FP2級 2026年5月学科試験 問29

問29

上場株式等の譲渡および配当等(一定の大口株主等が受けるものを除く)に係る所得に対する所得税の課税等に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、本問においては、特定口座のうち、源泉徴収がされない口座を簡易申告口座といい、源泉徴収がされる口座を源泉徴収選択口座という。
  1. 上場株式等に係る配当所得について、総合課税を選択して確定申告をした場合、上場株式等に係る譲渡損失の金額と損益通算することはできない。
  2. 上場株式等に係る配当所得等の金額と損益通算してもなお控除しきれない上場株式等に係る譲渡損失の金額は、確定申告をすることにより、翌年以後5年間にわたって繰り越すことができる。
  3. 源泉徴収選択口座内における上場株式等の譲渡益と、当該口座に受け入れた上場株式等の配当等に係る配当所得について、いずれかのみを申告することはできない。
  4. 簡易申告口座では、源泉徴収選択口座とは異なり、その年中における口座内の取引内容が記載された「特定口座年間取引報告書」が作成されないため、投資家自身でその年中の上場株式等に係る譲渡所得等の金額を計算する必要がある。

正解 1

解説

  1. [適切]。上場株式の配当所得から上場株式の譲渡損失を控除するためには、配当所得と譲渡損失のいずれについても、申告分離課税を選択して確定申告をする必要があります。配当所得を総合課税で申告した場合は、両者間の損益通算はできません。
    上場株式等に係る配当所得等について、総合課税を選択して確定申告をした場合、上場株式等に係る譲渡損失の金額と損益通算することができる。2025.1-29-1
    上場株式の配当に係る配当所得の金額について、総合課税を選択して所得税の確定申告をした場合、特定口座内で生じた上場株式等に係る譲渡損失の金額と損益通算することができる。2024.1-28-1
    上場株式等の配当等について、総合課税を選択して確定申告をした場合、上場株式等に係る譲渡損失の金額と損益通算することができる。2023.9-29-1
    上場株式の配当について、総合課税を選択して確定申告をした場合、上場株式の譲渡損失の金額と損益通算することができる。2023.1-28-1
    上場株式の配当について、申告分離課税を選択して確定申告をした場合、上場株式の譲渡損失の金額と損益通算することができる。2019.9-27-2
    上場株式等の配当所得(一定の大口株主等が受ける配当に係る所得を除く)について、総合課税を選択する場合、上場株式等の譲渡損失の金額と損益通算することができる。2019.1-29-2
  2. 不適切。5年間ではありません。上場株式等に係る配当所得等と損益通算してもなお控除しきれない上場株式の譲渡損失の金額は、確定申告をすることで、翌年以後3年間繰り越して、上場株式等の譲渡所得から控除することができます。
    上場株式等に係る配当所得等の金額と損益通算してもなお控除しきれない上場株式等に係る譲渡損失の金額は、確定申告をすることにより、翌年以後5年間にわたって繰り越すことができる。2025.1-29-2
    上場株式等に係る配当所得等の金額と損益通算してもなお控除しきれない上場株式の譲渡損失の金額は、確定申告をすることにより、翌年以後3年間にわたって繰り越すことができる。2024.9-28-4
    上場株式等に係る配当所得等の金額と損益通算してもなお控除しきれない上場株式等に係る譲渡損失の金額は、所得税の確定申告をすることにより、翌年以後3年間にわたって繰り越すことができる。2024.1-28-3
    上場株式等に係る配当所得等の金額と損益通算してもなお控除しきれない上場株式等に係る譲渡損失の金額は、確定申告をすることにより、翌年以後3年間にわたって繰り越すことができる。2023.9-29-2
    上場株式等に係る配当所得等の金額と損益通算してもなお控除しきれない上場株式の譲渡損失の金額は、確定申告をすることにより、翌年以後5年間にわたって繰り越すことができる。2023.1-28-2
    「成長投資枠」で保有する上場株式を売却することで生じた譲渡損失の金額のうち、損益通算してもなお控除しきれない金額は、確定申告を行うことにより、翌年以後3年間にわたって繰り越すことができる。2022.9-29-2
    損益通算してもなお控除しきれない上場株式の譲渡損失の金額は、確定申告をすることにより、翌年以後3年間にわたって繰り越すことができる。2019.9-27-3
    損益通算してもなお控除しきれない上場株式等の譲渡損失の金額は、確定申告をすることにより、翌年以後3年間にわたって繰り越すことができる。2019.1-29-4
  3. 不適切。源泉徴収選択口座(源泉徴収ありの特定口座)では、上場株式等の譲渡益と上場株式等の配当等に係る配当所得について、確定申告をするかどうかをそれぞれ選択できます。具体的には、①譲渡益のみを申告する、②配当所得のみ申告する、③両方申告する、④両方申告しない といった選択が可能です。
    【参考】例えば、別の口座で上場株式等の譲渡損失が生じており、その損失とこの口座の譲渡益を損益通算したいときに譲渡益だけを申告することや、配当控除を受けたいときに配当所得だけを申告することもできます。
  4. 不適切。特定口座を開設している場合、それが簡易申告口座・源泉徴収口座のどちらであっても、1年間の株式等の譲渡や配当について収入金額・費用・源泉徴収額・納付税額などをまとめた「特定口座年間取引報告書」が作成されます。この報告書は、翌年1月31日までに特定口座の名義人に交付されます。
    簡易申告口座でも「特定口座年間取引報告書」は交付されるため、報告書に記載された計算済みの損益や税額を利用して、比較的簡単に確定申告を行うことができます。自分で損益や税額を計算する必要があるのは、一般口座で取引している場合です。
    簡易申告口座では、源泉徴収選択口座と異なり、その年中における口座内の取引内容が記載された「特定口座年間取引報告書」が作成されないため、投資家自身でその年中の上場株式等に係る譲渡損益および配当等の金額を計算する必要がある。2023.9-29-3
したがって適切な記述は[1]です。