FP2級過去問題 2013年1月学科試験 問43

問43

借地借家法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、本問においては、同法第22条から第24条の定期借地権等以外の借地権を普通借地権という。
  1. 借地借家法施行前の借地法に基づき設定された借地権が、期間満了により借地借家法施行以降に更新された場合、更新後の借地権の存続期間は、借地借家法の規定に従うこととなる。
  2. 普通借地権の存続期間が満了する場合、借地権者が契約の更新を請求したときは、建物がある場合に限り、原則として、従前の契約と同一条件(更新後の期間を除く)で契約を更新したものとみなされる。
  3. 一般定期借地権の存続期間は50年とされ、貸主および借主の合意によりこれより長い期間を定めても、存続期間は50年とされる。
  4. 事業用定期借地権等の設定に関する契約は書面によって行わなければならないが、必ずしも公正証書による必要はない。

正解 2

問題難易度
肢119.9%
肢248.8%
肢317.6%
肢413.7%

解説

  1. 不適切。借地借家法施行前の旧借地法に基づいて設定された借地権は、借地借家法施行後に更新された場合でも旧借地法の規定が適用されます。
  2. [適切]。普通借地権では、借地権者が更新を請求したときは、借地上に建物が存在する場合に限り、地主の承諾がなくても従前と同一条件で更新されます。なお、双方の合意があれば建物が存在していなくても契約は更新されます。
    普通借地権の存続期間が満了した時点で借地上に建物が存在しない場合は、借地権者が契約の更新を請求しても、従前の契約と同一の条件で契約が更新されたものとはみなされない。2023.9-44-2
    普通借地権の存続期間が満了する場合において、借地権者が契約の更新を請求し、借地権設定者に更新を拒絶する正当の事由がないときは、借地上に建物があるかどうかにかかわらず、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなされる。2023.5-44-4
    普通借地権の存続期間が満了した時点で借地上に建物が存在しない場合、借地権者が借地権設定者に契約の更新を請求したときは、従前の契約と同一の条件で契約は更新されたものとみなす。2022.5-44-2
    普通借地権の当初の存続期間が満了する場合、借地上に建物が存在しなくても、借地権者が借地権設定者に契約の更新を請求したときは、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなされる。2021.1-43-2
    普通借地権の当初の存続期間が満了する場合、借地上に建物が存在しなくても、借地権者が借地権設定者に契約の更新を請求したときは、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなされる。2020.1-43-2
    普通借地権の存続期間満了に伴い、借地権者が借地権設定者に契約の更新を請求したときは、その土地の上に建物が存在しなくても、従前の契約と同一条件で契約を更新したものとみなされる。2018.5-44-1
    普通借地権の存続期間が満了する場合において、借地権者が契約を請求したときは、借地上に建物がない場合でも、従前の契約と同一の条件を更新したものとみなされる。2017.9-43-2
    普通借地権の存続期間が満了する場合において、借地権者が契約の更新を請求したときは、借地上に建物がない場合でも、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなされる。2016.1-43-3
    普通借地権の存続期間が満了する場合、借地権者が借地権設定者に契約の更新を請求したときは、当該土地上に建物がなくても、従前の契約と同一の条件で契約は更新されたものとみなされる。2015.5-44-2
    普通借地権の存続期間が満了する場合、借地権者が借地権設定者に契約の更新を請求したときは、当該土地上に建物が存在しなくても、従前の契約と同一の条件で契約は更新されたものとみなされる。2014.1-45-2
    普通借地権の存続期間満了に伴い、借地権者が借地権設定者に契約の更新を請求したときは、その土地の上に建物が存在しなくても、従前の契約と同一条件で契約を更新することができる。2013.5-43-1
  3. 不適切。一般定期借地権の存続期間は50年以上とされているため、存続期間を50年より長く設定することもできます。
    普通借地権の設定契約において、期間の定めがないときは、存続期間は30年とされる。2023.9-44-1
    一般定期借地権の存続期間は、50年以上としなければならない。2023.5-44-2
    普通借地権の存続期間は30年とされており、契約でこれより長い期間を定めることはできない。2023.5-44-3
    普通借地権の設定契約において、その存続期間は50年を超えることができない。2023.1-44-1
    普通借家契約において、賃貸借の存続期間は50年を超えてはならない。2021.5-43-1
    普通借地権の設定契約において、期間の定めがない場合には、存続期間は50年となる。2020.9-44-1
    普通借地権の設定契約において、期間の定めがない場合には、存続期間は30年となる。2019.9-44-1
    普通借地権の設定当初の存続期間は、契約で期間の定めがない場合、建物の構造による区別なく一律20年とされる。2019.1-43-1
    普通借地権の設定契約では、当該契約により30年を超える存続期間を定めることができる。2017.9-43-1
    普通借地権の設定当初の存続期間は、借地上の建物の構造にかかわらず、最短で30年とされる。2016.1-43-1
  4. 不適切。事業用定期借地権等の設定契約は、公正証書でしなければなりません。公正証書に限定しているのは、事業用定期借地権等の設定目的である「専ら事業用の建物(居住用を除く)の所有」について、要件を満たしているかどうかを公証人に審査させることで法の実効力を確保するためです。
    事業用定期借地権等の設定を目的とする契約は、書面によってしなければならないが、その書面が公正証書である必要はない。2020.9-44-4
    事業用定期借地権等の設定を目的とする契約は、書面によって行わなければならないが、公正証書による必要はない。2019.1-43-3
    事業用定期借地権等の設定を目的とする契約は、借地借家法により、公正証書によって締結しなければならないとされている。2015.10-43-2
したがって適切な記述は[2]です。