FP2級過去問題 2018年9月学科試験 問55

問55

民法で規定する相続の承認および放棄に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. 相続の放棄をしようとする者が一人でもいる場合は、相続の開始があったことを知った時から原則として3ヵ月以内に、共同相続人全員が、家庭裁判所に対して、相続の放棄をする旨を申述しなければならない。
  2. 推定相続人が相続の開始前に相続の放棄をしようとする場合は、家庭裁判所に対してその旨を申述して許可を受ける必要がある。
  3. 限定承認をしようとする場合、相続の開始があったことを知った時から原則として3ヵ月以内に、その旨を家庭裁判所に相続人全員が共同して申述しなければならない。
  4. 相続人が相続の放棄をした場合、放棄をした者の子が、放棄をした者に代わって相続人となる。

正解 3

問題難易度
肢19.9%
肢213.5%
肢368.2%
肢48.4%

解説

  1. 不適切。相続を放棄するには、相続の開始があったことを知った時から3ヵ月以内に、家庭裁判所にその旨を申述しなければなりませんが、この手続きは各相続人が単独で行えます。
    相続の放棄をする相続人は、原則として、相続の開始があったことを知った時から3カ月以内に、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。2025.5-54-2
    相続の放棄をしようとする者は、原則として、相続の開始があったことを知った時から3ヵ月以内に、家庭裁判所に相続の放棄をする旨を申述しなければならない。2024.5-55-3
    相続の放棄をする場合は、相続人は相続の開始があったことを知った時から原則として6ヵ月以内に家庭裁判所に申述しなければならない。2023.1-56-4
    単純承認をしようとする相続人は、相続の開始があったことを知った時から原則として3ヵ月以内に、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。2014.9-54-2
  2. 不適切。相続の放棄は、相続の開始があったことを知った時からしかできないので、相続開始前に相続の放棄を申述することはできません。
  3. [適切]。限定承認をするには、相続の開始があったことを知った時から3ヵ月以内に、相続人全員が共同して家庭裁判所に申述する必要があります。
    限定承認とは、積極財産(プラスの財産)の範囲内で、消極財産(マイナスの財産)を相続するものです。
    限定承認をしようとする場合、相続の開始があったことを知った時から原則として3ヵ月以内に、その旨を家庭裁判所に相続人全員が共同して申述しなければならない。2014.9-54-3
  4. 不適切。代襲相続は、相続人が死亡・欠格・廃除により相続権を失った場合に生じます。相続を放棄した場合には代襲相続の適用外となるので、放棄した者の子は相続人にはなれません。
    相続人が相続の放棄をした場合、その放棄をした者の子が代襲して相続人となる。2025.5-54-3
    被相続人の子が相続の放棄をした場合、その相続の放棄をした者の子(被相続人の孫)は、代襲相続人とならない。2024.5-55-4
    相続人となるべき被相続人の子が相続の放棄をした場合、その放棄した子の子が代襲して相続人となる。2020.9-53-4
    被相続人の子Cさんが相続の放棄をした場合、Cさんの子Dさんが代襲して相続人となる。2018.1-54-4
    被相続人の子Aさんが相続の放棄をした場合、Aさんの子Bさんが代襲して相続人となる。2016.9-54-3
    相続人が相続の放棄をした場合、放棄をした者の子が、放棄をした者に代わって相続人となる。2014.9-54-4
したがって適切な記述は[3]です。