FP2級過去問題 2015年1月学科試験 問42(改題)

問42

民法に基づく不動産の売買契約上の留意点に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 買主が売主に解約手付を交付した場合、買主が契約の履行に着手するまでは、売主は受領した解約手付の倍額を買主に現実に提供することにより、売買契約を解除することができる。
  2. 土地の売買契約において、その土地の登記記録の面積と実測面積とが相違していても、その面積の差に基づく売買代金の増減精算は行わないという旨の特約は、有効である。
  3. 売買契約の目的物に契約内容に適合しない事実があった場合、売主は、その不適合があることについて故意または過失があるときに限り、買主に対して担保責任を負う。
  4. 売主の責めに帰すべき事由により、売買契約で定められている債務の履行が不能となった場合、買主は、履行の催告をすることなく当該契約を解除することができる。

正解 3

問題難易度
肢110.5%
肢28.8%
肢364.2%
肢416.5%

解説

  1. 適切。解約手付が買主から売主に交付された場合、相手方が契約の履行に着手するまでは、買主は手付の放棄、売主は手付の倍額を買主に現実に提供することによって、契約を解除することができます。なお、契約履行の着手とは、売主の建築工事の着手、買主の購入代金の一部支払いなどの行為になります。
  2. 適切。土地の売買契約において、その土地の登記面積と実測面積とが相違していても、その面積の差に基づく売買代金の増減精算は行わないという特約を定めることは有効で、この登記面積に基づき確定する取引を「公簿売買」といいます。また、実測面積に基づき確定する場合を「実測売買」といいます。
  3. [不適切]。売主の担保責任は原則として無過失責任とされています。引き渡された売買契約の目的物に契約不適合が見つかった場合、売主の故意または過失の有無にかかわらず、売主は買主に対して担保責任を負わなければなりません。
  4. 適切。債務不履行には「履行不能」と「履行遅滞」があり、それぞれの状態において買主がとれる対応は異なります。
    履行不能(履行が不可能になった場合)
    買主は履行の催告をすることなく、直ちに契約を解除できる
    履行遅滞(履行できるにもかかわらず、履行期を過ぎても履行しない場合)
    買主は相当の期間を定めて履行の催告をし、その期間内に履行されないときに限り、契約を解除できる
    本肢のケースは履行不能に該当するので、履行の催告をすることなく、当該契約を解除することができます。
    なお、民法改正により債務不履行による契約解除に際して債務者の帰責事由は不要となりましたので、債務不履行が売主の責めに帰すべき事由でなくても買主は契約解除できます。
したがって不適切な記述は[3]です。