公的年金(全89問中56問目)

No.56

老齢基礎年金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
2016年9月試験 問5
  1. 保険料納付済期間、保険料免除期間および合算対象期間を合算した期間が10年以上ある場合は、老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていることとされる。
  2. 国民年金の学生納付特例期間は、その期間に係る保険料の追納がない場合、老齢基礎年金の受給資格期間には算入されるが、老齢基礎年金の年金額には反映されない。
  3. 2009年3月以前の国民年金の保険料全額免除期間は、その期間に係る保険料の追納がない場合、その2分の1に相当する月数が老齢基礎年金の年金額に反映される。
  4. 65歳到達時に老齢基礎年金の受給権を有する者が、70歳到達時に老齢基礎年金の繰下げ支給の申出をした場合、年金額の増額率は42%である。

正解 3

問題難易度
肢18.7%
肢26.7%
肢376.1%
肢48.5%

解説

  1. 適切。老齢基礎年金を受け取るためには、受給資格期間(保険料納付済期間+保険料免除期間+合算対象期間)が原則として10年以上あることが必要です。
    10年以上となったのは2017年(平成29年)8月以降です。それ以前は25年以上でした。
    国民年金の保険料納付済期間、保険料免除期間および合算対象期間を合算した期間が10年である老齢基礎年金の受給権者が死亡した場合、その受給権者の所定の遺族に遺族基礎年金が支給される。2018.5-6-2
    保険料納付済期間、保険料免除期間および合算対象期間を合算した期間が10年以上ある場合は、老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていることとされる。2016.5-6-1
  2. 適切。学生納付特例期間は、老齢基礎年金の受給資格期間には算入されますが、老齢基礎年金の年金額には反映されません。
    学生納付特例の承認を受けた期間は、その期間に係る国民年金保険料の追納がない場合であっても、老齢基礎年金の受給資格期間に算入される。2024.5-6-1
    学生納付特例期間は、その期間に係る保険料の追納がない場合、老齢基礎年金の受給資格期間に算入されない。2023.5-5-1
    生活保護法による生活扶助を受けることによる保険料免除期間は、その期間に係る保険料の追納がない場合、老齢基礎年金の受給資格期間には算入されるが、老齢基礎年金の年金額には反映されない。2023.5-5-2
    国民年金の学生納付特例期間は、その期間に係る保険料の追納がない場合、老齢基礎年金の受給資格期間には算入されるが、老齢基礎年金の年金額には反映されない。2015.9-6-2
  3. [不適切]。2009年(平成21年)3月以前の国民年金の保険料全額免除期間は、追納がない場合その3分の1に相当する月数が老齢基礎年金の年金額に反映されます。2分の1が年金額に反映されるのは、2009年(平成21年)4月分以降の保険料全額免除期間です。
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    2009年3月以前の国民年金の保険料全額免除期間は、その期間に係る保険料の追納がない場合、その2分の1に相当する月数が老齢基礎年金の年金額に反映される。2015.9-6-1
  4. 適切。繰下げ支給の増額率は「繰下げ月数×0.7%」の式で計算します。70歳からの繰下げ支給だと5年(=60月)繰り下げたことになるので、増額率は「60月×0.7%=42%」です。
    65歳到達時に老齢基礎年金の受給権を有する者が、70歳到達時に老齢基礎年金の繰下げ支給の申出をした場合、老齢基礎年金の増額率は30%となる。2021.3-6-3
    65歳到達時に老齢基礎年金の受給資格期間を満たしている者が、68歳到達日に老齢基礎年金の繰下げ支給の申出をした場合の老齢基礎年金の増額率は、18.0%となる。2017.5-5-1
    65歳到達時に老齢基礎年金の受給権を有する者が、70歳到達時に老齢基礎年金の繰下げ支給の申出をした場合、年金の増額率は42%である。2016.5-6-2
    65歳到達時に老齢基礎年金の受給権を有する者が、老齢基礎年金の繰下げ支給の申出をする場合、その申出は66歳到達日以降に行うことができる。2015.10-5-1
    65歳到達時に老齢基礎年金の受給資格期間を満たしている者が、68歳到達日に老齢基礎年金の繰下げ支給の申出をした場合の年金額の増額率は、18.0%である。2015.9-6-3
    65歳到達時に老齢基礎年金の受給権を有する者が、老齢基礎年金の繰下げ支給の申出をする場合、その申出は66歳到達日以降に行うことができる。2013.5-5-3
したがって不適切な記述は[3]です。