FP2級過去問題 2022年1月学科試験 問1

問1

ファイナンシャル・プランナー(以下「FP」という)の顧客に対する行為に関する次の記述のうち、関連法規に照らし、最も不適切なものはどれか。
  1. 金融商品取引業者の登録を受けていないFPのAさんは、特定銘柄について、顧客から株式投資のアドバイスを求められ、その株価チャートを示しながら投資のタイミングを有償で助言した。
  2. 生命保険募集人の登録を受けていないFPのBさんは、顧客からライフプランの相談を受け、老後資金を準備するための生命保険の一般的な活用方法を無償で説明した。
  3. 司法書士の登録を受けていないFPのCさんは、顧客から将来判断能力が不十分になった場合の財産の管理を依頼され、有償で当該顧客の任意後見受任者となった。
  4. 社会保険労務士の登録を受けていないFPのDさんは、顧客の求めに応じ、老齢基礎年金や老齢厚生年金の受給要件や請求方法を無償で説明した。

正解 1

問題難易度
肢187.1%
肢22.7%
肢37.2%
肢43.0%

解説

  1. [不適切]。金融商品取引業者の登録を受けていないFPは、投資助言に対し相手方が報酬を支払う契約(投資顧問契約)に基づいて助言をすることはできません。本肢は「有償で助言」なので投資顧問契約に基づく助言と判断され、金融商品取引法違反となります。
    金融商品取引業者の登録を受けていないFPのBさんは、顧客から株式投資についてアドバイスを求められ、特定銘柄の株価チャートを解説し、投資のタイミングを助言した。2019.5-1-2
  2. 適切。生命保険募集人の資格を持っていないFPは、保険の募集を行うことはできませんが、保障内容や保険の活用方法について一般的な説明をしたり、必要保障額の試算を行うことはできます。
    生命保険募集人の登録を受けていないFPのDさんは、顧客からライフプランの相談を受け、老後資金を準備するための生命保険の一般的な活用方法を説明した。2023.9-1-4
    生命保険募集人の登録を受けていないFPのDさんは、ライフプランの相談に来た顧客に対して、生命保険の一般的な商品性や活用方法を有償で説明した。2022.9-1-4
    生命保険募集人の登録を受けていないFPのBさんは、ライフプランの相談に来た顧客に対して、生命保険の一般的な商品内容や目的別の活用方法を有償で説明した。2022.5-1-2
    生命保険募集人の登録を受けていないFPのCさんは、ライフプランの相談に来た顧客に対して、生命保険の商品内容を説明した。2021.9-[1-3
    生命保険募集人の登録を受けていないFPのAさんは、ライフプランの相談に来た顧客に対して、生命保険商品の商品性を説明した。2019.5-1-1
  3. 適切。任意後見契約の受任者となるのに特別な資格は要りません。そのFPが不適任事由に該当しなければ、顧客との間で任意後見契約を締結しても問題ありません。
    司法書士の登録を受けていないFPのDさんは、顧客から将来判断能力が不十分になった場合の財産の管理を依頼され、有償で当該顧客の任意後見受任者となった。2024.1-1-4
    司法書士の資格を有しないFPのCさんは、顧客から将来判断能力が不十分になった場合の財産の管理を依頼され、当該顧客の任意後見受任者となった。2019.5-1-3
    司法書士資格を有しないFPのCさんは、顧客から将来の財産の管理を依頼され、当該顧客の任意後見受任者となった。2018.9-1-3
  4. 適切。社会保険労務士の独占業務は、労働社会保険諸法令に基づく「申請書類の作成、提出手続きの代行」「申告等の代理」「帳簿書類の作成」です。社労士資格を有しないFPであっても、受給要件や請求方法などの一般的な説明をすることはできます。
    社会保険労務士の登録を受けていないFPのAさんは、顧客の求めに応じ、老齢基礎年金や老齢厚生年金の受給要件や請求方法を無償で説明した。2024.1-1-1
    社会保険労務士の登録を受けていないFPのAさんは、ライフプランの相談に来た顧客に対して、老齢基礎年金や老齢厚生年金の受給要件や請求方法の概要を有償で説明した。2022.9-1-1
    社会保険労務士の資格を有しないFPのBさんは、老齢基礎年金の受給要件や請求方法を顧客に説明した。2020.9-1-2
したがって不適切な記述は[1]です。