FP2級過去問題 2020年9月学科試験 問44

問44

借地借家法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、本問においては、同法第22条から第24条の定期借地権等以外の借地権を普通借地権という。
  1. 普通借地権の設定契約において、期間の定めがない場合には、存続期間は50年となる。
  2. 普通借地権の当初の存続期間が満了して更新する場合、当事者間で更新後の存続期間を更新の日から10年と定めたときは、更新後の存続期間は更新の日から10年とされる。
  3. 事業用定期借地権等においては、建物の用途は事業用に限定されているため、法人が従業員向けの社宅として利用する建物の所有を目的として設定することができない。
  4. 事業用定期借地権等の設定を目的とする契約は、書面によってしなければならないが、その書面が公正証書である必要はない。

正解 3

問題難易度
肢114.5%
肢212.7%
肢358.6%
肢414.2%

解説

  1. 不適切。普通借地権の当初の存続期間は30年以上とされています。期間を定めなかった場合、30年未満の期間を定めた場合は存続期間30年となります。
  2. 不適切。普通借地権を更新する際、1度目の更新では20年以上、2度目以降の更新では10年以上の存続期間を設定する必要があります。これに反する特約で借地権者に不利なものは無効となるので、初回更新時に10年と定めた特約は無効となり、更新後の存続期間は更新の日から20年となります。
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  3. [適切]。事業用定期借地権等の目的は、居住用を除く事業用建物の所有に限定されているため、賃貸マンションや社宅等の居住用建物の所有を目的として設定することはできません。
  4. 不適切。事業用定期借地権等の契約は公正証書でしなければなりません。公正証書に限定しているのは、事業用定期借地権等の設定目的である「専ら事業用の建物(居住用を除く)の所有」について、要件を満たしているかどうかを公証人に審査させることで法の実効力を確保するためです。
したがって適切な記述は[3]です。