FP2級過去問題 2015年10月学科試験 問52

問52

贈与税の非課税財産に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 個人が法人からの贈与により取得した財産の価額は、その金額の多寡にかかわらず、贈与税の課税対象とならない。
  2. 扶養義務者からの贈与により取得した財産のうち、生活費または教育費として通常必要と認められるものは、贈与税の課税対象とならない。
  3. 離婚による財産分与として取得した財産の価額が、婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額等を考慮して社会通念上相当な範囲内である場合は、原則として、贈与税の課税対象とならない。
  4. 死因贈与により取得した財産は、受贈者がその相続において当該財産以外の財産を相続または遺贈により取得した場合に限り相続税の課税対象となり、贈与税の課税対象とならない。

正解 4

問題難易度
肢142.0%
肢26.6%
肢36.9%
肢444.5%

解説

  1. 適切。贈与税は個人間の贈与を対象としているため、法人から個人への贈与については課税対象外となります。個人が法人から贈与を受けた場合、雇用関係があれば給与所得として、雇用関係がなければ一時所得として所得税の課税対象となります。
    個人が法人からの贈与により取得した財産は、贈与税の課税対象とならない。2023.1-52-1
    死因贈与により取得した財産は、贈与税の課税対象とならない。2022.5-53-1
    個人が法人からの贈与により取得した金品は、業務に関して受けるものおよび継続的に受けるものを除き、贈与税の課税対象となる。2022.5-53-4
    死因贈与により取得した財産は、贈与税の課税対象となる。2020.1-58-3
    遺贈により取得した財産は、贈与税の課税対象となる。2020.1-58-4
    個人が法人からの贈与により取得した財産は、その個人の一時所得または給与所得として所得税の課税対象となり、贈与税の課税対象とはならない。2019.9-53-1
    死因贈与により取得した財産は、遺贈により取得した財産と同様に、贈与税の課税対象とならない。2019.5-52-4
    個人が法人からの贈与により取得した財産は、贈与税の課税対象とならない。2019.1-53-1
    個人が法人からの贈与により取得した財産は、贈与税の課税対象となる。2017.1-51-1
  2. 適切。扶養義務者から受け取る財産のうち、通常必要と認められる生活費・教育費は贈与税の課税対象にはなりません。ただし、生活費等という名目で受けたものであっても、有価証券や不動産購入に充てられた場合は課税対象となります。
    扶養義務者相互間において生活費または教育費に充てるためにした贈与により取得した財産のうち、通常必要と認められるものは、贈与税の課税対象とならない。2023.9-52-1
    扶養義務者相互間において生活費または教育費に充てるためにした贈与により取得した財産のうち、通常必要と認められるものは、贈与税の課税対象とならない。2023.1-52-3
    扶養義務者相互間において生活費または教育費に充てるためにした贈与により取得した財産のうち、通常必要と認められるものは、贈与税の課税対象とならない。2021.1-52-1
    扶養義務者から贈与により取得した財産のうち、生活費として通常必要と認められるものは、贈与税の課税対象とならない。2019.5-52-2
    扶養義務者から取得した財産のうち、生活費として通常必要と認められるものは、贈与税の課税対象とならない。2018.5-52-1
    扶養義務者から取得した財産のうち、生活費として通常必要と認められるものは、贈与税の課税対象とならない。2017.1-51-2
    扶養義務者から贈与を受けた財産のうち、生活費または教育費として通常必要と認められるものは、贈与税の課税対象とならない。2013.9-52-1
  3. 適切。離婚による財産分与で得た財産は、婚姻中の夫婦の協力によって得た財産が社会通念上相当な範囲内である場合、贈与税の課税対象とはなりません。
    離婚による財産分与により取得した財産は、その価額が婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額その他一切の事情を考慮して社会通念上相当な範囲内である場合、原則として、贈与税の課税対象とならない。2024.1-52-4
    離婚に伴う財産分与により取得した財産は、その価額が婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額等の事情を考慮して社会通念上相当な範囲内である場合、原則として、贈与税の課税対象とならない。2023.9-52-3
    離婚による財産分与により財産を取得した場合には、その価額が婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額等の事情を考慮して社会通念上相当な範囲内であったとしても、その取得した財産は、原則として贈与により取得したものとみなされ、贈与税の課税対象となる。2022.9-52-4
    離婚による財産分与として取得した財産は、その価額が婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額等を考慮して、社会通念上相当な範囲内である場合、原則として、贈与税の課税対象とならない。2022.5-53-2
    離婚による財産分与によって取得した財産については、その価額が婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額その他一切の事情を考慮しても過当でなく、贈与税や相続税のほ脱を図ったものでもない場合には、贈与税の課税対象とならない。2022.1-53-3
    離婚による財産分与によって取得した財産の額のうち、婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額等の事情を考慮しても、なお過大であると認められる部分は、贈与税の課税対象となる。2020.1-51-4
    離婚による財産分与として取得した財産は、その価額が婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額等を考慮して社会通念上相当な範囲内である場合、原則として、贈与税の課税対象とならない。2019.5-52-3
    離婚による財産分与として取得した財産は、その価額が婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額等を考慮して社会通念上相当な範囲内である場合、原則として、贈与税の課税対象とならない。2018.9-52-4
    離婚による財産分与として取得した財産は、その価額が婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額等を考慮して社会通念上相当な範囲内である場合、原則として、贈与税の課税対象とならない。2018.5-52-3
    離婚による財産分与として取得した財産は、その価額が婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額等を考慮して社会通念上相当な範囲内である場合、原則として、贈与税の課税対象とならない。2017.1-51-3
    離婚による財産分与により取得した財産の価額が、婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額等を考慮して社会通念上相当な範囲内である場合は、原則として、贈与税の課税対象とならない。2013.9-52-3
  4. [不適切]。死因贈与で取得した財産は、それ以外の財産を相続や遺贈で取得したかどうかに関係なく相続税の課税対象になります。
    死因贈与により取得した財産は、遺贈により取得した財産として相続税の課税対象となり、贈与税の課税対象とならない。2017.1-51-4
したがって不適切な記述は[4]です。