FP2級過去問題 2021年9月学科試験 問1

問1

ファイナンシャル・プランナー(以下「FP」という)の顧客に対する行為に関する次の記述のうち、関連法規に照らし、最も不適切なものはどれか。
  1. 税理士の登録を受けていないFPのAさんは、顧客からふるさと納税に関する寄附金控除について相談され、所得税法や地方税法の条文等を示しながら一般的な説明をした。
  2. 弁護士の登録を受けていないFPのBさんは、顧客からの要請に応じ、当該顧客を委任者とする任意後見契約の受任者となった。
  3. 生命保険募集人の登録を受けていないFPのCさんは、ライフプランの相談に来た顧客に対して、生命保険の商品内容を説明した。
  4. 金融商品取引業の登録を受けていないFPのDさんは、顧客と資産運用に関する投資顧問契約を締結したうえで、値上がりが期待できる株式の個別銘柄を示し、その購入を勧めた。

正解 4

問題難易度
肢12.5%
肢23.5%
肢33.6%
肢490.4%

解説

  1. 適切。税理士の独占業務は、「税務代理」「税務書類の作成」、個別具体的な「税務相談」の3つです。この3つの業務を行うことは有償・無償を問わず禁じられています。税理士資格を有していないFPであっても、相談を受けて税法や税制の一般的な説明をする分には問題ありません。
    税理士資格を有しないFPが、顧客からふるさと納税に関する寄附金控除の制度について聞かれ、所得税法の条文等を示しながら一般的な解説をした。2018.5-1-1
  2. 適切。任意後見人となるのに特別な資格は不要なので、弁護士資格を有しないFPでも、任意後見契約の受任者になることはできます。
    弁護士の登録を受けていないFPのBさんは、財産管理の相談に来た顧客の求めに応じ、有償で、当該顧客を委任者とする任意後見契約の受任者となった。2023.9-1-2
    弁護士の登録を受けていないFPのBさんは、資産管理の相談に来た顧客の求めに応じ、有償で、当該顧客を委任者とする任意後見契約の受任者となった。2022.9-1-2
    弁護士資格を有しないFPが、顧客からの要請に応じ、当該顧客を委任者とする任意後見契約の受任者となった。2018.5-1-2
  3. 適切。生命保険募集人の資格を持っていないFPは、保険の募集を行うことはできませんが、保険商品の特徴や活用例の説明をしたり、必要保障額の試算を行うことはできます。
    生命保険募集人の登録を受けていないFPのAさんは、ライフプランについて相談に来た顧客に対して、生命保険の一般的な商品内容や目的別の活用方法を有償で説明した。2024.9-2-1
    生命保険募集人の登録を受けていないFPのDさんは、顧客からライフプランの相談を受け、老後資金を準備するための生命保険の一般的な活用方法を説明した。2023.9-1-4
    生命保険募集人の登録を受けていないFPのDさんは、ライフプランの相談に来た顧客に対して、生命保険の一般的な商品性や活用方法を有償で説明した。2022.9-1-4
    生命保険募集人の登録を受けていないFPのBさんは、ライフプランの相談に来た顧客に対して、生命保険の一般的な商品内容や目的別の活用方法を有償で説明した。2022.5-1-2
    生命保険募集人の登録を受けていないFPのBさんは、顧客からライフプランの相談を受け、老後資金を準備するための生命保険の一般的な活用方法を無償で説明した。2022.1-1-2
    生命保険募集人の登録を受けていないFPのAさんは、ライフプランの相談に来た顧客に対して、生命保険商品の商品性を説明した。2019.5-1-1
    生命保険募集人の登録を受けていないファイナンシャル・プランナーが、ライフプランの相談に来た顧客に対し、ライフイベントに応じた生命保険の活用方法を説明した。2014.5-1-2
  4. [不適切]。投資顧問契約に基づいて助言を行う業務は金融商品取引業に該当するため、金融商品取引業の登録を受ける必要があります。本肢のFPは登録を受けていないので、金融商品取引法に違反しています。
    金融商品取引業の登録を受けていないFPのAさんは、顧客と資産運用に関する投資顧問契約を締結したうえで、値上がりが期待できる株式の個別銘柄の購入を勧めた。2023.9-1-1
    金融商品取引業の登録を受けていないFPのDさんは、顧客と資産運用に関する投資助言契約を締結したうえで、値上がりが期待できる株式の個別銘柄の購入を勧めた。2021.5-1-4
    金融商品取引業の登録を受けていないFPのDさんが、資産運用の相談に来た顧客からの求めに応じ、有償の投資顧問契約を締結し、当該契約に基づき、その顧客に株式の個別銘柄に関する投資の助言を行った。2021.3-1-4
    金融商品取引業の登録を受けていないFPのDさんは、顧客と資産運用に関する投資助言契約を締結したうえで、値上がりが期待できる株式の個別銘柄の購入を勧めた。2020.1-1-4
    金融商品取引業の登録を受けていないFPが、顧客と資産運用に関する投資顧問契約を締結したうえで、値上がりが期待できる株式の個別銘柄を推奨し、その購入を勧めた。2018.5-1-4
    金融商品取引業の登録を受けていないファイナンシャル・プランナーが、資産運用の相談に来た顧客に対し、有償の投資顧問契約を締結し、株式の個別銘柄を推奨した。2015.9-1-2
したがって不適切な記述は[4]です。