FP2級過去問題 2016年1月学科試験 問34

問34

所得税における譲渡損失の取扱いに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. 生活用動産を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、総合課税の対象となる譲渡所得の金額と通算することができる。
  2. ゴルフ会員権を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、他の各種所得の金額と損益通算することができない。
  3. 上場株式を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額と、非上場株式の配当金に係る配当所得の金額は、確定申告をすることにより、損益通算することができる。
  4. 居住用財産を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、所定の要件を満たせば、その損失が生じた年の前年に繰り戻して、前年分の所得税の還付を受けることができる。

正解 2

問題難易度
肢18.2%
肢276.1%
肢37.0%
肢48.7%

解説

  1. 不適切。生活用動産の譲渡で生じた利益は非課税となるため、損失が生じた場合もなかったものとされ、他の所得と損益通算することはできません。
  2. [適切]。日常生活に通常必要でないとされるゴルフ会員権・リゾート会員権等の資産を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、譲渡損失であっても他の所得と損益通算することはできません。
    業務用車両を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、事業所得の金額と損益通算することができる。2024.1-33-2
    業務用車両を売却したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、事業所得の金額と損益通算することができる。2023.9-33-4
    ゴルフ会員権を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、他の各種所得の金額と損益通算することができない。2021.3-34-1
    賃貸アパートの土地と建物を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、他の各種所得の金額と損益通算することができない。2021.3-34-4
    業務用車両を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、事業所得の金額と損益通算することができない。2020.1-33-2
    ゴルフ会員権を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、他の各種所得の金額と損益通算することができない。2017.5-33-3
    ゴルフ会員権を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、他の各種所得の金額と損益通算することができない。2015.9-33-2
    賃貸アパートの土地と建物を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、他の各種所得の金額と損益通算することができない。2015.9-33-3
    居住の用に供したことがない土地や建物を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、他の各種所得の金額と損益通算することができない。2014.1-32-2
    業務用車両の譲渡に係る譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、他の所得の金額と損益通算することができる。2013.9-34-4
  3. 不適切。上場株式等を譲渡したことによる損失金額は、非上場株式の配当金に係る配当所得と損益通算することはできません。上場株式等の配当金にかかわる配当所得の金額とは損益通算することができます。
    一般口座で保有している上場株式を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、申告分離課税を選択した上場株式に係る配当所得の金額と損益通算することができる。2022.1-33-4
    上場株式を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、申告分離課税を選択した上場株式に係る配当所得の金額と損益通算することができない。2021.3-34-2
    上場株式を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、総合課税を選択した上場株式の配当所得の金額と損益通算することができない。2020.9-33-1
    上場株式を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、総合課税を選択した上場株式の配当所得の金額と損益通算することができない。2020.1-33-1
    上場株式を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、申告分離課税を選択した上場株式に係る配当所得の金額と損益通算することができない。2015.9-33-1
    上場株式を譲渡したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、総合課税を選択した上場株式に係る配当所得の金額と損益通算することができない。2014.9-33-2
    上場株式の譲渡に係る譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、申告分離課税を選択した上場株式に係る配当所得の金額と損益通算することができる。2013.9-34-1
  4. 不適切。土地・建物の譲渡所得は分離課税なので原則として他の所得との損益通算ができませんが、一定の居住用財産に関する譲渡損失は特例を使えば損益通算することができます。しかし、前年に繰り戻して所得税の還付を受けることはできません。
したがって適切な記述は[2]です。