不動産の取引 (全56問中1問目)

No.1

不動産の売買契約に係る民法の規定に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、特約については考慮しないものとする。
出典:2019年1月試験 問42
  1. 買主に債務の履行遅滞が生じた場合、売主は、履行の催告をすることなく直ちに契約を解除することができる。
  2. 売買の目的物に隠れた瑕疵があり、買主が売主の瑕疵担保責任に基づく損害賠償の請求をする場合、買主は、その請求を売買契約締結時から5年以内にしなければならない。
  3. 未成年者が法定代理人の同意を得ないで不動産の売買契約を締結した場合、自らを成年者であると信じさせるため詐術を用いたときは、その売買契約を取り消すことができない。
  4. 買主が売主に解約手付を交付した場合、買主が売買代金を支払った後であっても、売主は、受領した代金を返還し、手付金の倍額を償還することにより、契約の解除をすることができる。

正解 3

解説

  1. 不適切。債務不履行には、履行不能と履行遅滞があり、それぞれの状態において買主がとるべき対応は異なります。
    履行不能(履行が不可能になった場合)
    買主は履行の催告をすることなく、直ちに契約を解除することができる
    履行遅滞(履行ができるにもかかわらず履行期を過ぎても履行しない場合)
    買主は相当の期間を定めて履行の催促をし、その間に履行されないときは契約を解除することができる
    本肢のように履行遅滞の場合には、相当の期間を定めて履行の催促をした後でなければ契約解除できません。
  2. 不適切。売買の目的物に隠れた瑕疵があった場合、売主はその瑕疵について過失がなくても瑕疵担保責任を負います。買主は瑕疵を発見してから1年以内に損害賠償の請求をしなければなりません。
  3. [適切]。未成年者が法律行為を行うには、法定代理人(多くの場合は親)の同意が必要になり、同意のない場合には取り消すことができます。ただし、自ら成年者・行為能力者であることを信じさせるために「詐術」を用いた(嘘をついた)ときには契約を取り消すことができません。よって記述は適切です。
  4. 不適切。解約手付の性質を持つ手付金が買主から売主に交付された場合、相手方が契約の履行に着手するまでは、買主は手付金の放棄、売主は手付金の倍額償還によって、契約を解除することができます。ただし、買主の代金の一部支払いや売主の建築工事の着手など既に契約の履行に着手した場合は、契約を解除することはできません。
    本肢では、買主が売買代金の一部を支払っており契約の履行に着手したとみなされるため、売主は手付の倍額を買主に償還しても契約解除できません。
したがって適切な記述は[3]です。