FP2級過去問題 2019年5月学科試験 問16

問16

任意加入の自動車保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. 自動車を被保険者の父の家の車庫に入れるとき、誤って門柱を損傷した場合、その損害は対物賠償保険の補償の対象となる。
  2. 自動車を運転中に交通事故で被保険者が重傷を負った場合、その損害のうち被保険者自身の過失割合に相当する部分を差し引いたものが人身傷害補償保険の補償の対象となる。
  3. 運転免許失効中の被保険者が自動車を運転中に交通事故で他人を死傷させてしまった場合、その損害は対人賠償保険の補償の対象となる。
  4. 車両保険を契約した場合、他に特約を付帯していなくても地震・噴火およびそれらに起因する津波による車両の損害は補償の対象となる。

正解 3

問題難易度
肢18.4%
肢210.4%
肢372.1%
肢49.1%

解説

  1. 不適切。対物賠償保険は、車両事故により他人の物を壊した場合にその損害額を補てんします。対物賠償における「他人」とは、記名被保険者および運転者の父母・配偶者・子以外の人です。門柱は、被保険者である父の財産であるため補償対象外となります。
    自動車を被保険者の父の家の車庫に入れるとき、誤って門柱を損傷した場合、その損害は対物賠償保険の補償の対象となる。2018.9-16-1
  2. 不適切。人身傷害補償保険は、被保険者に過失があっても、示談を待たずに過失割合に関係なく、保険金額を限度として損害額の全額が補償の対象となります。
    被保険者が被保険自動車を運転中に、交通事故を起こして被保険者がケガをした場合、その損害額のうち、被保険者の過失割合に相当する部分についても人身傷害保険の補償の対象となる。2023.9-17-3
    被保険自動車を運転中に交通事故で被保険者が死亡した場合、その損害のうち、被保険者自身の過失割合に相当する部分を差し引いた損害が人身傷害(補償)保険の補償の対象となる。2022.1-16-2
    被保険者が被保険自動車を運転中に、交差点で接触事故を起こしてケガを負った場合、被った損害額から自分の過失相当分を差し引いた金額が人身傷害(補償)保険の補償の対象となる。2021.9-16-2
    被保険自動車を運転しているときに脇見をしたため前車に追突し、被保険者がケガを負った場合、被保険者の過失割合が100%であっても人身傷害(補償)保険の補償の対象となる。2021.5-17-3
    被保険自動車を運転中に交通事故で被保険者が死亡した場合、被保険者の過失割合にかかわらず、その死亡による損害の全額が保険金額を限度として人身傷害補償保険の補償の対象となる。2020.9-17-4
    自動車を運転中に交通事故で被保険者が重傷を負った場合、その損害のうち被保険者自身の過失割合に相当する部分を差し引いたものが人身傷害補償保険の補償の対象となる。2018.9-16-2
  3. [適切]。対人賠償保険及び対物賠償保険は、被害者の損害を補償するものであるため、無免許運転でも保険金支払いの対象となります。一方、運転者側の損害を補償する、人身傷害賠償保険、搭乗者傷害、自損事故傷害、無保険車事故傷害、車両保険などは無免許運転だと保険金が支払われません。
    運転免許失効中の被保険者が自動車を運転中に交通事故で他人を死傷させてしまった場合、その損害は対人賠償保険の補償の対象となる。2018.9-16-3
  4. 不適切。地震・噴火・津波により自動車が受けた損害は、車両保険では補償されません。特約により50万円程度の一時金が支払われるものはありますが、地震等による自動車の損害は、地震保険でも車両保険でも補償されないのが原則です。
    車両保険では、特約を付帯しなければ、地震・噴火およびそれらに起因する津波による被保険自動車の損害は、補償の対象とならない。2019.9-15-4
    車両保険を契約した場合、他に特約を付帯していなくても地震・噴火およびそれらに起因する津波による車両の損害は補償の対象となる。2018.9-16-4
    車両保険では、特約を付帯しない場合、地震・噴火またはこれらによる津波を原因とする損害は保険金支払いの対象とならない。2017.9-17-4
    車両保険は、特約を付さなければ、一般に、地震・噴火またはこれらによる津波による損害は保険金の支払いの対象とはならない。2013.1-15-4
したがって適切な記述は[3]です。