贈与と税金(全68問中5問目)

No.5

贈与税の配偶者控除(以下「本控除」という)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
2024年1月試験 問53
  1. 本控除は、贈与を受けた年の1月1日時点において婚姻期間が20年以上である配偶者から受けた贈与でなければ、適用を受けることができない。
  2. 配偶者から受けた贈与について本控除の適用を受けたことがある場合、その後、同一の配偶者から贈与を受けても、再び本控除の適用を受けることはできない。
  3. 本控除の適用を受けた場合、贈与税額の計算上、贈与税の課税価格から、基礎控除額のほかに最高2,000万円を控除することができる。
  4. 本控除の適用を受け、その翌年に贈与者の相続が開始した場合、本控除の適用を受けた財産のうち、その控除額に相当する金額は、相続税の課税価格に加算されない。

正解 1

問題難易度
肢134.3%
肢214.5%
肢317.6%
肢433.6%

解説

  1. [不適切]。贈与を受けた年の1月1日ではありません。贈与税の配偶者控除の適用を受けるためには、贈与日において婚姻期間20年以上の配偶者からの贈与であることが要件となっています。
  2. 適切。贈与税の配偶者控除は、配偶者ごとに一生に一度しか使えません。したがって、ある配偶者からの贈与について適用を受けたことがある場合、同じ配偶者からの贈与について再び適用を受けることはできません。
    過去に本控除の適用を受けたことがある場合、同一の配偶者からの贈与について、再び本控除の適用を受けることはできない。2024.9-52-1
    前年以前の年において、すでに配偶者から贈与について本控除の適用を受けている場合、同じ配偶者から贈与を受けても、再び本控除の適用を受けることはできない。2017.1-53-1
  3. 適切。贈与税の配偶者控除(2,000万円)と基礎控除(110万円)は併用可能なので、合わせて最高2,110万円を控除することができます。
    配偶者からの贈与について贈与税の配偶者控除の適用を受けた者は、その年分の贈与税額の計算上、課税価格から、基礎控除額のほかに最高2,000万円を控除することができる。2023.1-53-3
    贈与税の配偶者控除の適用を受けた場合、贈与税額の計算上、課税価格から基礎控除額のほかに配偶者控除として最高で3,000万円を控除することができる。2021.5-52-2
    贈与税の配偶者控除の適用を受ける場合、贈与税額の計算上、課税価格から配偶者控除額として最高2,500万円を控除することができる。2021.1-53-3
    贈与税の配偶者控除の適用を受けた場合、贈与税額の計算上、課税価格から配偶者控除額として最高で2,000万円を控除することができるほかに基礎控除額も控除することができる。2020.9-52-3
    贈与税の配偶者控除の適用を受けた場合、贈与税額の計算上、課税価格から配偶者控除額として最高で2,000万円を控除することができるほかに、基礎控除額の控除もできる。2020.1-52-3
    本控除の適用を受けた場合、贈与税額の計算上、贈与により取得した財産の合計額から、基礎控除額も含めて最高2,000万円の配偶者控除額を控除することができる。2019.1-54-4
    父と母のそれぞれから同一の年において財産の贈与を受け、いずれの贈与についても暦年課税の適用を受けた場合の贈与税額の計算においては、贈与税の課税価格から基礎控除額として最高220万円を控除することができる。2018.9-53-1
    贈与税の配偶者控除の適用を受ける場合の贈与税額の計算においては、贈与税の課税価格から基礎控除額を控除することができない。2018.9-53-2
    贈与税の配偶者控除の適用を受けた場合、贈与税額の計算上、贈与により取得した財産の合計額から、基礎控除額のほかに最高2,500万円の配偶者控除額を控除することができる。2017.5-53-4
    配偶者から贈与を受けて贈与税の配偶者控除の適用を受けた者は、贈与税の課税価格から、基礎控除額のほかに最高で2,000万円を控除することができる。2017.1-52-3
    本控除の適用を受けた場合、贈与税の課税価格から基礎控除110万円を控除することはできない。2014.9-51-3
  4. 適切。贈与税の配偶者控除の適用を受けた居住用財産のうち、控除された金額に相当する部分は、生前贈与加算の対象外です。よって、贈与から7年以内に贈与者が死亡しても、適用を受けた額については相続税の課税価格に加算する必要はありません。
したがって不適切な記述は[1]です。