FP2級過去問題 2019年1月学科試験 問56

問56

遺産の分割に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 遺産の分割について、共同相続人の間で協議が調わない場合には、各共同相続人は家庭裁判所に遺産分割の調停または審判を申し立てることができる。
  2. 協議分割においては、共同相続人全員が合意すれば、必ずしも法定相続分に従って遺産を分割する必要はない。
  3. 換価分割は、共同相続人が相続によって取得した不動産の全部または一部を金銭に換価し、その換価代金を共同相続人の間で分割する方法である。
  4. 代償分割は、現物分割を困難とする事由がある場合に、共同相続人が家庭裁判所に申し立て、その審判を受けることにより認められる分割方法である。

正解 4

問題難易度
肢16.6%
肢27.0%
肢313.3%
肢473.1%

解説

  1. 適切。遺産分割で相続人間の協議が調わない場合には、共同相続人の申立てに基づき家庭裁判所の調停により分割する方法や、家庭裁判所の審判により分割する方法があります。
    遺産の分割について、共同相続人間で協議が調わないとき、または協議をすることができないときは、原則として、各共同相続人はその分割を家庭裁判所に請求することができる。2024.9-55-3
    遺産の分割について、共同相続人間で協議が調わないとき、または協議をすることができないときは、各共同相続人はその分割を公証人に請求することができる。2022.9-53-2
    遺産の分割について、共同相続人間で協議が調わないとき、または協議をすることができないときは、原則として、各共同相続人はその分割を家庭裁判所に請求することができる。2021.1-54-3
    遺産の分割について、共同相続人間で協議が調わないとき、または協議をすることができないときは、各共同相続人は、その分割を家庭裁判所に請求することができる。2019.5-54-3
    遺産の分割について、共同相続人間で協議が調わないとき、または協議をすることができないときは、各共同相続人は、その分割を家庭裁判所に請求することができる。2017.9-54-3
    遺産の分割について、共同相続人の間で協議が調わない場合、各共同相続人は家庭裁判所に遺産分割の調停を申し立てることができる。2015.5-55-4
    遺産の分割について、共同相続人の間で協議が調わない場合、各共同相続人は家庭裁判所に遺産分割の調停を申し立てることができる。2014.5-54-2
  2. 適切。法定相続分は民法上の相続割合であり、現実の分割に対して強制力はありません。遺産分割において相続人の全員が合意すれば、法定相続分によらない分割方法を選択することもできます。
    協議分割においては、共同相続人全員が合意すれば、必ずしも法定相続分に従って遺産を分割する必要ない。2017.9-54-4
    被相続人の遺言がない場合、共同相続人全員による遺産分割協議により分割することになるが、共同相続人全員が合意すれば、法定相続分どおりに分割する必要はない。2017.5-55-3
    協議分割は、共同相続人全員の協議により分割する方法であり、その分割割合については、必ずしも法定相続分に従う必要はない。2015.5-55-1
  3. 適切。換価分割は、相続財産の全部または一部を現金化して、その代金を共同相続人間で分けることで遺産分割をする方法です。
    換価分割は、共同相続人が相続により取得した財産の全部または一部を金銭に換価し、その換価代金を共同相続人の間で分割する方法である。2023.5-53-2
    換価分割において、共同相続人が相続によって取得した財産の全部または一部を換価し、その換価代金を分割した場合、各相続人が取得した換価代金は、所得税において非課税所得とされている。2016.9-59-4
    換価分割は、共同相続人が相続によって取得した財産の全部または一部を金銭に換価し、その換価代金を共同相続人間で分割する方法である。2015.5-55-2
  4. [不適切]。代償分割は、共同相続人のうち特定の者に相続財産の現物を取得させ、その取得した相続人が、他の相続人に対して代わりとなる自己の財産(代償財産)を交付する方法です。家庭裁判所の審判を受ける必要はなく、遺産分割協議においても選択することができます。家庭裁判所の審判を受けて分割する方法は「審判分割」と呼ばれます。
    代償分割は、現物分割を困難とする事由がある場合に、共同相続人の全員が家庭裁判所に申し立て、その審判を受けることにより認められる遺産分割の方法である。2024.5-54-1
    代償分割は、現物分割を困難とする事由がある場合に、共同相続人が家庭裁判所に申し立て、その審判を受けることにより認められる分割方法である。2023.5-53-3
    代償分割は、現物分割を困難とする事由がある場合に、共同相続人が家庭裁判所に申し立て、その審判を受けることにより認められる。2023.1-55-2
    代償分割は、現物分割を困難とする事由がある場合に、共同相続人が家庭裁判所に申し立て、その審判を受けることにより認められる分割方法である。2020.1-56-2
    代償分割は、現物分割を困難とする事由がある場合に、相続人全員が共同して家庭裁判所に申述することにより認められる分割方法である。2015.5-55-3
したがって不適切な記述は[4]です。