FP2級過去問題 2019年1月学科試験 問43

問43

借地借家法の規定に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、本問においては、同法第22条から第24条の定期借地権等以外の借地権を普通借地権という。
  1. 普通借地権の設定当初の存続期間は、契約で期間の定めがない場合、建物の構造による区別なく一律20年とされる。
  2. 普通借地権の存続期間が満了する場合において、借地権者が契約の更新を請求したときは、借地上に建物がある場合に限り、借地権設定者が遅滞なく異議を述べたときを除いて、従前の契約と同一の条件(更新後の期間を除く)で契約を更新したものとみなす。
  3. 事業用定期借地権等の設定を目的とする契約は、書面によって行わなければならないが、公正証書による必要はない。
  4. 建物譲渡特約付借地権では、借地権を消滅させるため、借地権設定後20年以上を経過した日に、借地上の建物を借地権設定者に相当の対価で譲渡する旨を定めることができる。

正解 2

問題難易度
肢14.3%
肢273.1%
肢39.7%
肢412.9%

解説

  1. 不適切。普通借地権の設定当初の存続期間は、30年以上としなければなりません。期間の定めがない場合や30年未満の期間を定めた場合、存続期間は30年となります。
    普通借地権の設定契約において、期間の定めがないときは、存続期間は30年とされる。2023.9-44-1
    一般定期借地権の存続期間は、50年以上としなければならない。2023.5-44-2
    普通借地権の存続期間は30年とされており、契約でこれより長い期間を定めることはできない。2023.5-44-3
    普通借地権の設定契約において、その存続期間は50年を超えることができない。2023.1-44-1
    普通借家契約において、賃貸借の存続期間は50年を超えてはならない。2021.5-43-1
    普通借地権の設定契約において、期間の定めがない場合には、存続期間は50年となる。2020.9-44-1
    普通借地権の設定契約において、期間の定めがない場合には、存続期間は30年となる。2019.9-44-1
    普通借地権の設定契約では、当該契約により30年を超える存続期間を定めることができる。2017.9-43-1
    普通借地権の設定当初の存続期間は、借地上の建物の構造にかかわらず、最短で30年とされる。2016.1-43-1
    一般定期借地権の存続期間は50年とされ、貸主および借主の合意によりこれより長い期間を定めても、存続期間は50年とされる。2013.1-43-3
  2. [適切]。普通借地権の存続期間が満了した場合、借地権者(土地の借主)が契約の更新を請求したときは、借地上に建物がある場合に限り、更新したとみなされます(請求更新)。借地権設定者(地主)は、正当事由がなければ更新を拒むことはできません。
  3. 不適切。事業用定期借地権等の設定契約は、公正証書でしなければなりません。公正証書に限定しているのは、事業用定期借地権等の設定目的である「専ら事業用の建物(居住用を除く)の所有」について、要件を満たしているかどうかを公証人に審査させることで法の実効力を確保するためです。なお、書面または電磁的記録であればOKなのは一般定期借地権です。
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    事業用定期借地権等の設定を目的とする契約は、書面によってしなければならないが、その書面が公正証書である必要はない。2020.9-44-4
    事業用定期借地権等の設定を目的とする契約は、借地借家法により、公正証書によって締結しなければならないとされている。2015.10-43-2
    事業用定期借地権等の設定に関する契約は書面によって行わなければならないが、必ずしも公正証書による必要はない。2013.1-43-4
  4. 不適切。建物譲渡特約付借地権とは、定期借地権の一つで、借地権設定後30年以上を経過した日に、借地上の建物を地主に相当の対価で譲渡することで、借地契約を終了させることを定めたものです。
したがって適切な記述は[2]です。