FP2級過去問題 2017年9月学科試験 問28(改題)

問28

NISA(少額投資非課税制度)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、本問においては、NISAにより投資収益が非課税となる口座をNISA口座という。
  1. NISA口座で保有することができる金融商品には、公募公社債投資信託も含まれる。
  2. NISA口座で保有する上場株式を売却することにより生じた損失は、確定申告を行うことにより、特定口座や一般口座で保有する他の上場株式等の譲渡益と通算できる。
  3. 特定口座で保有する上場株式をNISA口座に移管することで、譲渡益や配当金を非課税扱いにできる。
  4. NISA口座で保有する上場株式の配当金を非課税扱いにするためには、配当金の受取方法として株式数比例配分方式を選択しなければならない。

正解 4

問題難易度
肢117.1%
肢27.8%
肢311.4%
肢463.7%

解説

  1. 不適切。NISA口座に受け入れることのできる金融商品は、上場株式・上場投資信託・公募株式投資信託などの一定程度のリスクがある商品です。NISAは、預貯金に偏っているわが国の金融資産をリスク資産へシフトさせ、個人の投資を促す目的で創設されたため、リスクの小さい国債、地方債、MRF、MMFなどの公社債投資信託は投資対象外となります。
  2. 不適切。NISA口座で生じた譲渡損失はなかったものとされるので、一般口座や特定口座で生じた譲渡益や配当金との損益通算や繰越控除はできません。
    NISA口座で保有する金融商品を売却することで生じた譲渡損失の金額は、確定申告を行うことにより、同一年中に特定口座や一般口座で保有する金融商品を売却することで生じた譲渡益の金額と通算することができる。2023.5-29-2
    NISA口座で保有する上場株式を売却したことで生じた譲渡損失の金額は、確定申告をすることにより、特定口座内の上場株式の譲渡益の金額と通算することができる。2023.1-28-4
    「つみたて投資枠」に受け入れている金融商品を売却することで生じた譲渡損失は、確定申告を行うことにより、同一年中に特定口座や一般口座で保有する金融商品を売却することで生じた譲渡益と通算することができる。2022.5-29-3
    「つみたて投資枠」に受け入れている金融商品を売却することで生じた譲渡損失は、確定申告を行うことにより、同一年中に特定口座や一般口座で保有する金融商品を売却することで生じた譲渡益と通算することができる。2022.1-29-2
    「成長投資枠」で保有する金融商品を売却することで生じた譲渡損失の金額は、確定申告を行うことにより、同一年中に特定口座や一般口座で保有する金融商品を売却することで生じた譲渡益の金額と通算することができる。2021.5-28-3
    NISA口座で保有する上場株式を譲渡して損失が生じた場合、確定申告を行うことにより、同一年中の特定口座や一般口座における上場株式の譲渡益と損益を通算することができる。2020.9-28-1
  3. 不適切。特定口座や一般口座内の上場株式や投資信託をNISA口座に移管することはできません。逆にNISA口座内の上場株式や投資信託は、特定口座や一般口座に移管することができます。
  4. [適切]。配当金の受取方法には、①株式数比例配分方式、②配当金領収証方式、③登録配当金受領口座方式、④個別銘柄指定方式の4種類がありますが、NISA口座で受け取った配当金を非課税扱いするためには「株式数比例配分方式」を選択する必要があります。
    【参考】株式数比例配分方式を選択することで、非課税口座で保有する株式の配当は非課税口座に、課税口座で保有している株式の配当は課税口座に入金されることになります。他の方式では非課税口座と課税口座の配当が区別されずにまとめて支払われ、どの口座で買い付けた株式の配当なのか区別できないので非課税になりません。
    NISA口座で保有する上場株式の配当金を非課税扱いにするためには、配当金の受取方法として株式数比例配分方式を選択しなければならない。2024.1-28-2
    NISA口座で保有する上場株式の配当金を非課税扱いにするためには、配当金の受取方法として登録配当金受領口座方式を選択しなければならない。2023.5-29-1
    NISA口座で保有する上場株式の配当金を非課税扱いにするためには、配当金の受取方法として株式数比例配分方式を選択しなければならない。2023.1-28-3
    「成長投資枠」で保有する上場株式の配当金を非課税扱いにするためには、配当金の受取方法として株式数比例配分方式を選択しなければならない。2021.5-28-2
    NISA口座で保有する上場株式の配当金を非課税扱いにするためには、配当金の受取方法として配当金領収証方式を選択しなければならない。2020.9-28-4
    「つみたて投資枠」で保有する上場投資信託(ETF)の分配金を非課税扱いにするためには、分配金の受取方法として株式数比例配分方式を選択しなければならない。2018.9-30-3
    「成長投資枠」で保有する上場株式の配当金を非課税扱いにするためには、配当金の受取方法として株式数比例配分方式を選択しなければならない。2018.5-29-3
    NISA口座で保有する金融商品の配当金を非課税にするためには、株式数比例配分方式を選択しなければならない。2017.1-28-4
したがって適切な記述は[4]です。