関連法規(全24問中7問目)

No.7

金融サービスの提供に関する法律(以下「金融サービス提供法」という)、消費者契約法および金融商品取引法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
2021年1月試験 問29
  1. 金融サービス提供法では、金融商品販売業者等は重要事項の説明義務違反によって生じた顧客の損害を賠償する責任を負うとされ、当該顧客は説明義務違反を立証すれば、その説明義務違反と損害発生との因果関係を立証する必要がない。
  2. 金融サービス提供法が規定する金融商品の販売において、金融サービス提供法と消費者契約法の両方の規定を適用することができる場合は、消費者契約法が優先して適用される。
  3. 消費者契約法では、事業者の一定の行為により、消費者が誤認または困惑した場合、消費者は、消費者契約の申込みまたは承諾の意思表示を取り消すことができるとされている。
  4. 金融商品取引法では、有価証券のデリバティブ取引のほか、通貨・金利スワップ取引も適用の対象とされている。

正解 2

問題難易度
肢121.9%
肢262.5%
肢36.0%
肢49.6%

解説

  1. 適切。金融サービス提供法では、金融商品販売業者等に対して、重要事項の説明と断定的な判断の提供等の禁止を義務付けています。これらの義務に違反し、それによって顧客に損害が生じた場合、金融商品販売業者等は顧客の損害を賠償しなければなりません。損害額は元本欠損額と推定されるので、顧客側は事業者の義務違反だけを立証すれば足ります。
    金融サービス提供法では、金融商品販売業者等が顧客への重要事項の説明義務に違反した場合の損害賠償責任については、当該顧客に対して無過失責任を負うこととされている。2020.1-30-1
    金融サービス提供法では、金融商品販売業者が顧客への重要事項の説明義務に違反した場合の損害賠償責任については、原則として、当該顧客に対して無過失責任を負うこととされている。2018.1-30-4
  2. [不適切]。金融商品の取引において、金融サービス提供法と消費者契約法の両方の規定に抵触する場合、消費者保護の目的により両方の法律が併せて適用されます。消費者契約法では契約の取消しを、金融サービス提供法では損害賠償請求ができます。
    金融サービス提供法が規定する金融商品の販売において、金融サービス提供法と消費者契約法の両方の規定を適用することができる場合は、金融サービス提供法が優先して適用される。2021.5-29-4
    金融商品の販売において、金融サービス提供法と消費者契約法の両方の規定を適用することができる場合は、金融サービス提供法が優先して適用される。2020.9-30-2
    金融サービス提供法が規定する金融商品の販売において、金融サービス提供法と消費者契約法の両方の規定を適用することができる場合は、金融サービス提供法が優先して適用される。2019.9-29-2
    金融商品の販売等において、金融サービス提供法と消費者契約法の両方の規定に抵触する場合には、金融サービス提供法の規定が常に優先して適用される。2015.9-30-3
  3. 適切。事業者の一定の不適切な行為により自由な意思決定が妨げられ、消費者が誤認または困惑をして契約を締結した場合、消費者契約法により、その契約を取り消すことができます。
    消費者契約法において、消費者が事業者の一定の行為により誤認または困惑し、それによって消費者契約の申込みまたは承諾の意思表示をしたときは、消費者はこれを取り消すことができるとされている。2024.5-30-1
    消費者契約法において、消費者が事業者の一定の行為により誤認または困惑し、それによって消費者契約の申込みまたは承諾の意思表示をしたときは、消費者はこれを取り消すことができるとされている。2023.5-30-4
    消費者契約法では、事業者の不適切な行為によって、消費者が誤認や困惑をし、それによって消費者契約の申込みまたはその承諾の意思表示をした場合、消費者は、当該契約によって生じた損害について賠償を請求することができるとされている。2023.1-30-3
    消費者契約法では、事業者の不適切な行為によって、消費者が誤認や困惑をし、それによって消費者契約の申込みまたはその承諾の意思表示をした場合、消費者はこれを取り消すことができるとされている。2020.9-30-3
    消費者契約法では、事業者の一定の行為により消費者が誤認または困惑した場合、消費者は、消費者契約の申込みまたは承諾の意思表示を取り消すことができるとされている。2020.1-30-3
    消費者契約法では、事業者の一定の行為により、消費者が誤認・困惑した場合について、消費者契約の申込み・承諾の意思表示を取り消すことができるとされている。2019.1-30-3
    消費者契約法では、事業者の一定の行為により、消費者が誤認・困惑した場合について、消費者契約の申込み・承諾の意思表示を取り消すことができるとされている。2015.9-30-2
    消費者契約法において、事業者の一定の行為により消費者が誤認または困惑し、それによって消費者が契約の申込みまたは承諾の意思表示をしたときは、消費者はこれを取り消すことができるとしている。2013.1-30-3
  4. 適切。金融商品取引法の規制対象は、株式や債券、通貨の交換レート、金利、商品などの値に応じてその値が決まるデリバティブ(金融派生商品)などの投資性のある金融商品です。有価証券関連のデリバティブ取引だけでなく、FXや通貨・金利スワップ取引も規制対象になります。
    金融商品取引法では、有価証券デリバティブ取引のほかに、通貨・金利スワップ取引も規制の対象とされている。2018.5-30-1
    金融商品取引法では、有価証券デリバティブ取引のほかに、通貨・金利スワップ取引も規制の対象とされている。2018.1-30-1
    金融商品取引法では、有価証券デリバティブ取引のほかに、通貨・金利スワップ取引も規制の対象とされている。2017.1-30-1
したがって不適切な記述は[2]です。