FP2級過去問題 2013年9月学科試験 問34

問34

所得税における損益通算に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 上場株式の譲渡に係る譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、申告分離課税を選択した上場株式に係る配当所得の金額と損益通算することができる。
  2. 青色申告の承認を受けていない納税者の事業所得の金額の計算上生じた損失の金額は、他の所得の金額と損益通算することができない。
  3. 不動産所得の金額の計算上生じた損失の金額のうち、その不動産所得を生ずべき土地の取得に要した負債の利子の額に相当する部分の金額は、他の所得の金額と損益通算することができない。
  4. 業務用車両の譲渡に係る譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、他の所得の金額と損益通算することができる。

正解 2

問題難易度
肢125.1%
肢247.5%
肢39.4%
肢418.0%

解説

  1. 適切。上場株式の譲渡に係る譲渡所得の損失の金額は、申告分離課税と総合課税を選択した場合で取扱いが異なります。
    申告分離課税を選択した場合
    配当控除は適用されないが、申告分離課税を選択した上場株式に係る配当所得の金額と損益通算することができる
    総合課税を選択した場合
    配当控除は適用されるが、譲渡損失・配当所得との損益通算はできない
    一般口座で保有している上場株式を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、申告分離課税を選択した上場株式に係る配当所得の金額と損益通算することができる。2022.1-33-4
    上場株式を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、申告分離課税を選択した上場株式に係る配当所得の金額と損益通算することができない。2021.3-34-2
    上場株式を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、総合課税を選択した上場株式の配当所得の金額と損益通算することができない。2020.9-33-1
    上場株式を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、総合課税を選択した上場株式の配当所得の金額と損益通算することができない。2020.1-33-1
    上場株式を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額と、非上場株式の配当金に係る配当所得の金額は、確定申告をすることにより、損益通算することができる。2016.1-34-3
    上場株式を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、申告分離課税を選択した上場株式に係る配当所得の金額と損益通算することができない。2015.9-33-1
    上場株式を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、総合課税を選択した上場株式に係る配当所得の金額と損益通算することができない。2014.9-33-2
  2. [不適切]。納税者の事業所得の金額の計算上生じた損失の金額は、青色申告の承認を受けているいないにかかわらず、他の所得の金額と損益通算することができます。
    総合課税の対象となる事業所得の金額の計算上生じた損失の金額は、公的年金等に係る雑所得の金額と損益通算することができる。2021.5-32-3
  3. 適切。不動産所得の計算上生じた損失は損益通算の対象ですが、その不動産所得を生ずべき土地の取得に要した負債利子相当額は、他の各種所得の金額と損益通算することができません。
    不動産所得の金額の計算上生じた損失の金額のうち、不動産所得を生ずべき土地の取得に要した負債の利子の額に相当する部分の金額は、事業所得の金額と損益通算することができる。2024.1-33-3
    不動産所得の金額の計算上生じた損失の金額のうち、不動産所得を生ずべき業務の用に供する土地の取得に要した負債の利子の額に相当する部分の金額は、事業所得の金額と損益通算することができる。2023.9-33-3
    不動産所得の金額の計算上生じた損失の金額のうち、不動産所得を生ずべき業務の用に供する土地の取得に要した負債の利子に相当する部分の金額は、給与所得の金額と損益通算できる。2023.5-33-1
    不動産所得の金額の計算上生じた損失の金額のうち、その不動産所得を生ずべき土地の取得に要した負債の利子の額に相当する部分の金額は、事業所得の金額と損益通算することができない。2020.1-33-3
    不動産所得の金額の計算上生じた損失の金額のうち、その不動産所得を生ずべき土地の取得に要した負債の利子の額に相当する部分の金額は、他の各種所得の金額と損益通算することができない。2015.9-33-4
    不動産所得の金額の計算上生じた損失の金額のうち、その不動産所得を生ずべき土地の取得に要した負債の利子の額に相当する部分の金額は、他の各種所得の金額と損益通算することができない。2014.9-33-4
    不動産所得の金額の計算上生じた損失の金額のうち、建物の取得に要した負債の利子の額に相当する部分の金額は、他の各種所得の金額と損益通算することができない。2014.1-32-4
    賃貸アパート経営による不動産所得の損失の金額のうち、その賃貸アパートの土地の取得に要した負債の利子の額に相当する部分の金額は、他の各種所得の金額と損益通算することができない。2013.5-34-1
  4. 適切。所得税の計算上、業務用車両の譲渡に係る損失は、事業所得の損失ではなく譲渡所得の損失となり、その損失額は他の所得の金額と損益通算することができます。
    業務用車両を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、事業所得の金額と損益通算することができる。2024.1-33-2
    業務用車両を売却したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、事業所得の金額と損益通算することができる。2023.9-33-4
    ゴルフ会員権を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、他の各種所得の金額と損益通算することができない。2021.3-34-1
    賃貸アパートの土地と建物を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、他の各種所得の金額と損益通算することができない。2021.3-34-4
    業務用車両を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、事業所得の金額と損益通算することができない。2020.1-33-2
    ゴルフ会員権を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、他の各種所得の金額と損益通算することができない。2017.5-33-3
    ゴルフ会員権を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、他の各種所得の金額と損益通算することができない。2016.1-34-2
    ゴルフ会員権を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、他の各種所得の金額と損益通算することができない。2015.9-33-2
    賃貸アパートの土地と建物を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、他の各種所得の金額と損益通算することができない。2015.9-33-3
    居住の用に供したことがない土地や建物を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、他の各種所得の金額と損益通算することができない。2014.1-32-2
したがって不適切な記述は[2]です。