FP2級過去問題 2020年9月学科試験 問30

問30

金融商品の取引に係る各種法令に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、本問においては、「金融サービスの提供に関する法律」を金融サービス提供法といい、「犯罪による収益の移転防止に関する法律」を犯罪収益移転防止法という。
  1. 金融商品取引法では、金融商品取引業者等が金融商品取引業の内容について広告を行う場合、金融商品市場における相場変動を直接の原因として損失が生ずることとなるおそれがある場合に表示すべき所定の事項の文字または数字については、その他の事項の文字または数字のうち最も大きなものと著しく異ならない大きさで表示するものとされている。
  2. 金融商品の販売において、金融サービス提供法と消費者契約法の両方の規定を適用することができる場合は、金融サービス提供法が優先して適用される。
  3. 消費者契約法では、事業者の不適切な行為によって、消費者が誤認や困惑をし、それによって消費者契約の申込みまたはその承諾の意思表示をした場合、消費者はこれを取り消すことができるとされている。
  4. 犯罪収益移転防止法では、銀行、信用金庫、保険会社などの特定事業者が顧客等との間で特定取引を行うに際して、顧客等の本人特定事項などを確認する義務を課している。

正解 2

問題難易度
肢19.2%
肢282.4%
肢34.2%
肢44.2%

解説

  1. 適切。金融商品取引業者等が、その行う金融商品取引業の内容について広告等をするとき、金利、通貨の価格、金融商品市場における相場その他の指標に係る変動を直接の原因として損失が生ずることとなるおそれがある旨およびその理由の表示は、それ以外の事項で使われている文字サイズのうち最も大きいものと同程度の大きさで表示しなければなりません。
    簡単に言うと、広告において相場変動による損失リスクを伝える表示を著しく小さいフォントで表示してはいけないというルールです。
  2. [不適切]。金融商品の取引において、金融サービス提供法と消費者契約法の両方の規定に抵触する場合、消費者保護の目的により両方の法律が併せて適用されます
  3. 適切。消費者契約法では、事業者の不適切な行為によって消費者が誤認または困惑した中で契約を締結したときは、消費者は申込み・承諾の意思表示を取り消すことができると規定しています。
  4. 適切。犯罪収益移転防止法では、特定事業者が顧客との間で預貯金口座の開設や大口現金取引などの特定取引を行う際には、本人特定事項、取引を行う目的、職業の確認が義務付けられています。また代理人を利用して取引する場合、本人と代理人双方の確認が必要となります。
したがって不適切な記述は[2]です。