FP2級過去問題 2024年1月学科試験 問51

問51

民法上の贈与に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. 贈与は、当事者の一方が、ある財産を無償で相手方に与える意思表示をすることにより効力が生じ、相手方が受諾する必要はない。
  2. 定期贈与は、贈与者または受贈者のいずれか一方が生存している限り、その効力を失うことはない。
  3. 死因贈与は、民法の遺贈に関する規定が準用されるため、書面によってしなければならない。
  4. 書面によらない贈与は、その履行の終わった部分を除き、各当事者が解除をすることができる。

正解 4

問題難易度
肢14.3%
肢26.5%
肢311.0%
肢478.2%

解説

  1. 不適切。相手方の受諾が必要です。贈与は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって効力を生ずる契約です。契約ですから、成立するには当事者の合意が必要となります。
    民法上、贈与は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることにより効力が生じる。2022.9-51-1
    贈与契約は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる。2021.5-51-1
    民法上、贈与は、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思表示をすることにより効力が生じ、相手方が受諾する必要はない。2021.1-51-1
    贈与は、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる。2020.9-51-1
    贈与契約は、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思表示をすることにより成立し、相手方が受諾する必要はない。2019.5-51-1
    贈与契約は、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が承諾をすることによって成立する。2019.1-51-1
    贈与は、書面によらないものであっても、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる。2016.9-51-2
    贈与契約は、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思表示をすることにより成立し、相手方が受諾する必要はない。2015.5-51-1
  2. 不適切。定期贈与は、贈与者が受贈者に対し、定期的に金銭等の財産を給付することを約束する契約です。定期贈与は、契約に別段の定めがない限り、贈与者または受贈者のいずれかが死亡するとその効力を失います。つまり、両者とも生存している必要があるということです。これは定期贈与が当事者同士の人間関係を基礎としていることが多いためです。
    定期贈与は、贈与者または受贈者の死亡によって、その効力を失う。2024.9-51-1
    定期の給付を目的とする贈与契約は、贈与者または受贈者の死亡によって、その効力を失う。2021.5-51-3
    定期の給付を目的とする贈与は、贈与者または受贈者の死亡によって、その効力を失う。2020.9-51-2
    定期の給付を目的とする贈与契約は、贈与者または受贈者の死亡によって、その効力を失う。2019.1-51-4
    定期贈与契約は、原則として、贈与者または受贈者の死亡により効力を失う。2016.1-51-1
    定期贈与契約は、贈与者または受贈者のどちらか一方の死亡により、それ以後の当該契約の効力を失うことになる。2015.10-51-3
    定期贈与は、贈与者または受贈者の死亡によって、その効力を失う。2015.5-51-2
    死因贈与は、贈与者の死亡以前に受贈者が死亡したときは、その効力を生じない。2015.5-51-4
    定期贈与とは、贈与者が受贈者に対して定期的に給付することを目的とする贈与のことをいい、贈与者または受贈者の死亡によってその効力を失う。2013.9-51-2
  3. 不適切。死因贈与は書面による必要はありません。死因贈与にはその性質に反しない限り、遺贈の規定が準用されますが、準用される範囲は効力に関するものであって、遺書能力・方式・承認・放棄に関する規定は準用されないというのが一般的な解釈です。したがって、遺贈の形式要件である書面(遺言)は死因贈与には適用されず、贈与の原則どおり意思の合致のみによって成立します。
    死因贈与は、民法の遺贈に関する規定が準用されるため、贈与者のみの意思表示により成立する。2024.9-51-3
    死因贈与とは、贈与者の死亡によって効力が生じる贈与をいい、贈与者のみの意思表示により成立する。2023.9-51-3
    死因贈与では、民法の遺贈に関する規定が準用され、贈与者のみの意思表示により成立し、贈与者の死亡によって効力が生じる。2023.1-51-4
    死因贈与では、民法の遺贈に関する規定が準用され、贈与者のみの意思表示により成立し、贈与者の死亡によって効力が生じる。2022.5-51-3
    死因贈与契約は、贈与者の一方的な意思表示により成立する。2019.9-51-3
    死因贈与契約は、贈与者の一方的な意思表示により成立する。2016.1-51-2
  4. [適切]。口約束などのように書面によらない贈与契約は、履行が終わっていない部分に限り、当事者双方から撤回することができます。履行済みの部分は、書面による・よらないを問わず撤回できません。
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    書面によらない贈与は、その履行の終わった部分についても、各当事者が解除をすることができる。2024.9-51-4
    書面によらない贈与は、その履行の終わった部分についても、各当事者が解除をすることができる。2023.9-51-1
    書面によらない贈与は、その履行の終わった部分についても、各当事者が解除をすることができる。2023.1-51-1
    民法上、書面によらない贈与は、いまだその履行がなされていない場合であっても、各当事者がこれを解除することはできない。2022.9-51-2
    書面によらない贈与では、その履行前であれば、各当事者は合意がなくとも契約の解除をすることができる。2022.5-51-4
    書面によらない贈与は、その履行の終わった部分についても、各当事者が解除をすることができる。2022.1-51-1
    書面によらない贈与においては、その履行がなされていない場合であっても、各当事者は契約の解除をすることができない。2021.9-51-1
    民法上、書面によらない贈与において、いまだその履行がなされていない場合であっても、各当事者が一方的にこれを解除することはできない。2021.1-51-2
    書面によらない贈与契約においては、その履行がなされた部分についても、各当事者はいつでも撤回することができる。2019.9-51-1
    書面によってなされた贈与契約において、いまだその履行がなされていない場合には、各当事者がこれを撤回することができる。2019.1-51-2
    書面によってなされた贈与契約において、いまだその履行がなされていない場合には、各当事者がこれを撤回することができる。2018.5-51-1
したがって適切な記述は[4]です。