社会保険(全70問中25問目)

No.25

雇用保険に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
2021年5月試験 問5
  1. 雇用保険の適用事業所に雇用される者のうち、1週間の所定労働時間が20時間以上であり、かつ、同一の事業主の適用事業に継続して31日以上雇用されることが見込まれる者は、原則として被保険者となる。
  2. 雇用保険の一般被保険者が失業した場合、基本手当を受給するためには、原則として、離職の日以前2年間に被保険者期間が通算して12ヵ月以上あること等の要件を満たす必要がある。
  3. 育児休業給付金の額は、育児休業期間中に事業主から賃金が支払われなかった場合、1支給単位期間について、休業開始時賃金日額に支給日数を乗じた額の100分の40に相当する額となる。
  4. 雇用保険に係る保険料のうち、失業等給付および育児休業給付に係る保険料は、事業主と労働者が折半して負担する。

正解 3

問題難易度
肢15.5%
肢25.6%
肢359.7%
肢429.2%

解説

  1. 適切。①1週間の所定労働時間が20時間以上であり、②適用事業所に継続して31日以上雇用されることが見込まれる者は、原則として雇用保険の被保険者となります。この条件に合致すれば、正社員・パートタイマー・アルバイトなどの雇用形態にかかわらず雇用保険の加入手続が必要になります。
    "原則として"となっているのは、上記の条件を満たしていても昼間学生、季節的に雇用される者、船員などが適用除外となるからです。
    適用事業所に雇用される労働者のうち、1週間の所定労働時間が20時間以上であり、かつ、継続して31日以上の雇用見込みがある者は、原則として被保険者となる。2019.1-4-1
  2. 適切。雇用保険の基本手当は、原則として、離職の日以前2年間に雇用保険の被保険者期間が通算12カ月以上ある人に対して支給されます。解雇や倒産等で離職した特定理由離職者は、離職の日以前1年間に被保険者期間が通算6カ月以上あることが要件です。
    一般被保険者が失業した場合、基本手当の支給を受けるためには、原則として、離職の日以前2年間に被保険者期間が通算して12ヵ月以上あること等の要件を満たす必要がある。2024.5-4-4
    雇用保険の一般被保険者が失業した場合、基本手当を受給するためには、原則として、離職の日以前2年間に被保険者期間が通算して12ヵ月以上あること等の要件を満たす必要がある。2023.9-4-1
    雇用保険の高年齢被保険者が失業した場合、高年齢求職者給付金を受給するためには、原則として、離職の日以前1年間に被保険者期間が通算して6ヵ月以上あること等の要件を満たす必要がある。2023.9-4-4
    雇用保険の一般被保険者が失業した場合、基本手当の支給を受けるためには、原則として、離職の日以前2年間に被保険者期間が通算して12ヵ月以上あること等の要件を満たす必要がある。2021.9-4-2
    雇用保険の一般被保険者が失業した場合、基本手当を受給するためには、原則として、離職の日以前2年間に被保険者期間が通算して12ヵ月以上あること等の要件を満たす必要がある。2020.9-3-4
    基本手当は、原則として、離職の日以前2年間に雇用保険の一般被保険者であった期間が通算して6ヵ月以上あるときに受給することができる。2019.9-3-1
    基本手当を受給するためには、原則として、離職の日以前2年間に雇用保険の一般被保険者であった期間が通算して12ヵ月以上あること等の要件を満たす必要がある。2019.1-4-2
    基本手当は、原則として、離職の日以前2年間に雇用保険の一般被保険者であった期間が通算して3ヵ月以上あれば受給できる。2018.1-5-1
    基本手当を受給するためには、原則として、離職の日以前2年間に雇用保険の一般被保険者であった期間が通算して12ヵ月以上なければならない。2015.5-4-1
  3. [不適切]。休業中に賃金が支払われていない場合の育児休業給付金の額は、育児休業開始から180日目までは「休業開始時賃金日額×支給日数×67%」、それ以降は「休業開始時賃金日額×支給日数×50%」となります(1カ月分=30日)。
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    育児休業給付金の額は、育児休業期間中に事業主から賃金が支払われなかった場合、育児休業開始日から通算して休業日数が180日に達する日を超えた日以降については、休業開始時賃金日額に支給日数を乗じた額の100分の50に相当する額となる。2024.9-5-1
    育児休業給付金の支給額は、1支給単位期間について、休業開始日から休業日数が通算して300日に達するまでの間は、原則として、休業開始時賃金日額に支給日数を乗じて得た額の67%相当額である。2022.9-3-2
    育児休業給付金の支給額は、賃金が支払われなかった場合、育児休業給付金の支給に係る休業日数が通算して181日目以降については、1支給単位期間当たり、「休業開始時賃金日額×支給日数×67%」相当額である。2021.9-4-3
  4. 適切。雇用保険の保険料は、労働者に対する給付である失業給付と育児休業給付に係る部分は労使折半で負担し、事業主に対する給付である二事業に係る部分については事業主のみが負担する構造となっています。
    二事業とは、雇用安定事業と能力開発事業をいい、失業の予防、雇用状態の是正、雇用機会の増大等の目的のために、事業主に対し必要な助成と援助を行う事業です。新型コロナでニュースを賑わせた雇用調整助成金はこの二事業からの給付です。
    雇用保険に係る保険料のうち、失業等給付および育児休業給付に係る保険料は、事業主と労働者が折半して負担する。2024.5-4-1
    雇用保険の保険料のうち、失業等給付・育児休業給付の保険料は、事業主と労働者で折半して負担するのに対し、雇用保険二事業の保険料は、事業主が全額を負担する。2022.5-4-1
したがって不適切な記述は[3]です。