FP2級過去問題 2025年1月学科試験 問21

問21

内閣府が公表する景気動向指数に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 景気動向指数は、景気の現状把握および将来予測に資するために作成された指標であり、コンポジット・インデックス(CI)を中心として公表される。
  2. 消費者物価指数は、全国の世帯が購入する家計に係る財およびサービスの価格等を総合した物価の変動を時系列的に測定した指標であり、そのうち生鮮食品を除く総合指数は、景気動向指数の遅行系列に採用されている。
  3. コンポジット・インデックス(CI)は、主として景気拡張の動きの各経済部門への波及度合いを測定することを目的としており、景気の拡張局面では50%を上回り、景気の後退局面では50%を下回る傾向がある。
  4. 景気転換点の判定には、一致指数を構成する個別指標ごとに統計的手法を用いて景気の山と谷を設定し、谷から山に向かう局面にある指標の割合を算出したヒストリカル・ディフュージョン・インデックス(ヒストリカルDI)が用いられている。

正解 3

問題難易度
肢112.9%
肢218.7%
肢349.8%
肢418.6%

解説

  1. 適切。景気動向指数は、生産や雇用に関する指標など、景気に敏感な指標を統合したもので、内閣府が毎月発表しています。景気動向指数には、コンポジット・インデックス(CI)とディフュージョン・インデックス(DI)があります。
    コンポジット・インデックス(CI)
    景気変動の大きさやテンポ(量感)を測定することを目的とする指数。一般的に、CI一致指数が上昇している時は景気の拡張局面、低下している時は後退局面となる
    ディフュージョン・インデックス(DI)
    景気の各経済部門への波及の度合い(波及度)を測定することを主な目的とする指数。景気拡張局面では50%を上回り、後退局面では下回る傾向がある
    従来、景気動向指数はDIを中心とした公表形態でしたが、近年、景気変動の大きさや量感を把握することがより重要になっていることから、 2008年4月分以降、CI中心とした公表形態に移行しています。
    景気動向指数は、生産、雇用などさまざまな経済活動での重要かつ景気に敏感に反応する指標の動きを統合することによって作成された指標であり、ディフュージョン・インデックス(DI)を中心として公表される。2023.9-21-1
    景気動向指数は、景気の現状把握および将来予測に資するために作成された指標であり、コンポジット・インデックス(CI)とディフュージョン・インデックス(DI)がある。2021.5-21-1
    景気動向指数は、生産、雇用などさまざまな経済活動での重要かつ景気に敏感に反応する指標の動きを統合することによって作成された指標であり、コンポジット・インデックス(CI)を中心として公表される。2020.1-21-1
    景気動向指数は、景気の現状把握および将来予測に資するために作成された指標であり、CI(コンポジット・インデックス)の一致指数が上昇しているときは、景気の後退局面と判断される。2015.10-21-3
    景気動向指数は、景気の現状把握および将来予測に資するために作成された指標であり、CI(コンポジット・インデックス)の一致指数が上昇しているときは、景気の後退局面と判断される。2013.9-21-3
  2. 適切。消費者物価指数は、一般消費者が購入している財・サービス価格の動向を表す指数で、総務省が毎月発表しています。一致指数より数カ月程度遅れて動く指数であることから、総合指数(生鮮食品を除く)が、景気動向指数の遅行系列と採用となっていて、景気の拡大・縮小といった事後検証に使用されます。
    消費者物価指数は、全国の世帯が購入する家計に係る財およびサービスの価格等を総合した物価の変動を時系列的に測定した指標であり、そのうち生鮮食品を除く総合指数は、景気動向指数の遅行系列に採用されている。2020.9-21-1
    消費者物価指数は、全国の世帯が購入する家計に係る財およびサービスの価格等を総合した物価の変動を時系列的に測定したものである。2018.1-21-3
    消費者物価指数は,全国の世帯が購入する家計に係る財およびサービスの価格等を総合した物価の変動を時系列的に測定する統計で,総務省が作成・公表している。2017.1-21-1
  3. [不適切]。本肢はDI一致指数の説明です。CIは前月と比べた変化量を表す指数であり、景気の変動の大きさやテンポを測ることができます。一般的に、CI一致指数が上昇している時は景気の拡張局面、低下している時は後退局面と判断されます。
  4. 適切。ヒストリカルDIは、一致指数を構成する個別指標ごとに統計的手法を用いて山と谷を設定し、谷から山に向かう期間をプラス、山から谷に向かう期間をマイナスとして算出したDIです。ヒストリカルDIが50%ラインを切るときが景気転換点で、下から上に切る時が景気の谷、上から下に切る時が景気の山に対応します。
    景気転換点の判定には、一致指数を構成する個別指標ごとに統計的手法を用いて山と谷を設定し、谷から山に向かう局面にある指標の割合を算出したヒストリカル・ディフュージョン・インデックス(DI)が用いられている。2021.5-21-4
したがって不適切な記述は[3]です。