FP2級過去問題 2014年9月学科試験 問33

問33

所得税における損益通算に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 別荘を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、他の各種所得の金額と損益通算することができない。
  2. 上場株式を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、総合課税を選択した上場株式に係る配当所得の金額と損益通算することができない。
  3. 青色申告の承認を受けていない納税者の事業所得の金額の計算上生じた損失の金額は、他の各種所得の金額と損益通算することができない。
  4. 不動産所得の金額の計算上生じた損失の金額のうち、その不動産所得を生ずべき土地の取得に要した負債の利子の額に相当する部分の金額は、他の各種所得の金額と損益通算することができない。

正解 3

問題難易度
肢110.6%
肢217.2%
肢358.4%
肢413.8%

解説

  1. 適切。別荘などの生活に通常必要でない資産の生じた損失は、譲渡所得であっても他の所得と損益通算することができません。
    先物取引に係る雑所得の金額の計算上生じた損失の金額は、不動産所得の金額と損益通算することができる。2024.1-33-1
    先物取引に係る雑所得の金額の計算上生じた損失の金額は、上場株式等に係る譲渡所得の金額と損益通算することができる。2023.9-33-2
    先物取引に係る雑所得の金額の計算上生じた損失の金額は、不動産所得の金額と損益通算することができる。2023.5-33-2
    農業に係る事業所得の金額の計算上生じた損失の金額は、不動産所得の金額と損益通算することができる。2023.5-33-4
    公的年金等以外の雑所得の金額の計算上生じた損失の金額は、不動産所得の金額と損益通算することができる。2021.5-32-1
    一時所得の金額の計算上生じた損失の金額は、給与所得の金額と損益通算することができる。2021.5-32-4
    別荘を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、他の各種所得の金額と損益通算することができない。2020.9-33-4
    生命保険の解約返戻金を受け取ったことによる一時所得の金額の計算上生じた損失の金額は、不動産所得の金額と損益通算することができない。2020.1-33-4
    一時所得の金額の計算上生じた損失の金額は、他の各種所得の金額と損益通算することができない。2017.5-33-2
    原稿料を受け取ったことによる雑所得の金額の計算上生じた損失の金額は、他の各種所得の金額と損益通算することができる。2014.1-32-3
    食品小売業による事業所得の金額の計算上生じた損失の金額は、他の各種所得の金額と損益通算することができる。2013.5-34-3
  2. 適切。上場株式を譲渡したことによる譲渡所得の損失は、総合課税を選択した上場株式に係る配当所得の金額と損益通算することができません。しかし、申告分離課税を選択した上場株式に係る配当所得の金額とは損益通算することができます。
    一般口座で保有している上場株式を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、申告分離課税を選択した上場株式に係る配当所得の金額と損益通算することができる。2022.1-33-4
    上場株式を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、申告分離課税を選択した上場株式に係る配当所得の金額と損益通算することができない。2021.3-34-2
    上場株式を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、総合課税を選択した上場株式の配当所得の金額と損益通算することができない。2020.9-33-1
    上場株式を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、総合課税を選択した上場株式の配当所得の金額と損益通算することができない。2020.1-33-1
    上場株式を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額と、非上場株式の配当金に係る配当所得の金額は、確定申告をすることにより、損益通算することができる。2016.1-34-3
    上場株式を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、申告分離課税を選択した上場株式に係る配当所得の金額と損益通算することができない。2015.9-33-1
    上場株式の譲渡に係る譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、申告分離課税を選択した上場株式に係る配当所得の金額と損益通算することができる。2013.9-34-1
  3. [不適切]。損益通算できる所得は、事業所得、不動産所得、山林所得、譲渡所得の4つです。白色申告(青色申告の承認を受けていない申告)であっても、事業所得は他の所得と損益通算することができます。
    青色申告の承認を受けていない納税者の事業所得の金額の計算上生じた損失の金額は、他の各種所得の金額と損益通算することができない。2020.9-33-3
    事業所得の金額(総合課税に係るもの)の計算上生じた損失の金額は、他の各種所得の金額と損益通算することができない。2017.5-33-1
  4. 適切。"土地の取得に要した負債の利子"の額に相当する部分の金額は、不動産所得であっても他の所得と損益通算することができません。
    不動産所得の金額の計算上生じた損失の金額のうち、不動産所得を生ずべき土地の取得に要した負債の利子の額に相当する部分の金額は、事業所得の金額と損益通算することができる。2024.1-33-3
    不動産所得の金額の計算上生じた損失の金額のうち、不動産所得を生ずべき業務の用に供する土地の取得に要した負債の利子の額に相当する部分の金額は、事業所得の金額と損益通算することができる。2023.9-33-3
    不動産所得の金額の計算上生じた損失の金額のうち、不動産所得を生ずべき業務の用に供する土地の取得に要した負債の利子に相当する部分の金額は、給与所得の金額と損益通算できる。2023.5-33-1
    不動産所得の金額の計算上生じた損失の金額のうち、その不動産所得を生ずべき土地の取得に要した負債の利子の額に相当する部分の金額は、事業所得の金額と損益通算することができない。2020.1-33-3
    不動産所得の金額の計算上生じた損失の金額のうち、その不動産所得を生ずべき土地の取得に要した負債の利子の額に相当する部分の金額は、他の各種所得の金額と損益通算することができない。2015.9-33-4
    不動産所得の金額の計算上生じた損失の金額のうち、建物の取得に要した負債の利子の額に相当する部分の金額は、他の各種所得の金額と損益通算することができない。2014.1-32-4
    不動産所得の金額の計算上生じた損失の金額のうち、その不動産所得を生ずべき土地の取得に要した負債の利子の額に相当する部分の金額は、他の所得の金額と損益通算することができない。2013.9-34-3
    賃貸アパート経営による不動産所得の損失の金額のうち、その賃貸アパートの土地の取得に要した負債の利子の額に相当する部分の金額は、他の各種所得の金額と損益通算することができない。2013.5-34-1
したがって不適切な記述は[3]です。