FP2級過去問題 2022年5月学科試験 問34

問34

所得税における医療費控除に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、「特定一般用医薬品等購入費を支払った場合の医療費控除の特例」は考慮しないものとする。
  1. 納税者が自己と生計を一にする配偶者のために支払った医療費の金額は、当該納税者の医療費控除の対象となる。
  2. 医師等による診療等を受けるために電車、バス等の公共交通機関を利用した場合に支払った通院費で通常必要なものは、医療費控除の対象となる。
  3. 医療費の補填として受け取った保険金は、その補填の対象となった医療費の金額を限度として、支払った医療費の金額から差し引かれる。
  4. 納税者が自己の風邪の治療のために支払った医薬品の購入費の金額は、医師の処方がない場合、医療費控除の対象とはならない。

正解 4

問題難易度
肢13.5%
肢29.4%
肢312.5%
肢474.6%

解説

  1. 適切。医療費控除では、納税者本人のみならず、生計を一にする配偶者その他の親族のために支払った医療費も、その納税者の医療費控除の対象となります。
    居住者が自己と生計を一にする配偶者に係る医療費を支払った場合、その医療費の金額は、その居住者の医療費控除の対象となる。2017.5-34-4
    納税者が自己と生計を一にする配偶者の治療のために支払った医療費の金額は、当該納税者の医療費控除の対象となる。2015.9-34-1
    納税者が生計を一にする配偶者に係る医療費を支払った場合、その支払った金額は、納税者の医療費控除の対象とならない。2014.5-34-1
  2. 適切。医師の診療を受けるための通院費については、公共交通機関を使った通常必要とされるもののみ医療費控除の対象となります。このため自家用車で通院した場合のガソリン代や駐車場代は医療費控除の対象外です。
    医師等による診療等を受けるために電車、バス等の公共交通機関を利用した場合に支払った通院費で通常必要なものは、医療費控除の対象になる。2018.9-34-2
    診療を受けるために電車等の公共交通機関を利用した際に支払った通院費で通常必要なものは、医療費控除の対象となる。2016.5-34-2
  3. 適切。医療費の補てんとして受け取った保険金は、その補てんの対象となった医療費の金額を限度として、支払った医療費の金額から差し引かれます。
    例えば、ある病気等で支払った医療費よりも、受け取った保険金が多かった(受け取った保険金>医療費)場合には、その差額は別の病気等で支払った医療費からは差し引きません。
    医療費の補てんとして受け取った保険金は、その補てんの対象となった医療費の金額を限度として、支払った医療費の金額から差し引かれる。2017.5-34-3
  4. [不適切]。風邪薬などのように、病気の治療または療養に必要な医薬品の購入費は、医師の処方がなくても医療費控除の対象になります。ただし、ビタミン剤等の病気の予防または健康増進のためのものは対象外です。
    風邪の治療のための医薬品の購入費は、医師の処方がない場合においても、医療費控除の対象となる。2019.5-34-3
    風邪の治療のための一般的な医薬品の購入費は、医師の処方がなくても、医療費控除の対象となる。2016.5-34-3
したがって不適切な記述は[4]です。