FP2級過去問題 2018年5月学科試験 問45
問45
借地借家法の建物の賃貸借に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、本問においては、同法における定期建物賃貸借契約を定期借家契約といい、それ以外の建物賃貸借契約を普通借家契約という。- 期間の定めがある普通借家契約における賃借人から更新しない旨の通知は、賃借人に正当の事由があると認められるときでなければ、することができない。
- 普通借家契約において、賃借人は、その建物の賃借権の登記がなくても、引渡しを受けていれば、その後その建物について物権を取得した者に対抗することができる。
- 賃貸借期間が1年以上の定期借家契約の場合、賃貸人は、原則として、期間満了の1年前から6ヵ月前までの間に賃借人に対して契約が終了する旨の通知をしなければ、契約期間満了での終了を賃借人に対抗することができない。
- 定期借家契約において、賃貸人の承諾を得て賃借人が設置した造作について、賃借人が賃貸人にその買取りを請求しない旨の特約をすることができる。
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正解 1
問題難易度
肢170.7%
肢211.7%
肢311.2%
肢46.4%
肢211.7%
肢311.2%
肢46.4%
分野
科目:E.不動産細目:2.不動産の取引
解説
- [不適切]。普通借家契約では、貸主都合による立退き請求から借主を守るため、賃貸人が契約更新を拒絶するときには正当事由が必要とされています。しかし、本肢は賃借人による更新拒絶なので正当事由は不要です。期間の定めがある普通借家契約において、賃借人は、正当の事由がなければ、賃貸人に対し、更新しない旨の通知をすることができない。(2022.9-44-2)期間の定めがある普通借家契約において、賃借人は、正当の事由がなければ、賃貸人に対し、更新しない旨の通知をすることができない。(2022.1-44-1)期間の定めがある普通借家契約において、賃借人は、正当の事由がなくとも、賃貸人に対して更新しない旨の通知をすることができる。(2021.9-44-2)期間の定めがある普通借家契約において、賃借人は、正当の事由があると認められるときでなければ、賃貸人に対して更新しない旨の通知をすることができない。(2019.9-45-1)期間の定めがある普通借家契約において、賃借人が更新拒絶の通知をするためには、正当の事由が必要である。(2018.9-44-3)期間の定めがある普通借家契約において賃借人が更新拒絶の通知をする場合、正当の事由があると認められるときでなければすることができない。(2017.1-45-3)
- 適切。建物の賃貸借では、建物の引渡しを受けることが第三者対抗要件となっています。よって、賃借権の登記をしていなくても鍵を受け取る等の引渡し後であれば、建物の新所有者に対して賃借権を対抗することができます。定期借家契約において、賃借人は、その建物の賃借権の登記がなくても、引渡しを受けていれば、その後その建物について物権を取得した者に建物の賃借権を対抗することができる。(2023.1-45-2)普通借家契約において、賃借人は、原則として、その建物の賃借権の登記がなくても、引渡しを受けていれば、その後その建物について物権を取得した者に賃借権を対抗することができる。(2021.5-43-2)賃借人は、原則として、建物の賃借権の登記がなくても、建物の引渡しがあったときは、その後その建物の物権を取得した者に対し、建物の賃借権を対抗することができる。(2021.3-44-4)普通借家契約において、賃借人は、その建物の賃借権の登記がなくても、引渡しを受けていれば、その後その建物について物権を取得した者に賃借権を対抗することができる。(2021.1-44-2)普通借家契約において、賃借人は、その建物の賃借権の登記がなくても、引渡しを受けていれば、その後、その建物について物権を取得した者に賃借権を対抗することができる。(2019.9-45-2)普通借家契約において、賃借人は、その建物の賃借権の登記がなくても、引渡しを受けていれば、その後その建物について物権を取得した者に賃借権を対抗することができる。(2017.1-45-4)定期借家契約において、建物賃借人は、その建物について賃借権の登記がなくても、建物の引渡しを受けていれば、その後その建物について物権を取得した者に賃借権を対抗することができる。(2016.5-44-4)普通借家契約では、賃借権の登記がなくても建物の引渡しがあれば、その後にその建物の所有権を取得した者に対して、賃借人は、建物の賃借権を対抗することができる。(2016.1-44-3)普通借家契約において、賃借人は建物に賃借権の登記がなくても、建物の引渡しがあったときは、その後その建物の所有権を取得した者に対し、建物の賃借権を対抗することができる。(2015.9-44-4)
- 適切。定期借家契約の期間が1年以上の場合、賃貸人は、期間満了の1年前から6ヵ月前までの間に、賃借人に対して契約が終了する旨の通知をしなければ、期間満了による賃貸借の終了を賃借人に対抗できません。なお、1年未満の契約の場合、通知の必要はなく期間満了をもって当然に終了となります。定期借家契約では、賃貸借期間が1年以上の場合、賃貸人は、原則として、期間満了の1年前から6ヵ月前までの間に賃借人に対して期間満了により契約が終了する旨の通知をしなければ、その終了を賃借人に対抗することができない。(2019.9-45-4)定期借家契約では、賃貸借期間が1年以上の場合、賃貸人は、原則として、期間満了の1年前から6ヵ月前までの間に賃借人に対して契約が終了する旨の通知をしなければ、その終了を賃借人に対抗することができない。(2018.1-45-2)賃貸借期間が1年以上の定期借家契約の場合、賃貸人は、原則として、期間満了の1年前から6ヵ月前までの間に賃借人に対して契約が終了する旨の通知をしなければ、その終了を賃借人に対抗することができない。(2017.5-45-2)賃貸借期間が1年以上である定期借家契約の賃貸人は、賃貸借期間が満了する3ヵ月前までに、賃借人に対して賃貸借期間の満了により賃貸借が終了する旨の通知をしなければ、その終了を建物の賃借人に対抗することができない。(2016.1-44-4)
- 適切。建物の賃貸借において、賃貸人の同意を得て借家に設置した造作については、賃借人は契約終了に賃貸人に対して時価で買い取るよう請求することができます。これを造作買取請求権と言います。造作買取請求権は任意規定なので、普通借家契約・定期借家契約どちらでも特約で排除することが可能です。定期借家契約では、賃借人に造作買取請求権を放棄させる旨の特約は有効となる。(2018.1-45-3)定期借家契約では、賃借人に造作買取請求権を放棄させる旨の特約は無効となる。(2016.9-44-3)定期借家契約において、建物の賃貸人の承諾を得て賃借人が設置した造作について、賃借人が賃貸人にその買取りを請求しない旨の特約をすることができる。(2016.5-44-3)
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