FP2級過去問題 2014年5月学科試験 問54

問54

遺産分割に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. 相続人は、相続の開始があったことを知った日の翌日から4ヵ月以内に遺産分割を行わなければならない。
  2. 遺産の分割について、共同相続人の間で協議が調わない場合、各共同相続人は家庭裁判所に遺産分割の調停を申し立てることができる。
  3. 遺産分割協議書は、民法で定められた形式に従って作成し、かつ、共同相続人全員が署名・捺印していなければ、無効となる。
  4. 適法に成立した遺産分割協議については、共同相続人全員の合意があったとしても、当該協議の解除や再分割協議をすることは認められない。

正解 2

問題難易度
肢15.7%
肢268.8%
肢319.0%
肢46.5%

解説

  1. 不適切。遺産分割に期限はありません。遺産分割が決まらずに相続税の申告期限(相続開始後10カ月)が到来した場合には、一旦、法定相続分で相続したとして相続税を計算し、納税します。その後、3年以内に遺産分割が終われば税務署に修正申告または更正の請求をして、過不足分の相続税の納付または還付となります。
    共同相続人は、遺言により遺産の分割を禁じられている場合を除き、相続の開始があったことを知った日の翌日から6ヵ月以内に遺産分割を行わなければならない。2016.1-55-2
  2. [適切]。遺産の分割について、共同相続人の間で協議が調わない場合には、家庭裁判所の調停※1(または審判※2)により分割する方法があります。
    ※1客観的な立場の調停委員に間に入ってもらい、当事者である相続人同士が、裁判所で話し合う手続きのこと
    ※2裁判官が諸般の事情を考慮して、遺産分割の方法を決定する手続きのこと
    遺産の分割について、共同相続人間で協議が調わないとき、または協議をすることができないときは、原則として、各共同相続人はその分割を家庭裁判所に請求することができる。2024.9-55-3
    遺産の分割について、共同相続人間で協議が調わないとき、または協議をすることができないときは、各共同相続人はその分割を公証人に請求することができる。2022.9-53-2
    遺産の分割について、共同相続人間で協議が調わないとき、または協議をすることができないときは、原則として、各共同相続人はその分割を家庭裁判所に請求することができる。2021.1-54-3
    遺産の分割について、共同相続人間で協議が調わないとき、または協議をすることができないときは、各共同相続人は、その分割を家庭裁判所に請求することができる。2019.5-54-3
    遺産の分割について、共同相続人の間で協議が調わない場合には、各共同相続人は家庭裁判所に遺産分割の調停または審判を申し立てることができる。2019.1-56-1
    遺産の分割について、共同相続人間で協議が調わないとき、または協議をすることができないときは、各共同相続人は、その分割を家庭裁判所に請求することができる。2017.9-54-3
    遺産の分割について、共同相続人の間で協議が調わない場合、各共同相続人は家庭裁判所に遺産分割の調停を申し立てることができる。2015.5-55-4
  3. 不適切。遺産分割協議書は、法律で明確に定められた形式がありません。詐欺や強迫による取消し、相続人の一部欠如や錯誤による無効はあり得ますが、書類の形式だけで無効とされることはありません。
    遺産分割協議書は、民法で定められた形式に従って作成し、かつ、共同相続人全員が署名・捺印していなければ無効となる。2022.5-55-1
  4. 不適切。遺産分割協議が適法に成立した場合でも、相続人全員の合意があれば、協議の解除や再分割協議をすることが認められています。
    適法に成立した遺産分割協議については、共同相続人全員の合意があったとしても、解除することは認められない。2023.1-55-1
    適法に成立した遺産分割協議については、共同相続人全員の合意があったとしても、当該協議を解除し、再度、遺産分割協議を行うことはできない。2022.5-55-4
    適法に成立した遺産分割協議については、共同相続人全員の合意があったとしても、当該協議の解除は認められない。2019.5-54-4
    すでに成立している遺産分割協議においては、共同相続人全員の合意があったとしても、当該遺産分割協議の全部または一部を解除することはできない。2016.5-54-4
したがって適切な記述は[2]です。