FP2級過去問題 2015年1月学科試験 問43
問43
借地借家法等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、本問においては、借地借家法第22条の定期借地権を一般定期借地権という。- 一般定期借地権では、存続期間中に借地人の建物が火災で滅失し、借地人が建物を再築したとしても、存続期間は延長されない。
- 一般定期借地権の設定登記をした場合、存続期間などの登記事項は、登記記録の権利部乙区に記録される。
- 事業用定期借地権等の設定を目的とする契約は、公正証書によって締結しなければならない。
- 借地借家法施行前に締結された借地権設定契約の更新時に、貸主から一般定期借地権設定契約への切替えの申入れがあった場合、借主は、正当の事由がない限り、その申入れを拒絶することはできない。
広告
正解 4
問題難易度
肢121.2%
肢218.8%
肢39.6%
肢450.4%
肢218.8%
肢39.6%
肢450.4%
分野
科目:E.不動産細目:2.不動産の取引
解説
- 適切。一般定期借地権は、①契約更新、②建物築造による期間の延長、③建物買取請求権の3つがない借地契約です。よって、存続期間中に建物の再築があっても存続期間は延長されません。普通借地権の存続期間は、借地権者と借地権設定者の合意により、30年より長い期間を定めることができる。(2018.1-44-1)普通借地権の設定当初の存続期間は、借地権者と借地権設定者との合意にかかわらず、30年を超えて定めることができない。(2017.5-44-1)普通借地権では、借地権者と借地権設定者との契約により、存続期間を70年と定めることができる。(2015.9-43-1)普通借地権では、借地権者と借地権設定者との契約により、存続期間を20年と定めることができる。(2015.5-44-1)
- 適切。登記記録の権利部は甲区と乙区に区分され、甲区には所有権に関する事項、乙区には所有権以外の権利(抵当権・賃借権・配偶者居住権など)に関する事項が記録されています。賃借権が記録されるのは乙区です。一般定期借地権の設定登記をした場合、存続期間などの登記事項は、登記記録の権利部乙区に記録される。(2015.10-43-1)
- 適切。事業用定期借地権等の契約は公正証書でしなければなりません。公正証書に限定しているのは、事業用定期借地権等の設定目的である「専ら事業用の建物(居住用を除く)の所有」について、要件を満たしているかどうかを公証人に審査させることで法の実効力を確保するためです。もっぱら事業の用に供する建物の所有を目的として一般定期借地権を設定する場合、その契約は公正証書によってしなければならない。(2024.9-43-4)もっぱら事業の用に供する建物について定期借家契約を締結する場合、その契約は公正証書によってしなければならない。(2023.9-45-3)法人は従業員の社宅として利用する建物の所有を目的として、事業用定期借地権等の設定契約をすることができる。(2023.1-44-4)事業用定期借地権等の設定を目的とする契約は、書面によってしなければならないが、その書面が公正証書である必要はない。(2020.9-44-4)事業用定期借地権等の設定を目的とする契約は、公正証書によってしなければならない。(2019.5-44-4)事業用定期借地権等の設定を目的とする契約は、書面によって行わなければならないが、公正証書による必要はない。(2019.1-43-3)事業用定期借地権等の設定を目的とする契約は、公正証書によって締結しなければならない。(2018.5-44-3)事業用定期借地権等の設定に関する契約は書面によって行わなければならないが、必ずしも公正証書による必要はない。(2013.1-43-4)
- [不適切]。現行の借地借家法施行前に締結された借地借家関係については、新法施行後に契約が更新された場合でも新法で契約することはできず、旧法の規定が適用されます。そのため、旧法に存在しない規定である定期借地権への切替えの申し入れがあった場合でも、変更することはできません。
広告