FP2級過去問題 2022年1月学科試験 問33

問33

所得税の損益通算に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 全額自己資金により購入したアパートの貸付けによる不動産所得の金額の計算上生じた損失の金額は、給与所得の金額と損益通算することができる。
  2. コンサルティング事業を行ったことによる事業所得の金額の計算上生じた損失の金額は、不動産所得の金額と損益通算することができる。
  3. 生命保険を解約して解約返戻金を受け取ったことによる一時所得の金額の計算上生じた損失の金額は、公的年金に係る雑所得の金額と損益通算することができる。
  4. 一般口座で保有している上場株式を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、申告分離課税を選択した上場株式に係る配当所得の金額と損益通算することができる。

正解 3

問題難易度
肢112.6%
肢29.7%
肢356.4%
肢421.3%

解説

  1. 適切。不動産所得の計算上生じた損失は、他の所得と損益通算できます。給与所得の金額との損益通算も可能です。
  2. 適切。事業所得の計算上生じた損失の金額は、他の所得と損益通算できます。不動産所得の金額と損益通算も可能です。
  3. [不適切]。他の所得との損益通算が可能なのは、不動産所得、事業所得、山林所得、譲渡所得の4つの所得で生じた損失に限られます。一時所得の損失は、他の所得と損益通算することはできません。一時所得で生じた損失(マイナス)は0円として扱います。
    生命保険の解約返戻金を受け取ったことによる一時所得の金額の計算上生じた損失の金額は、不動産所得の金額と損益通算することができる。2024.1-33-4
    終身保険の解約返戻金を受け取ったことによる一時所得の金額の計算上生じた損失の金額は、給与所得の金額と損益通算することができる。2023.9-33-1
    生命保険を解約して解約返戻金を受け取ったことによる一時所得の金額の計算上生じた損失の金額は、事業所得の金額と損益通算することができる。2023.5-33-3
    終身保険の解約返戻金を受け取ったことによる一時所得の金額の計算上生じた損失の金額は、給与所得の金額と損益通算することができない。2020.9-33-2
    養老保険の満期保険金を受け取ったことによる一時所得の金額の計算上生じた損失の金額は、他の各種所得の金額と損益通算することができる。2014.1-32-1
    生命保険の解約返戻金の受取りによる一時所得の金額の計算上生じた損失の金額は、他の各種所得の金額と損益通算することができない。2013.5-34-4
  4. 適切。上場株式を譲渡したことによる譲渡所得の損失は、申告分離課税を選択した上場株式に係る配当所得の金額と損益通算することができます。しかし、総合課税を選択した上場株式に係る配当所得の金額とは損益通算することができません。
    上場株式を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、申告分離課税を選択した上場株式に係る配当所得の金額と損益通算することができない。2021.3-34-2
    上場株式を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、総合課税を選択した上場株式の配当所得の金額と損益通算することができない。2020.9-33-1
    上場株式を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、総合課税を選択した上場株式の配当所得の金額と損益通算することができない。2020.1-33-1
    上場株式を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額と、非上場株式の配当金に係る配当所得の金額は、確定申告をすることにより、損益通算することができる。2016.1-34-3
    上場株式を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、申告分離課税を選択した上場株式に係る配当所得の金額と損益通算することができない。2015.9-33-1
    上場株式を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、総合課税を選択した上場株式に係る配当所得の金額と損益通算することができない。2014.9-33-2
    上場株式の譲渡に係る譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、申告分離課税を選択した上場株式に係る配当所得の金額と損益通算することができる。2013.9-34-1
したがって不適切な記述は[3]です。