FP2級過去問題 2014年1月学科試験 問5(改題)

問5

特別支給の老齢厚生年金および老齢厚生年金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 特別支給の老齢厚生年金が支給されるためには、老齢厚生年金の受給資格期間を満たし、厚生年金保険の被保険者期間が1年以上あることなどの要件を満たす必要がある。
  2. 厚生年金保険の被保険者に支給される特別支給の老齢厚生年金は、当該被保険者の総報酬月額相当額と基本月額との合計額が50万円(2024年度価額)を超える場合、在職老齢年金の仕組みにより年金額の全部または一部が支給停止となる。
  3. 老齢厚生年金は受給権が発生すると自動的に支給されるものではなく、支給を受けるための請求手続きを行う必要がある。
  4. 老齢厚生年金は、老齢基礎年金とは異なり、その支給開始を繰り下げて受給することはできない。

正解 4

問題難易度
肢18.8%
肢25.6%
肢35.4%
肢480.2%

解説

  1. 適切。特別支給の老齢厚生年金を受給するためには、老齢基礎年金の受給資格期間(保険料納付済期間と保険料免除期間を合わせて10年以上)を満たし、かつ、厚生年金保険の被保険者期間を1年以上有していることが必要です。
    65歳からの老齢厚生年金は、老齢基礎年金の受給資格期間を満たし、厚生年金保険の被保険者期間がある者に支給される。2021.3-6-1
    特別支給の老齢厚生年金が支給されるためには、老齢基礎年金の受給資格期間を満たし、厚生年金保険の被保険者期間が1年以上あることなどの要件を満たす必要がある。2019.1-6-1
    65歳以降の老齢厚生年金が支給されるためには、老齢基礎年金の受給資格を満たし、厚生年金保険の被保険者期間が1年以上あることなどの要件を満たす必要がある。2018.9-5-1
    特別支給の老齢厚生年金が支給されるためには、老齢基礎年金の受給資格を満たし、厚生年金保険の被保険者期間が1ヵ月以上あることなどの要件を満たす必要がある。2018.9-5-2
    65歳以降の老齢厚生年金を受給するためには、老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていることのほか、厚生年金保険の被保険者期間を1年以上有することが必要である。2018.1-6-2
    65歳以降の老齢厚生年金を受給するためには、老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていることのほか、厚生年金保険の被保険者期間を1年以上有することが必要である。2017.5-6-2
    特別支給の老齢厚生年金が支給されるためには、老齢基礎年金の受給資格を満たし、厚生年金保険の被保険者期間が1ヵ月以上あることなどの要件を満たす必要がある。2016.9-4-1
  2. 適切。厚生年金の被保険者として勤務しながら老齢厚生年金を受給している場合、在職老齢年金の仕組みにより、総報酬月額相当額と年金の基本月額の合計が50万円を超えると、老齢厚生年金(報酬比例部分)の全部または一部が支給停止になります。
    65歳以上の厚生年金保険の被保険者に支給される老齢厚生年金は、在職老齢年金の仕組みにより、当該被保険者の総報酬月額相当額と基本月額の合計額が50万円(2024年度価額)を超える場合、経過的加算部分等を除いた年金額の全部または一部が支給停止となる。2021.5-7-3
    厚生年金保険の被保険者に支給される特別支給の老齢厚生年金は、在職老齢年金の仕組みにより、その受給権者の総報酬月額相当額と基本月額との合計が50万円(2024年度価額)を超えた場合、年金額の全部または一部が支給停止となる。2019.5-6-2
    厚生年金保険の被保険者に支給される特別支給の老齢厚生年金は、在職老齢年金の仕組みにより、当該被保険者の総報酬月額相当額と基本月額の合計額が50万円(2024年度価額)を超えると、年金額の全部または一部が支給停止となる。2019.1-6-4
    厚生年金保険の被保険者に支給される特別支給の老齢厚生年金は、その受給権者の総報酬月額相当額と基本月額との合計額が50万円(2024年度価額)を超える場合、年金額の全部または一部が支給停止となる。2018.1-6-3
    特別支給の老齢厚生年金の受給権者が厚生年金保険の被保険者である場合、その者の総報酬月額相当額と基本月額との合計額が50万円(2024年度価額)を超えるときは、年金額の全部または一部が支給停止となる。2016.9-4-3
    65歳未満の厚生年金保険の被保険者に支給される老齢厚生年金は、その者の基本月額と総報酬月額相当額の合計額が50万円(2024年度価額)を超える場合、年金額の全部または一部が支給停止となる。2015.10-6-3
    厚生年金保険の被保険者に支給される特別支給の老齢厚生年金は、当該被保険者の総報酬月額相当額と基本月額との合計額が50万円(2024年度価額)を超える場合、在職老齢年金の仕組みにより年金額の全部または一部が支給停止となる。2013.9-5-4
    65歳未満の厚生年金保険の被保険者に支給される特別支給の老齢厚生年金は、基本月額と総報酬月額相当額の合計が50万円(2024年度価額)を超えた場合、年金額の全部または一部が支給停止となる。2013.1-6-1
    65歳以上の厚生年金保険の被保険者に支給される老齢厚生年金は、基本月額と総報酬月額相当額の合計が50万円(2024年度価額)を超えた場合、年金額の全部または一部が支給停止となる。2013.1-6-2
  3. 適切。老齢厚生年金は要件を満たして受給できる年齢になっても、自動的に支給されるわけではありません。受給できる年齢に達したら年金の請求手続きを行う必要があります。
  4. [不適切]。老齢厚生年金も繰り下げて受給することができます。老齢厚生年金の繰下げは、繰上げをする場合と異なり老齢基礎年金と同時に行う必要がないので、いずれかのみを繰り下げることが可能です。
したがって不適切な記述は[4]です。