FP2級過去問題 2013年5月学科試験 問24

問24

一般的な固定利付債券への投資に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 債券の発行体の財務状況の悪化や経営不振などにより、償還や利払い等の不履行の可能性が高まると、一般に、当該債券の市場価格は下落する。
  2. 他の条件が同じであれば、残存期間の短い債券よりも、残存期間の長い債券の方が、金利変動に対する債券価格の変動幅が大きくなる。
  3. オーバーパー発行の債券の応募者利回りは、表面利率より高くなる。
  4. 発行体が非居住者である債券や発行地が海外である債券は、外国債券と呼ばれる。

正解 3

問題難易度
肢18.8%
肢217.9%
肢358.7%
肢414.6%

解説

  1. 適切。発行体の財務状況や経営環境の悪化により、利払いや元本償還の履行が危ぶまれると、当該債券の信用リスクが上昇します。信用リスクの高まった債券を買おうとする投資家は少なくなるため、需給バランスにより当該債券の価格は一般的に下落します。
    3/403.png/image-size:400×131
    発行体の財務状況の悪化や経営不振などにより、元金の償還や利払い等が履行されない可能性が高まることは、債券価格の下落要因となる。2025.5-24-2
    債券の発行体の財務状況の悪化や経営不振などにより、償還や利払い等が履行されない可能性が高まると、当該債券の市場価格は下落する傾向がある。2019.1-23-3
    債券の発行体の財務状況の悪化や経営不振などにより、償還や利払い等が履行されない可能性が高まると、当該債券の市場価格は下落する傾向がある。2018.5-23-4
    債券の発行体の財務状況の悪化や経営不振などにより、償還や利払い等の不履行の可能性が高まると、当該債券の市場価格は下落する。2015.9-23-3
  2. 適切。固定利付債券では将来の利息(クーポン)が固定されているため、金利が変動した際は償還差益で価値の調整が行われます。この際、利息収入の割合が大きい(=残存期間が長い)債券ほど、所定の利回りに合わせるために必要な償還差益の調整幅も大きくなります。そのため、短期債よりも長期債のほうが金利変動に対する価格変動幅(金利感応度)は大きくなります。
    他の条件が同一であれば、残存期間の短い債券より残存期間の長い債券の方が、利回りの変動に対する価格の変動幅は小さい。2017.9-23-2
    他の条件が同じであれば、残存期間の短い債券よりも残存期間の長い債券の方が、金利の変動に対する価格変動幅は大きい。2013.9-24-3
  3. [不適切]。発行時の価格が、額面(100円)を上回っている債券をオーバーパー発行の債券といいます。償還差損が発生する分だけ、応募者利回りは表面利率より低くなります。
  4. 適切。外国債券とは、発行地・発行体・通貨のいずれかが日本国外である債券のことです。
したがって不適切な記述は[3]です。