不動産の取引(全95問中51問目)

No.51

借地借家法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、本問においては、同法における定期建物賃貸借契約を定期借家契約といい、それ以外の建物賃貸借契約を普通借家契約という。
2018年1月試験 問45
  1. 普通借家契約では、賃貸人および賃借人の合意により存続期間を6ヵ月と定めた場合であっても、その存続する期間は1年とみなされる。
  2. 定期借家契約では、賃貸借期間が1年以上の場合、賃貸人は、原則として、期間満了の1年前から6ヵ月前までの間に賃借人に対して契約が終了する旨の通知をしなければ、その終了を賃借人に対抗することができない。
  3. 定期借家契約では、賃借人に造作買取請求権を放棄させる旨の特約は有効となる。
  4. 定期借家契約では、床面積が200㎡未満である居住用建物の賃借人が、転勤によりその建物を自己の生活の本拠として使用することが困難となった場合、賃借人は、当該契約の解約の申入れをすることができる。

正解 1

問題難易度
肢168.7%
肢212.4%
肢38.1%
肢410.8%

解説

  1. [不適切]。普通借家契約の存続期間は、1年以上(上限なし)です。1年未満の存続期間の定めは無効となり、期間の定めがない契約とみなされます。よって、存続期間6か月の場合、期間の定めがないものとされます。
    定期借家契約は、契約当事者間の合意があっても、存続期間を3ヵ月未満とすることはできない。2023.9-45-4
    定期借家契約は、契約当事者の合意があっても、存続期間を6ヵ月未満とすることはできない。2021.1-44-3
    定期借家契約は、契約当事者の合意があっても、存続期間を6ヵ月未満とすることはできない。2020.9-45-1
    定期借家契約は、契約当事者の合意があっても、存続期間を6ヵ月未満とすることはできない。2018.9-44-4
    普通借家契約において、賃貸人および賃借人の合意により存続期間を6ヵ月と定めた場合であっても、その存続する期間は1年とみなされる。2017.5-45-1
  2. 適切。定期借家契約の期間が1年以上の場合、賃貸人は、期間満了の1年前から6ヵ月前までの間に、賃借人に対して契約が終了する旨の通知をしなければ、期間満了による賃貸借の終了を賃借人に対抗できません。なお、1年未満の契約の場合、通知の必要はなく期間満了をもって当然に終了となります。
    定期借家契約では、賃貸借期間が1年以上の場合、賃貸人は、原則として、期間満了の1年前から6ヵ月前までの間に賃借人に対して期間満了により契約が終了する旨の通知をしなければ、その終了を賃借人に対抗することができない。2019.9-45-4
    賃貸借期間が1年以上の定期借家契約の場合、賃貸人は、原則として、期間満了の1年前から6ヵ月前までの間に賃借人に対して契約が終了する旨の通知をしなければ、契約期間満了での終了を賃借人に対抗することができない。2018.5-45-3
    賃貸借期間が1年以上の定期借家契約の場合、賃貸人は、原則として、期間満了の1年前から6ヵ月前までの間に賃借人に対して契約が終了する旨の通知をしなければ、その終了を賃借人に対抗することができない。2017.5-45-2
    賃貸借期間が1年以上である定期借家契約の賃貸人は、賃貸借期間が満了する3ヵ月前までに、賃借人に対して賃貸借期間の満了により賃貸借が終了する旨の通知をしなければ、その終了を建物の賃借人に対抗することができない。2016.1-44-4
  3. 適切。建物の賃貸借において、賃貸人の同意を得て借家に設置した造作については、賃借人は契約終了に賃貸人に対して時価で買い取るよう請求することができます。これを造作買取請求権と言います。造作買取請求権は任意規定なので、普通借家契約・定期借家契約どちらでも特約で排除することが可能です。
    定期借家契約において、賃貸人の承諾を得て賃借人が設置した造作について、賃借人が賃貸人にその買取りを請求しない旨の特約をすることができる。2018.5-45-4
    定期借家契約では、賃借人に造作買取請求権を放棄させる旨の特約は無効となる。2016.9-44-3
    定期借家契約において、建物の賃貸人の承諾を得て賃借人が設置した造作について、賃借人が賃貸人にその買取りを請求しない旨の特約をすることができる。2016.5-44-3
  4. 適切。床面積が200㎡未満である居住用建物の定期借家契約では、賃借人にやむを得ない事情(転勤、療養、親の介護など)がある場合には、賃借人は特約がなくても中途解約できます。
    定期借家契約では、床面積が200㎡未満である居住用建物の賃借人が、転勤によりその建物を自己の生活の本拠として使用することが困難となった場合、賃借人は、当該契約の解約の申入れをすることができる。2016.9-44-4
したがって不適切な記述は[1]です。