FP2級過去問題 2017年5月学科試験 問45
問45
借地借家法等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、本問においては、同法における定期建物賃貸借契約を定期借家契約といい、それ以外の建物賃貸借契約を普通借家契約という。- 普通借家契約において、賃貸人および賃借人の合意により存続期間を6ヵ月と定めた場合であっても、その存続する期間は1年とみなされる。
- 賃貸借期間が1年以上の定期借家契約の場合、賃貸人は、原則として、期間満了の1年前から6ヵ月前までの間に賃借人に対して契約が終了する旨の通知をしなければ、その終了を賃借人に対抗することができない。
- 定期借家契約において、賃借人が賃貸人の同意を得て設置した造作について、「期間満了時、賃借人は賃貸人に対し、造作を時価で買い取るよう請求することができない」という特約は有効である。
- 国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」によれば、賃借人の通常の使用により生じた自然的損耗については、それにより建物価値の減価が生じていても、賃借人の原状回復義務の対象にはならないとされている。
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正解 1
問題難易度
肢169.5%
肢212.6%
肢310.9%
肢47.0%
肢212.6%
肢310.9%
肢47.0%
分野
科目:E.不動産細目:2.不動産の取引
解説
- [不適切]。普通借家契約の存続期間は、1年以上(上限なし)です。1年未満の存続期間の定めは無効となり、期間の定めがない契約とみなされます。よって、存続期間6か月の場合、期間の定めがないものとされます。定期借家契約は、契約当事者間の合意があっても、存続期間を3ヵ月未満とすることはできない。(2023.9-45-4)定期借家契約は、契約当事者の合意があっても、存続期間を6ヵ月未満とすることはできない。(2021.1-44-3)定期借家契約は、契約当事者の合意があっても、存続期間を6ヵ月未満とすることはできない。(2020.9-45-1)定期借家契約は、契約当事者の合意があっても、存続期間を6ヵ月未満とすることはできない。(2018.9-44-4)普通借家契約では、賃貸人および賃借人の合意により存続期間を6ヵ月と定めた場合であっても、その存続する期間は1年とみなされる。(2018.1-45-1)
- 適切。定期借家契約の期間が1年以上の場合、賃貸人は、期間満了の1年前から6ヵ月前までの間に、賃借人に対して契約が終了する旨の通知をしなければ、期間満了による賃貸借の終了を賃借人に対抗できません。なお、1年未満の契約の場合、通知の必要はなく期間満了をもって当然に終了となります。定期借家契約では、賃貸借期間が1年以上の場合、賃貸人は、原則として、期間満了の1年前から6ヵ月前までの間に賃借人に対して期間満了により契約が終了する旨の通知をしなければ、その終了を賃借人に対抗することができない。(2019.9-45-4)賃貸借期間が1年以上の定期借家契約の場合、賃貸人は、原則として、期間満了の1年前から6ヵ月前までの間に賃借人に対して契約が終了する旨の通知をしなければ、契約期間満了での終了を賃借人に対抗することができない。(2018.5-45-3)定期借家契約では、賃貸借期間が1年以上の場合、賃貸人は、原則として、期間満了の1年前から6ヵ月前までの間に賃借人に対して契約が終了する旨の通知をしなければ、その終了を賃借人に対抗することができない。(2018.1-45-2)賃貸借期間が1年以上である定期借家契約の賃貸人は、賃貸借期間が満了する3ヵ月前までに、賃借人に対して賃貸借期間の満了により賃貸借が終了する旨の通知をしなければ、その終了を建物の賃借人に対抗することができない。(2016.1-44-4)
- 適切。建物の賃貸借において、賃貸人の同意を得て借家に設置した造作については、賃借人は契約終了に賃貸人に対して時価で買い取るよう請求することができます。これを造作買取請求権と言います。造作買取請求権は任意規定なので、普通借家契約・定期借家契約どちらでも特約で排除することが可能です。普通借家契約において、賃借人が賃貸人の同意を得て建物に付加した造作について、賃貸借終了時、賃借人が賃貸人に、その買取りを請求しない旨の特約をした場合、その特約は無効である。(2024.1-43-2)普通借家契約において、賃借人が賃貸人の同意を得て建物に設置した造作について、賃貸借終了時、賃借人が賃貸人にその買取りを請求しない旨の特約をすることができる。(2021.5-43-4)建物の賃借人が賃貸人の同意を得て建物に設置した空調設備などの造作について、建物賃貸借契約終了時に賃借人が賃貸人にその買取りを請求しない旨の特約は有効である。(2021.3-44-3)定期借家契約において、賃貸人の同意を得て賃借人が設置した造作について、期間の満了時に賃借人が賃貸人に買取りを請求しないこととする特約をすることはできない。(2020.9-45-3)
- 適切。賃借人は、契約終了時に借家を元の状態に回復して返還する義務を負いますが、通常の使用によって生じる自然損耗や経年劣化については、建物価値の減価が生じていても賃借人の原状回復義務の対象にはならないとされています。通常損耗に係る修繕費については賃料に織り込み済であると解されているからです。
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