FP2級過去問題 2019年5月学科試験 問15

問15

契約者(=保険料負担者)を法人とする生命保険契約の保険料や給付金等の経理処理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、特約については考慮しないものとし、いずれも保険料は毎月平準払いで支払われているものとする。
  1. 被保険者が役員、死亡保険金受取人および満期保険金受取人が法人である養老保険の支払保険料は、その2分の1相当額を資産に計上し、残額を損金の額に算入することができる。
  2. 被保険者が役員、死亡保険金受取人が法人である終身保険を解約して受け取った解約返戻金は、資産に計上していた保険料積立金との差額を雑収入または雑損失として計上する。
  3. 被保険者が役員・従業員全員、死亡給付金受取人が被保険者の遺族、年金受取人が法人である個人年金保険の支払保険料は、その10分の9相当額を資産に計上し、残額を損金の額に算入することができる。
  4. 給付金受取人である法人が受け取った医療保険の入院給付金は、全額を雑収入として益金の額に算入する。

正解 1

問題難易度
肢152.2%
肢28.4%
肢325.2%
肢414.2%

解説

  1. [不適切]。法人契約の養老保険で、死亡保険金受取人および満期保険金受取人が法人の場合には、支払保険料の全額を資産に計上します。
    資産と損金に2分の1ずつ分けるのは、法人契約の養老保険のうち、①被保険者が役員・従業員全員、②死亡保険金受取人が被保険者の遺族、③満期保険金受取人が法人、という三要件を満たす契約です。養老保険の仕訳が問われたときにはこの三要件に注意しましょう。
  2. 適切。法人契約の終身保険で、法人が受け取った解約返戻金は、それまでに資産計上していた保険料積立金との差額を雑損失または雑収入として仕訳します。
  3. 適切。法人契約の個人年金保険で、①被保険者がすべての役員・従業員、②死亡給付金受取人が役員・従業員の遺族、③年金受取人が法人である場合の保険料は、10分の9を資産に計上し、10分の1を損金に算入します。
  4. 適切。受取人が法人である医療保険の入院給付金は、その全額を益金(雑収入)に算入します。個人が受け取る入院給付金は非課税ですが、法人税法では非課税ではありません。
したがって不適切な記述は[1]です。