贈与と税金(全68問中64問目)

No.64

贈与税の非課税財産に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、相続時精算課税制度については考慮しないものとする。
2013年9月試験 問52
  1. 扶養義務者から贈与を受けた財産のうち、生活費または教育費として通常必要と認められるものは、贈与税の課税対象とならない。
  2. 特定障害者が受け取った特定障害者扶養信託契約に基づく信託受益権は、その信託受益権の価額の多寡にかかわらず、贈与税の課税対象とならない。
  3. 離婚による財産分与により取得した財産の価額が、婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額等を考慮して社会通念上相当な範囲内である場合は、原則として、贈与税の課税対象とならない。
  4. 個人の債務者が資力を喪失して債務を弁済することが困難になり、その債務の免除を受けた場合、債務免除益のうち債務を弁済することが困難である部分の金額は、贈与税の課税対象とならない。

正解 2

問題難易度
肢18.4%
肢259.7%
肢37.7%
肢424.2%

解説

  1. 適切。扶養義務者から受け取る財産のうち、通常必要と認められる生活費・教育費は贈与税の課税対象にはなりません。ただし、生活費等という名目で受けたものであっても、有価証券や不動産購入に充てられた場合は課税対象となります。
    扶養義務者相互間において生活費または教育費に充てるためにした贈与により取得した財産のうち、通常必要と認められるものは、贈与税の課税対象とならない。2023.9-52-1
    扶養義務者相互間において生活費または教育費に充てるためにした贈与により取得した財産のうち、通常必要と認められるものは、贈与税の課税対象とならない。2023.1-52-3
    扶養義務者相互間において生活費または教育費に充てるためにした贈与により取得した財産のうち、通常必要と認められるものは、贈与税の課税対象とならない。2021.1-52-1
    扶養義務者から贈与により取得した財産のうち、生活費として通常必要と認められるものは、贈与税の課税対象とならない。2019.5-52-2
    扶養義務者から取得した財産のうち、生活費として通常必要と認められるものは、贈与税の課税対象とならない。2018.5-52-1
    扶養義務者から取得した財産のうち、生活費として通常必要と認められるものは、贈与税の課税対象とならない。2017.1-51-2
    扶養義務者からの贈与により取得した財産のうち、生活費または教育費として通常必要と認められるものは、贈与税の課税対象とならない。2015.10-52-2
  2. [不適切]。特定障害者が受け取る特定障害者扶養信託契約に基づく信託受益権は、6,000万円までの部分については、贈与税の課税対象となりません。本肢は「価額の多寡にかかわらず」が誤りです。
  3. 適切。離婚による財産分与によって取得した財産については、夫婦の協力によって得た財産の額等を考慮して社会通念上相当な範囲内である場合は、贈与税の課税対象となりません。
    離婚による財産分与により取得した財産は、その価額が婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額その他一切の事情を考慮して社会通念上相当な範囲内である場合、原則として、贈与税の課税対象とならない。2024.1-52-4
    離婚に伴う財産分与により取得した財産は、その価額が婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額等の事情を考慮して社会通念上相当な範囲内である場合、原則として、贈与税の課税対象とならない。2023.9-52-3
    離婚による財産分与により財産を取得した場合には、その価額が婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額等の事情を考慮して社会通念上相当な範囲内であったとしても、その取得した財産は、原則として贈与により取得したものとみなされ、贈与税の課税対象となる。2022.9-52-4
    離婚による財産分与として取得した財産は、その価額が婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額等を考慮して、社会通念上相当な範囲内である場合、原則として、贈与税の課税対象とならない。2022.5-53-2
    離婚による財産分与によって取得した財産については、その価額が婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額その他一切の事情を考慮しても過当でなく、贈与税や相続税のほ脱を図ったものでもない場合には、贈与税の課税対象とならない。2022.1-53-3
    離婚による財産分与によって取得した財産の額のうち、婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額等の事情を考慮しても、なお過大であると認められる部分は、贈与税の課税対象となる。2020.1-51-4
    離婚による財産分与として取得した財産は、その価額が婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額等を考慮して社会通念上相当な範囲内である場合、原則として、贈与税の課税対象とならない。2019.5-52-3
    離婚による財産分与として取得した財産は、その価額が婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額等を考慮して社会通念上相当な範囲内である場合、原則として、贈与税の課税対象とならない。2018.9-52-4
    離婚による財産分与として取得した財産は、その価額が婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額等を考慮して社会通念上相当な範囲内である場合、原則として、贈与税の課税対象とならない。2018.5-52-3
    離婚による財産分与として取得した財産は、その価額が婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額等を考慮して社会通念上相当な範囲内である場合、原則として、贈与税の課税対象とならない。2017.1-51-3
    離婚による財産分与として取得した財産の価額が、婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額等を考慮して社会通念上相当な範囲内である場合は、原則として、贈与税の課税対象とならない。2015.10-52-3
  4. 適切。債務の免除があった場合、免除額に相当する贈与を受けたとみなされて贈与税が課税されるのが原則です。ただし、債務者に弁済の資力(財力・支払能力)がなく社会通念上債務の支払いが不能であるとされた部分は、贈与税の課税対象となりません。
    債務者である個人が資力を喪失して債務を弁済することが困難になり、債権者である個人から当該債務の免除を受けた場合、当該免除を受けた金額のうちその債務を弁済することが困難である部分の金額は、贈与税の課税対象とならない。2024.1-52-3
    個人の債務者が資力を喪失して債務を弁済することが困難になり、個人の債権者から当該債務の免除を受けた場合、当該免除を受けた金額のうちその債務を弁済することが困難である部分の金額は、贈与税の課税対象とならない。2022.1-53-2
    個人の債務者が資力を喪失して債務を弁済することが困難になり、その債務の免除を受けた場合、債務免除益のうち債務を弁済することが困難である部分の金額は、贈与税の課税対象とならない。2019.9-53-4
    個人の債務者が資力を喪失して債務を弁済することが困難になり、その債務の免除を受けた場合、債務免除益のうち債務を弁済することが困難である部分の金額は、贈与税の課税対象とならない。2018.5-52-4
したがって不適切な記述は[2]です。