FP2級過去問題 2020年1月学科試験 問31

問31

所得税の原則的な仕組みに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. 所得税は、納税者が申告をした後に、税務署長が所得や納付すべき税額を決定する賦課課税方式を採用している。
  2. 所得税法では、所得税の納税義務者を居住者、非居住者、内国法人、外国法人に分類して、それぞれ納税義務を定めている。
  3. 所得税では、課税対象となる所得を14種類に区分して、それぞれの所得の種類ごとに定められた計算方法により所得の金額を計算する。
  4. 課税総所得金額に対する所得税額は、課税総所得金額の多寡にかかわらず、一律20%の税率により計算する。

正解 2

問題難易度
肢19.9%
肢264.5%
肢318.7%
肢46.9%

解説

  1. 不適切。所得税は、納税者本人が税額を計算し、申告納付する申告納税方式です。会社員の年末調整は、会社がまとめて申告していることになります。
    賦課課税方式とは、国や地方公共団体が税額を計算して納税者に通知する方式で、不動産取得税、固定資産税、自動車税、個人住民税などが該当します。
  2. [適切]。所得税法では、所得税の納税義務者を居住者、非居住者、内国法人、外国法人の四つのグループに分けてそれぞれ納税義務を定めています。
    ※所得税は原則として個人の所得に課される税ですが、例外的に法人も課税対象になることがあります。例えば、法人の普通口座の利息でも個人と同じく源泉徴収された金額が振り込まれますが、このとき法人が所得税を支払ったことになります。
  3. 不適切。所得税では、事業所得、不動産所得、給与所得、利子所得、配当所得、一時所得、譲渡所得、雑所得、山林所得、退職所得の10種類に所得を区分しています。
  4. 不適切。所得税は、課税対象金額をいくつかの段階に分け、その金額が高くなるにつれて税率が高くなる超過累進税率です。5%~45%の7段階に区分されています。
したがって適切な記述は[2]です。