損害保険(全106問中21問目)

No.21

任意加入の自動車保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。
2022年5月試験 問16
  1. 対物賠償保険では、被保険自動車を運転中に、父の自宅の車庫に誤って衝突して車庫を損壊させた場合、補償の対象となる。
  2. 対人賠償保険では、被保険自動車を運転中に、対人事故を起こした被保険者が法律上の損害賠償責任を負った場合、自動車損害賠償責任保険等によって補償される部分を除いた額が補償の対象となる。
  3. 人身傷害保険では、被保険者が被保険自動車を運転中に起こした交通事故で死傷した場合、被保険者の過失割合にかかわらず、当該損害額が保険金額を限度として補償の対象となる。
  4. 一般条件の車両保険では、被保険自動車が洪水で水没した場合、補償の対象となる。

正解 1

問題難易度
肢177.1%
肢28.6%
肢35.8%
肢48.5%

解説

  1. [不適切]。対物賠償保険は、自動車事故により他人の物を壊した場合にその損害額を補てんします。対物賠償における「他人」とは、記名被保険者および運転者の父母・配偶者・子以外の人です。父は他人ではないので、父の自宅の車庫へ与えた損害は補償対象外です。
    被保険自動車を運転して父の家の車庫に入れるとき、誤って衝突して車庫を壊してしまった場合、その損害は対物賠償保険の補償の対象となる。2020.9-17-2
    対物賠償保険では、被保険者が自動車を運転中に、被保険者の自宅(持家)に誤って衝突して損害が生じた場合、保険金支払いの対象となる。2014.9-17-2
  2. 適切。対人賠償保険は、他人を死傷させ損害賠償責任を負った場合の補償で、自賠責保険から支払われるべき額を除いた額が保険金の支払い対象となります。
    記名被保険者が被保険自動車を運転中に対人事故を起こし、法律上の損害賠償責任を負担する場合、自動車損害賠償責任保険等により補償される部分を除いた額が、対人賠償保険の補償の対象となる。2024.1-16-4
    被保険者が被保険自動車を運転中に、対人事故を起こして法律上の損害賠償責任を負った場合、自動車損害賠償責任保険等によって補償される部分を除いた額が、対人賠償保険の補償の対象となる。2023.9-17-2
    被保険自動車を運転中に対人事故を起こした被保険者が法律上の損害賠償責任を負った場合、その損害のうち、自動車損害賠償責任保険等によって補償される部分を除いた損害が対人賠償保険の補償の対象となる。2022.1-16-1
    被保険自動車を運転しているときに事故を起こして他人にケガを負わせ、法律上の損害賠償責任を負った場合、被保険者が運転免許証の更新を失念していても対人賠償保険の補償の対象となる。2021.5-17-1
    対人賠償保険では、被保険自動車を運転中に対人事故を起こした被保険者が法律上の損害賠償責任を負った場合、自動車損害賠償責任保険等によって支払われる金額を除いた額が保険金の支払い対象となる。2020.9-17-1
    対人賠償保険では、被保険自動車を運転中に対人事故を起こした被保険者が法律上の損害賠償責任を負った場合、自動車損害賠償責任保険等の支払われるべき額を除いた額が保険金の支払い対象となる。2018.5-16-1
    対人賠償保険では、被保険者が自動車事故により他人を死傷させ法律上の損害賠償責任を負った場合、自動車損害賠償責任保険から支払われるべき部分を除いて保険金支払いの対象となる。2017.9-17-1
    対人賠償保険では、被保険者が自動車事故により他人を死傷させ法律上の損害賠償責任を負った場合、自動車損害賠償責任保険から支払われるべき金額を超える部分に対して保険金が支払われる。2014.9-17-1
  3. 適切。人身傷害保険は、被保険者に過失があっても、相手との示談を待たずに過失割合に関係なく、保険金額を限度として損害額の全額が補償の対象となります。
    普通傷害保険では、被保険者が自動車を運転中に他の自動車と衝突してケガをした場合、被保険者の過失割合にかかわらず補償の対象となる。2024.9-17-1
    被保険自動車を運転中に衝突事故を起こして被保険者がケガをした場合、被保険者の過失割合にかかわらず、人身傷害(補償)保険の補償の対象となる。2023.1-17-3
    普通傷害保険では、被保険者が就業中の事故によりケガをした場合、補償の対象となる。2022.9-18-2
    人身傷害補償保険では、被保険者が被保険自動車の運転中の事故により死傷した場合、被保険者の過失部分を除いた損害についてのみ、補償の対象となる。2019.9-15-2
  4. 適切。車両保険は、他車との衝突、火災・爆発・盗難・台風・竜巻・洪水・高潮等で車両が損害を被った場合に補償対象となります。車両保険には「一般条件」と「車対車+限定特約」の2種類の補償範囲がありますが「一般条件」の方が補償範囲は広く、単独事故やあて逃げも補償を受けることができます。洪水での車両損害はどちらの補償範囲でもカバーされます。
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    一般条件の車両保険では、駐車場で発生した火災により被保険自動車に損害を被った場合、その損害については補償の対象となる。2015.5-17-4
したがって不適切な記述は[1]です。