FP2級過去問題 2021年9月学科試験 問51

問51

民法上の贈与に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. 書面によらない贈与においては、その履行がなされていない場合であっても、各当事者は契約の解除をすることができない。
  2. 定期贈与とは、贈与者が受贈者に対して定期的に財産を給付することを目的とする贈与をいい、贈与者が死亡しても受贈者が生存している限り、その効力を失うことはない。
  3. 負担付贈与では、受贈者がその負担である義務を履行しない場合において、贈与者が相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、贈与者は、原則として、当該贈与の契約の解除をすることができる。
  4. 死因贈与とは、贈与者の死亡によって効力が生じる贈与をいい、民法の遺贈に関する規定が準用され、死因贈与契約書については家庭裁判所による検認が必要である。

正解 3

問題難易度
肢15.7%
肢26.4%
肢373.3%
肢414.6%

解説

  1. 不適切。口頭での約束などのように書面によらない贈与契約の場合、その履行が終わっていない部分については、当事者双方から撤回することができます。
    6/204.png/image-size:436×135
    書面によらない贈与は、その履行の終わった部分についても、各当事者が解除をすることができる。2024.9-51-4
    書面によらない贈与は、その履行の終わった部分を除き、各当事者が解除をすることができる。2024.1-51-4
    書面によらない贈与は、その履行の終わった部分についても、各当事者が解除をすることができる。2023.9-51-1
    書面によらない贈与は、その履行の終わった部分についても、各当事者が解除をすることができる。2023.1-51-1
    民法上、書面によらない贈与は、いまだその履行がなされていない場合であっても、各当事者がこれを解除することはできない。2022.9-51-2
    書面によらない贈与では、その履行前であれば、各当事者は合意がなくとも契約の解除をすることができる。2022.5-51-4
    書面によらない贈与は、その履行の終わった部分についても、各当事者が解除をすることができる。2022.1-51-1
    民法上、書面によらない贈与において、いまだその履行がなされていない場合であっても、各当事者が一方的にこれを解除することはできない。2021.1-51-2
    書面によらない贈与契約においては、その履行がなされた部分についても、各当事者はいつでも撤回することができる。2019.9-51-1
    書面によってなされた贈与契約において、いまだその履行がなされていない場合には、各当事者がこれを撤回することができる。2019.1-51-2
    書面によってなされた贈与契約において、いまだその履行がなされていない場合には、各当事者がこれを撤回することができる。2018.5-51-1
  2. 不適切。定期贈与は、贈与者が受贈者に対し、定期的に金銭等の財産を給付することを約束する契約です。定期贈与は、契約に別段の定めがない限り、贈与者または受贈者の死亡によりその効力を失います。多くの場合、定期贈与は当事者同士の人間関係を基礎としていて、権利義務が相続人に承継されるのは適当ではないためです。
    定期贈与とは、贈与者が受贈者に対して定期的に財産を給付することを目的とする贈与をいい、贈与者または受贈者の死亡によって、その効力を失う。2023.9-51-4
    定期贈与とは、贈与者が受贈者に対して定期的に財産を給付することを目的とする贈与をいい、贈与者または受贈者のいずれか一方が生存している限り、その効力を失うことはない。2023.1-51-2
    定期贈与とは、贈与者が受贈者に対して定期的に財産を給付することを目的とする贈与をいい、贈与者または受贈者のいずれか一方が生存している限り、その効力を失うことはない。2022.5-51-1
    定期贈与とは、贈与者が受贈者に対して定期的に財産を給付することを目的とする贈与をいい、贈与者または受贈者の死亡によって、その効力を失う。2022.1-51-4
    定期贈与とは、贈与者が受贈者に対して定期的に財産を給付することを目的とする贈与をいう。2019.5-51-2
    定期贈与とは、贈与者が受贈者に対して定期的に金銭等を給付することを目的とする贈与をいう。2015.1-51-1
  3. [適切]。負担付贈与には売買契約をはじめとする双務契約の規定が準用されるため、受贈者が債務を履行しないとき、贈与者が期間を定めてその履行の催告をしたにもかかわらず期間内に履行がないときは、贈与者は負担付贈与契約を解除することができます。
    負担付贈与では、受贈者がその負担である義務を履行しない場合において、贈与者が相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がない場合、原則として、贈与者は、当該贈与の契約の解除をすることができる。2023.1-51-3
    負担付贈与では、受贈者がその負担である義務を履行しない場合において、贈与者が相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がない場合であっても、贈与者は、当該贈与の契約の解除をすることができない。2022.5-51-2
    負担付贈与契約の受贈者がその負担である義務を履行しない場合、贈与者は、相当の期間を定めてその履行の催告をしてもその期間内に履行がないときは、その贈与契約の解除をすることができる。2019.9-51-4
    負担付贈与契約の受贈者がその負担である義務を履行しない場合、贈与者は、相当の期間を定めてその履行の催告をしても履行がないときは、その贈与契約の解除をすることができる。2018.5-51-4
    負担付贈与では、受贈者がその負担である義務を履行しない場合において、贈与者が相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、贈与者は、当該贈与の契約の解除をすることができる。2016.9-51-4
    負担付贈与契約は、受贈者が負担を履行しない場合、贈与者が相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がなければ、贈与者は当該契約を解除することができる。2015.10-51-2
    負担付贈与においては、受贈者が負担すべき債務を履行しない場合、贈与者はその贈与契約を解除することができる。2015.5-51-3
  4. 不適切。死因贈与は、贈与者の死亡によってその効力を生じる贈与契約です。死因贈与にはその性質に反しない限り、遺贈の規定が準用されます。
    死因贈与は受贈者の承諾があって成立する契約であって、遺言者の意思を一方的に遺す遺言とは異なります。また遺言が必ず書面で行わなければならないのに対し、死因贈与は口頭でも成立します。このような性質の違いから死因贈与には検認の規定が適用されません。したがって、死因贈与契約書について検認を受ける必要はありません。
したがって適切な記述は[3]です。