FP2級過去問題 2015年9月学科試験 問31

問31

所得税の仕組みに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 所得税では、課税対象となる所得を10種類に区分し、それぞれの所得の種類ごとに定められた計算方法により所得の金額を計算する。
  2. 所得税では、社会政策上の配慮や二重課税の排除などの趣旨から、特定の所得については非課税所得としている。
  3. 課税総所得金額に対する所得税額は、所得の金額の多寡にかかわらず、一律の税率により計算する。
  4. 所得税では、原則として、納税者本人が自主的に所得の金額とこれに対応する税額を計算し、申告・納付する申告納税方式を採用している。

正解 3

問題難易度
肢11.1%
肢23.7%
肢388.3%
肢46.9%

解説

  1. 適切。所得税では、各所得の性質や税の負担能力に応じた課税を実現するために、事業所得、不動産所得、給与所得、利子所得、配当所得、一時所得、譲渡所得、雑所得、山林所得、退職所得の10種類に所得を区分し、各所得ごとに定められた方法で所得金額を計算します。
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    所得税では、課税対象となる所得を10種類に区分し、それぞれの所得の種類ごとに定められた計算方法により所得の金額を計算する。2023.9-31-3
    所得税では、課税対象となる所得を10種類に区分し、それぞれの所得の種類ごとに定められた計算方法により所得の金額を計算する。2022.5-31-1
    所得税では、課税対象となる所得を14種類に区分して、それぞれの所得の種類ごとに定められた計算方法により所得の金額を計算する。2020.1-31-3
    所得税では、課税対象となる所得を10種類に区分し、それぞれの所得の種類ごとに定められた計算方法により所得の金額を計算する。2019.5-31-3
    所得税では、課税対象となる所得を8種類に区分し、それぞれの所得の種類ごとに定められた計算方法により所得の金額を計算する。2019.1-31-2
    所得税では、課税対象となる所得を10種類に区分し、それぞれの所得の種類ごとに定められた計算方法により所得の金額を計算する。2016.5-31-4
    所得税では、課税対象となる所得を10種類に区分し、それぞれの所得の種類ごとに定められた計算方法により所得の金額を計算する。2014.9-31-2
  2. 適切。所得税は、原則として個人の1暦年の全ての所得に対して課税することとされていますが、特定の所得については、社会政策その他の見地から、所得税を課さない非課税所得とされています。非課税所得については、原則として何らの手続を要することなく、課税の対象から除外されます。
    所得税では、社会政策上の配慮や二重課税の排除などの趣旨から、特定の所得については非課税所得とされている。2021.3-32-2
  3. [不適切]。一律の税率ではありません。所得税は、課税総所得金額の部分ごとに適用される税率を段階的に分け、所得金額のうち高い部分ほど高い税率が適用される超過累進課税率です。税率は5%~45%の7段階に区分されています。
    課税総所得金額に対する所得税額は、課税総所得金額に応じて7段階に区分された税率を用いて計算される。2022.5-31-3
    課税総所得金額に対する所得税額は、課税総所得金額の多寡にかかわらず、一律20%の税率により計算する。2020.1-31-4
    課税総所得金額に対する所得税額は、課税総所得金額の多寡にかかわらず、一律の税率により計算する。2019.5-31-4
    課税総所得金額に対する所得税は、所得の金額に応じた超過累進税率により計算される。2017.9-31-2
    課税総所得金額に対する所得税額は、所得金額の多寡にかかわらず、一律の税率を乗じることにより計算する。2017.1-31-2
  4. 適切。所得税は、納税者自らが1年間の所得金額とそれに応じた税額を計算し、申告を行うことで税額が確定する申告納税方式を基本としています。会社員の場合は、源泉徴収制度を通じて会社が納税者の代わりに申告と納税をしていることになります。
    所得税では、納税者本人が所得の金額とこれに対応する税額を計算し、申告・納付する申告納税方式を採用している。2022.5-31-4
    所得税では、納税者本人が自主的に所得の金額とこれに対応する税額を計算し、申告・納付する申告納税方式を採用している。2019.5-31-1
したがって不適切な記述は[3]です。