万円のいずれか多い方までは相続税がゼロになる制度です。法律上の配偶者であれば婚姻期間に関係なく適用を受けることができます。
    「配偶者に対する相続税額の軽減」の適用を受けるためには、相続が開始した日において被相続人との婚姻期間が20年以上でなければならない。2014.9-56-2
したがって適切な記述は[3]です。