相続と法律(全76問中19問目)
No.19
民法に規定する相続に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。2023年1月試験 問56
- 相続人が不存在である場合は、被相続人の相続財産は法人となり、特別縁故者の請求によってその財産の全部または一部が特別縁故者に対して分与されることがある。
- 相続の単純承認をした相続人は、被相続人の財産のうち、積極財産のみを相続する。
- 限定承認は、相続人が複数いる場合、限定承認を行おうとする者が単独ですることができる。
- 相続の放棄をする場合は、相続人は相続の開始があったことを知った時から原則として6ヵ月以内に家庭裁判所に申述しなければならない。
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正解 1
問題難易度
肢157.2%
肢212.9%
肢314.3%
肢415.6%
肢212.9%
肢314.3%
肢415.6%
分野
科目:F.相続・事業承継細目:3.相続と法律
解説
- [適切]。相続人がいない、または相続人がいるかどうか不明な場合には、被相続人の相続財産は法人化し、家庭裁判所が定めた相続財産管理人により清算されます。相続財産管理人により借金等があれば返済され、それでもなお財産が残っている場合には、特別縁故者の請求によりその財産が分与されることがあります。特別縁故者とは、相続人ではないが被相続人と特別な関係にあった者をいい、例えば内縁関係の妻や事実上の養子などが該当します。
- 不適切。単純承認では、被相続人の資産・債務の全てを相続します。「積極財産」は現預金や不動産、株式などいわゆるプラスの財産のことです。一方、「消極財産」は借金や未払金などの債務つまりマイナスの財産を指します。
- 不適切。限定承認は、相続の開始があったことを知った時から3ヵ月以内に、相続人全員が共同して家庭裁判所へ申述しなければなりません。限定承認は、積極財産(プラスの財産)の範囲内で、消極財産(マイナスの財産)を相続するものです。
- 不適切。相続の放棄や限定承認をする場合は、相続の開始があったことを知った時から原則として3カ月以内に家庭裁判所にその旨を申述しなければなりません。その期間が過ぎると自動的に単純承認したものとみなされます。相続の放棄をしようとする者は、原則として、相続の開始があったことを知った時から3ヵ月以内に、家庭裁判所に相続の放棄をする旨を申述しなければならない。(2024.5-55-3)相続の放棄をしようとする者が一人でもいる場合は、相続の開始があったことを知った時から原則として3ヵ月以内に、共同相続人全員が、家庭裁判所に対して、相続の放棄をする旨を申述しなければならない。(2018.9-55-1)限定承認をしようとする場合、相続の開始があったことを知った時から原則として3ヵ月以内に、その旨を家庭裁判所に相続人全員が共同して申述しなければならない。(2018.9-55-3)単純承認をしようとする相続人は、相続の開始があったことを知った時から原則として3ヵ月以内に、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。(2014.9-54-2)限定承認をしようとする場合、相続の開始があったことを知った時から原則として3ヵ月以内に、その旨を家庭裁判所に相続人全員が共同して申述しなければならない。(2014.9-54-3)
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