FP2級過去問題 2022年9月学科試験 問1

問1

ファイナンシャル・プランナー(以下「FP」という)の顧客に対する行為に関する次の記述のうち、関連法規に照らし、最も不適切なものはどれか。
  1. 社会保険労務士の登録を受けていないFPのAさんは、ライフプランの相談に来た顧客に対して、老齢基礎年金や老齢厚生年金の受給要件や請求方法の概要を有償で説明した。
  2. 弁護士の登録を受けていないFPのBさんは、資産管理の相談に来た顧客の求めに応じ、有償で、当該顧客を委任者とする任意後見契約の受任者となった。
  3. 金融商品取引業の登録を受けていないFPのCさんは、金融資産運用に関心のある不特定多数の者に対して、有価証券の価値の分析に基づき、インターネットを利用して個別・相対性の高い投資情報を有償で提供した。
  4. 生命保険募集人の登録を受けていないFPのDさんは、ライフプランの相談に来た顧客に対して、生命保険の一般的な商品性や活用方法を有償で説明した。

正解 3

問題難易度
肢16.9%
肢27.8%
肢383.0%
肢42.3%

解説

  1. 適切。社会保険労務士の独占業務は、労働社会保険諸法令に基づく「申請書類の作成、提出手続きの代行」「申告等の代理」「帳簿書類の作成」です。公的年金の受給見込み額を計算したり、年金制度を説明したりすることは独占業務ではないので、社会保険労務士でないファイナンシャル・プランナーでも有償で請け負うことができます。
    社会保険労務士の登録を受けていないFPのAさんは、顧客の求めに応じ、老齢基礎年金や老齢厚生年金の受給要件や請求方法を無償で説明した。2024.1-1-1
    社会保険労務士の登録を受けていないFPのDさんは、顧客の求めに応じ、老齢基礎年金や老齢厚生年金の受給要件や請求方法を無償で説明した。2022.1-1-4
    社会保険労務士の資格を有しないFPのBさんは、老齢基礎年金の受給要件や請求方法を顧客に説明した。2020.9-1-2
  2. 適切。任意後見の受任者(任意後見人)となるのに特別な資格は必要ありません。弁護士の登録を受けていないFPでも、有償・無償を問わず任意後見契約の受任者になることはできます。
    弁護士の登録を受けていないFPのBさんは、財産管理の相談に来た顧客の求めに応じ、有償で、当該顧客を委任者とする任意後見契約の受任者となった。2023.9-1-2
    弁護士の登録を受けていないFPのBさんは、顧客からの要請に応じ、当該顧客を委任者とする任意後見契約の受任者となった。2021.9-[1-2
    弁護士資格を有しないFPが、顧客からの要請に応じ、当該顧客を委任者とする任意後見契約の受任者となった。2018.5-1-2
  3. [不適切]。有価証券の価値等または金融商品の価値等について投資顧問契約(口頭や文書により助言することを約する有償の契約)を締結し、その契約に基づいて助言をする行為は、投資助言業に当たるので、金融商品取引業者としての登録を受ける必要があります。
    不特定多数の者を対象に投資情報等を提供する場合、新聞・雑誌・書籍などのように店頭に陳列され誰でもいつでも購入できる状態にあるものは投資助言業に該当しません。しかし、インターネット等の情報通信技術を利用することにより個別・相対性の高い投資情報等を提供する場合や、業者への直接の申込みや会員登録等を行わないと投資情報等を購入・利用できないような場合には、登録が必要となります。
    ※有価証券の価値等または金融商品の価値等の分析に基づく投資判断
  4. 適切。生命保険募集人の資格を持っていないFPは、保険の募集を行うことはできませんが、保障内容や保険の活用方法について一般的な説明をしたり、必要保障額の試算を行うことはできます。
    生命保険募集人の登録を受けていないFPのDさんは、顧客からライフプランの相談を受け、老後資金を準備するための生命保険の一般的な活用方法を説明した。2023.9-1-4
    生命保険募集人の登録を受けていないFPのBさんは、ライフプランの相談に来た顧客に対して、生命保険の一般的な商品内容や目的別の活用方法を有償で説明した。2022.5-1-2
    生命保険募集人の登録を受けていないFPのBさんは、顧客からライフプランの相談を受け、老後資金を準備するための生命保険の一般的な活用方法を無償で説明した。2022.1-1-2
    生命保険募集人の登録を受けていないFPのCさんは、ライフプランの相談に来た顧客に対して、生命保険の商品内容を説明した。2021.9-[1-3
    生命保険募集人の登録を受けていないFPのAさんは、ライフプランの相談に来た顧客に対して、生命保険商品の商品性を説明した。2019.5-1-1
したがって不適切な記述は[3]です。