FP2級過去問題 2021年1月学科試験 問52

問52

贈与税の非課税財産等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 扶養義務者相互間において生活費または教育費に充てるためにした贈与により取得した財産のうち、通常必要と認められるものは、贈与税の課税対象とならない。
  2. 個人から受ける社交上必要と認められる香典や見舞金等の金品で、贈与者と受贈者との関係等に照らして社会通念上相当と認められるものは、贈与税の課税対象とならない。
  3. 父が所有する土地の名義を無償で子の名義に変更した場合、その土地は、原則として、贈与税の課税対象とならない。
  4. 相続または遺贈により財産を取得した者が、相続開始の年において被相続人から贈与により取得した財産は、原則として、相続税の課税価格に算入されるため、贈与税の課税対象とならない。

正解 3

問題難易度
肢15.9%
肢28.4%
肢375.0%
肢410.7%

解説

  1. 適切。扶養義務者から受け取る財産のうち、通常必要と認められる生活費・教育費は贈与税の課税対象にはなりません。ただし、生活費等という名目で受けたものであっても、有価証券や不動産購入に充てられた場合は課税対象となります。
    扶養義務者相互間において生活費または教育費に充てるためにした贈与により取得した財産のうち、通常必要と認められるものは、贈与税の課税対象とならない。2023.9-52-1
    扶養義務者相互間において生活費または教育費に充てるためにした贈与により取得した財産のうち、通常必要と認められるものは、贈与税の課税対象とならない。2023.1-52-3
    扶養義務者から贈与により取得した財産のうち、生活費として通常必要と認められるものは、贈与税の課税対象とならない。2019.5-52-2
    扶養義務者から取得した財産のうち、生活費として通常必要と認められるものは、贈与税の課税対象とならない。2018.5-52-1
    扶養義務者から取得した財産のうち、生活費として通常必要と認められるものは、贈与税の課税対象とならない。2017.1-51-2
    扶養義務者からの贈与により取得した財産のうち、生活費または教育費として通常必要と認められるものは、贈与税の課税対象とならない。2015.10-52-2
    扶養義務者から贈与を受けた財産のうち、生活費または教育費として通常必要と認められるものは、贈与税の課税対象とならない。2013.9-52-1
  2. 適切。個人から受ける香典、花輪代、年末年始の贈答、祝物または見舞い等のための金品は、社交上の必要性があり、かつ、社会通念上相当と認められるものであれば贈与税は課税されません。
    個人から受ける社交上必要と認められる香典や見舞金等の金品で、贈与者と受贈者との関係等に照らして社会通念上相当と認められるものは、贈与税の課税対象とならない。2023.9-52-2
    個人から受ける社交上必要と認められる香典・見舞金等の金品で、贈与者と受贈者との関係等に照らして社会通念上相当と認められるものは、贈与税の課税対象とならない。2023.1-52-2
    個人から受ける社交上必要と認められる香典・見舞金等の金品で、贈与者と受贈者との関係等に照らして社会通念上相当と認められるものは、贈与税の課税対象とならない。2019.1-53-2
    個人から受ける年末年始の贈答、祝物または見舞い等のための金品であって、社交上の必要によるもので贈与者と受贈者との関係等に照らして社会通念上相当と認められるものについては、贈与税は課されない。2017.9-52-4
  3. [不適切]。贈与税は個人間で贈与があった場合に課されます。これは他人同士に限らず親子間であっても同様なので、親の土地を子の名義に変更した場合、原則として、子が贈与により土地を時価で取得したものとして贈与税の課税対象となります。
    父が所有する土地の名義を無償で子の名義に変更した場合、その名義変更により取得した土地は、原則として、贈与税の課税対象とならない。2023.9-52-4
    父の名義である土地を対価の授受を行わずに子の名義に変更した場合、原則として、父から子へ土地の贈与があったものとして贈与税の課税対象となる。2021.3-52-4
    父が所有する土地の名義を無償で子の名義に変更した場合には、原則として、父から子に土地の贈与があったものとして贈与税の課税対象となる。2020.1-51-1
    父が、その所有する土地の名義を無償で子の名義に変更した場合には、その土地は、原則として、贈与税の課税対象とならない。2019.9-53-2
    父が、その所有する土地の名義を無償で子の名義に変更した場合には、原則として、子が父からその土地を贈与により取得したものとして、贈与税の課税対象となる。2018.9-52-3
    父の名義である土地を対価の授受を行わずに子の名義に変更した場合には、原則として、父から子へ土地の贈与があったものとして贈与税の課税対象となる。2016.5-52-3
    親が、その所有する土地の名義を無償で子の名義に変更した場合、原則として、子が親からその土地を贈与により取得したものとして、贈与税の課税対象となる。2015.1-53-3
  4. 適切。相続開始の年に被相続人から受けた贈与については相続税の課税価格に含めて計算します。よって、原則として贈与税の申告を行う必要はありません。
    相続により財産を取得した者が、その相続開始の年に被相続人から贈与により取得した財産は、原則として相続税の課税対象となり、贈与税の課税対象とならない。2019.1-53-4
    相続により財産を取得したものが、その相続開始の年に被相続人から贈与により取得した財産がある場合、その贈与財産は相続税の課税対象とはならず、贈与税の課税対象となる。2017.9-52-3
したがって不適切な記述は[3]です。