消費税(全39問中2問目)

No.2

消費税の適格請求書等保存方式(インボイス制度)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
2024年9月試験 問40
  1. 消費税の免税事業者が適格請求書発行事業者の登録を受けると、消費税の課税事業者となる。
  2. 適格請求書発行事業者の登録に係る効力は、事業者が登録の通知を受けた日にかかわらず、適格請求書発行事業者登録簿に登載された日から生じる。
  3. 適格請求書発行事業者が、適格請求書に代えて適格簡易請求書を交付するためには、消費税の簡易課税制度の適用を受ける必要がある。
  4. 適格請求書には、適格請求書発行事業者の氏名または名称および登録番号や税率ごとに区分した消費税額等の記載が必要とされる。

正解 3

問題難易度
肢113.7%
肢239.5%
肢337.6%
肢49.2%

解説

  1. 適切。適格請求書発行事業者となることができるのは課税事業者だけです。免税事業者が適格請求書発行事業者の登録を受けると、その登録と同時に消費税の課税事業者となります。
    本措置は2023年10月1日から2029年9月30日までの経過措置です。本来は適格請求書発行事業者の登録は課税事業者しかできないので、免税事業者は消費税課税事業者選択届出をしてから適格請求書発行事業者の登録をするのが原則的な手続きの流れです。
  2. 適切。税務署長は、適格請求書発行に係る登録申請書の提出を受けて、問題がなければ適格請求書発行事業者登録簿に事業者を登載し、その後、事業者に対して登録された旨の通知をします。登録簿に登載した日と事業者が通知を受けた日にはズレが発生しますが、適格請求書発行事業としての登録の効力は、適格請求書発行事業者登録簿に登載された日から生じます。
    適格請求書発行事業者の登録を受けようとする事業者は、適格請求書発行事業者の登録申請書を、納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。2024.5-40-1
  3. [不適切]。適格簡易請求書と簡易課税制度は無関係です。適格簡易請求書は、小売業や飲食店業、タクシー業など不特定多数の者に課税資産の譲渡等を行う業種の者が、適格請求書に代えて交付することができるものです。通常の適格請求書と比較して、交付先の事業者の氏名・名称の記載が不要、消費税額等と適用税率のいずれか一方の記載で足りるなど、記載事項が簡略化されています。
  4. 適切。インボイス制度は、消費税の仕入税額控除の対象となる仕入れ額について、所定の事項が記載された適格請求書(インボイス)の保存を義務づける制度です。適格請求書の要件を満たすには、請求書内に次のすべての事項の記載が必要です。
    1. 適格請求書発行事業者の氏名・名称および登録番号
    2. 取引年月日
    3. 取引内容(軽減対象税率の対象品目である旨)
    4. 税率ごとに区分して合計した対価の額および適用税率
    5. 税率ごとに区分した消費税額等
    6. 書類の交付を受ける事業者の氏名・名称
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したがって不適切な記述は[3]です。